普通の主婦が集う大阪発のアイドルグループ＜オバチャーン＞に学ぶ元気が出る名言集5選「考えすぎたらあかん悩みが多くなるだけや」

　大阪を拠点に活動する、平均年齢72歳（自称）のアイドルグループ「オバチャーン」。2012年に発表したデビュー曲『オバチャーンのテーマ』は、YouTubeでの再生回数が現在170万回を超えるほどの人気ぶり。万博よりもアツく、そして今なお輝き続ける彼女たちに、元気に生きる秘訣と珠玉の名言を伺った。

教えてくれた人

舟井栄子さん／オバチャーンレッド・不動のセンター、宇口（うこう）久子さん／オバチャーンブルー・メンバーきってのしゃべりの達人。

平均72才のアイドル「オバチャーン」。圧倒的パワーの秘密とは

「オバチャーン」の結成は2011年。なにわのシンボルタワー「通天閣」100周年記念イベントを盛り上げるため、60才以上の主婦を中心に結成された。メンバーの舟井栄子さん（77才）が当時を振り返る。

「初期メンバーは7人で、通天閣のイベント1回限りで終わるはずが、反響が大きくて、それ以降もいろいろなイベントなどに呼んでもらえるようになりました」（舟井さん）

現在のメンバーは総勢14名。その中の精鋭7人は「仏7（ほとけセブン）」と呼ばれる。メンバーはそれぞれアイドルらしく「レッド」「ブルー」などのカラーが決まっている

　いまやイベントに引っ張りだこだが、家に帰れば、メンバーのほとんどが普通の主婦だ。

「私はいまもコンビニで働くパート主婦ですねん。この人（宇口さんを指さし）は、専業主婦」（舟井栄子さん／77才）

「そう、私は無職の主婦言うてますねん。料理とかせえへんし。うちの息子と娘からは、『お母さん、主婦すらしてへんやん』って言われてます（笑い）」（宇口さん）

　自然と掛け合い漫才のように話が弾む2人の周りは、笑いが絶えない。そのパワーはどこから来るのだろうか？　「老いるともっと人生は楽しくなる」というオバチャーンにその秘訣を聞いた。

用事がなくても家を出る人に会うと気持ちにメリハリが出る

　常に笑顔で、話し出したら止まらないパワフルな2人だが、落ち込むことはないのだろうか。

「もちろんありますけど、家で落ち込んでたら、ますます暗い気持ちになるでしょう。そやから、落ち込んだ日はおしゃれして無理矢理にでも外に出て、誰かとおしゃべりしますねん。出かけるときもゆるゆるのゴムのズボンはやめて、おしゃれなお気に入りの服を着て、お化粧したら気持ちも変わるんですよ。年寄りは家に引っ込んでいたら足腰弱くなるから、散歩でもいいから家を出て、外の空気を吸わなあかんと思いますね」（宇口さん）

「人に会うことで気持ちにメリハリが出る」と舟井さんが続ける。

「私らステージでお仕事させてもろてますさかい、いろんなお客さんと会いますやろ。どんなに体がだるくても、ステージに立ったら元気が出ますね。『アイドルは元気を与える』と言いますけど、私らはお客さんから元気をもらう方が大きいんです。やっぱり人のパワーってすごいなと思いますねん」

家族がいることは宝「頑張って元気でいようと思う」

　7年前に病気で他界した夫との間に、娘2人と孫2人いる舟井さんが言う。

「家族はやっぱり宝ですね。私は娘ら一家と一緒に暮らしていますが、アイドル活動を応援してくれていてありがたい存在です。私の誕生日には毎回、娘たちや孫ら家族全員がヒョウ柄の服を着て祝ってくれるんです。それを見ると、家族のためにも健康でないとあかんと思いますね」

「キラキラしたものを見ると元気が出ます」（宇口さん）。ヒョウ柄とともに大きめの宝石やアクセサリーも元気の源だとか

　夫とふたり暮らしの宇口さんには、息子と娘がいるが、近所に暮らす娘と2人の孫が癒しだという。

「うちは娘のところに中学2年生と小学2年生の孫がいます。元気がないときは娘から送ってもらった孫の動画を見ますねん。自分が健康でなかったら孫の面倒も見られませんから、頑張って元気でいようと思うています」

気持ちはいつまでも永遠の18才

　舟井さんは77才、宇口さんは78才。80才を目前にした2人は、「自分のいまの年齢が信じられない」と言う。

「体の衰えで老いを感じますけど、でも気持ちの面では18才の頃と変わりません」（宇口さん）

　年をとるとつい健康の話をしがちだが、「これはよくない」と舟井さんは言う。

「同窓会に行くと、『いい病院ない？』なんて話ばっかり。そんな話してたら余計に老けますやん。年をとっても胸をトキメかせんとあきません。以前、映画のイベントで、間宮祥太朗さんにお会いしたんですが、あんときはトキメキました！なんてきれいなお顔なんやろうって。きれいな人や物を見ると気持ちが華やぎます。皆さんもいくつになっても、艶っぽい話をした方がええと思いますよ」（舟井さん）