70代インスタグラマー島崎真代さん「ファッションがおかしいほど好き」SNSを通じて出会ったかけがえのない仲間
古着をファッショナブルに着こなすシニアインフルエンサーとして幅広い世代から支持を得ている島崎真代さん。「人生色々ありましたけど、今はとても自由で楽しい」と笑う。SNSを通じて知り合った新たな友人たちと古着を探す休日に密着した。【Vol.3/全3回】
島崎真代さん/プロフィール
島崎真代さん/1953年埼玉県生まれ。71才。2020年にYouTube『ビバ美婆チャンネル』https://www.youtube.com/channel/UC8zOw0iw0g3nBj_zkHKaVxAを開設し、現在登録者数は1万6000人超。Instagram『島崎真代グレイヘアファッション』@masayoshimazakiのフォロワー数は3万人超。美しいグレイヘアの作り方や古着の着こなし方などを発信し、幅広い世代に支持されている。ファッションのお悩み相談や買い物同行、コーディネートを行う『マヨ塾』も好評で、これまでの受講者数は100人を超える。
古着が好きすぎる!3人のインスタグラマーが集結
「はいこちら、今日の戦利品です~」
ファッション系インフルエンサー・島崎真代さんのYouTube『ビバ美婆チャンネル』やInstagram(以下インスタ)では、古着屋やフリーマーケットなどで購入した品々を紹介する動画も人気の島崎真代さん(以下、真代さん)。
――真代さんにとって古着の魅力とは?
安くても素敵なものが見つけられた宝探しのような感じかしらね。普通の値段で買ったってつまらないじゃない? 1000円でこのクオリティー!?っていうのが面白いんですよ。安くても工夫して格好よく着こなせたら、1000円が、1万円、3万円の価値になると思う。
最近は東京・大井競馬場で開催されているフリーマーケットによく行きますね。明日は世田谷公園で開催されますよ。インスタグラマーの友人と一緒に行くので、良かったら一緒に来てみませんか?(ということで、フリーマーケットに同行することに)
仲良し3人組の古着探しに密着
――ある晴れた日曜日、東京・世田谷公園のフリーマーケット会場で落ち合ったのは、真代さんの友人、ウロンさんとタピさんだ。
■ウロンのご機嫌ラララLife style @uron_lifestyle
■tapi.style @tapixa.photo
私は70代、ウロンさんは40代、タピさんは60代で、年齢もバラバラなんだけど、古着が大好きでファッションの好みも合い過ぎている。3人で会うときは何の打ち合わせもしていないのに、似たような色を着てカラーコーディネートされているときが多いのよね(笑い)。
ウロンさんとの出会いは、インスタのDM(メッセージ)を何度かやりとりして会ってみようかとなって、実際に合ってみたら不思議なくらい気が合った(笑い)。
彼女は当初、インスタの投稿も食べ物とかで、アイコンにも顔を出してなかったのね。だけど実際会ってみたらファッションも個性があって魅力があるの。『あなたがファッションの投稿をしないでどうするの? せっかくだから顔を出してファッションのことを投稿してみたら?』と。ウロンさんはその後1年でフォロワー数が1万人を超えるようになったのよ。
そして、ウロンさんがタピさんのインスタを見てファンになって。「インスタで古着を着こなすおしゃれな男の人がいるから声をかけてみる!」とタピさんにDMを出したんですね。1回目はスルーされたらしいんですが、諦めずに『もう一回出してみる!』と、2通目のDMを出したら返事をもらえたんです。
そこから3人で会うことになって意気投合。1年?か2年で、あっという間に親友みたいな関係になりました。お互いのフォロワーが被っていることもあって、フリーマーケットに3人で一緒に行って、写真を撮り合って投稿することが多いですね。
この日は9時半に集合。服やバッグ、靴、食器などたくさんの物が並ぶ会場で3人一緒だったり、バラバラになったりしながら、ぶらぶらと歩いて品定め。ピンと来たものを手に取って値段交渉し、小一時間で買い物は終了。
買い物の途中に、ファンが訪れて記念撮影などもしていた。「いいものをなるべく安く」が3人のモットーで、フリーマーケットでは値段交渉は欠かせないのだとう。
――フリーマーケットのアフタートーク。ランチをしながら購入したアイテムについておしゃべりするのも楽しいひとときだ。
真代さん:ほぼ新品の白いリュックに、ニット2枚、白のスウェット、蛇柄のバッグでしょ、チェック柄のマフラー。全部で5000円くらいかしらね。
タピさん:真代さん、赤が似合っているよね。彼女とはファッションセンスもですけど、サイズ感も合うから、これ良いねって選ぶと、だいたい真代さんも同じことを考えている(笑い)。
今日僕が買ったのはTシャツ1枚だけ(モーツアルトがプリントされたもの)。大き目のゆるっとしたおじさんぽいTシャツをラフに着るのが良いと思ってね。
ウロンさん:“ぽい”じゃなくて、おじさんでしょ(笑い)。私がゲットしたのは、KENZOのスニーカー、アロハシャツ、お皿が4枚。これ1枚100円ですよ。いい買い物したなぁ。何をのせたら映えるかな?
真代さん:そうね、フルーツがいいじゃないの? いちごとかのせたらきっと素敵よ。インスタライブでやってみたらどうかしら。私はこの白いリュックは大成功。だいたい私たちいつもバッグを持たないから、今日はこれに戦利品を詰めて帰るのにちょうどいい」
ウロンさん:古着って安く手に入れて、それを自分なりにどう着るか、どう使うかと考えるのがまた面白いんですよね。古着だからこそペイントしたっていい。今日着ているトレンチコートも白いパンツも自分でペイントしたんです。
真代さん:そうそう、オシャレってそこが楽しいのよね。服に自分が合わせるんじゃなくて、気に入った服を自分に似合うように引き寄せるというかね。
よくインスタでもミラノやパリのマダムなんか見ていると、オーバーサイズのジャケットでも肩なんて合っていなくても腕まくりして、キレイな色のスカーフを合わせたりして、自分に似合うようにアレンジしているじゃないですか。パリやミラノのマダムの着こなしはとても参考になる。そうそう、今度この3人でミラノとパリに行くんですよ。このリュック持っていこうかしら。
――穏やかタピさんにウロンさんが突っ込み、マヨさんが大笑い。おしゃべりが止まらない3人は、フリーマーケットを満喫した後には3人でインスタライブを配信し、ファンとのやり取りが盛り上がっていた。
3人集まれば楽しさもエネルギーも3倍以上なのかも。
SNSを通じて広がる新たな世界、新たな友達
――70代で新しい友達ができることってなかなかないと思います。
私も驚いていますよ(笑い)。この年で新しい友達ができるなんて思ってもみなかった。昔からの知り合いも大事ですが、ファッションという趣味を通じて知り合えた友達はまたかけがえのない存在。
やっぱり趣味が合うって大事です。私たちはおかしいぐらいファッションが好きなのよね。ヨーロッパの旅もとってもワクワクしますよ。
いつか3人でファッションスタイルブックを出せたらいいなって。我々3人ともスタイルが特別にいいわけでも美魔女でもイケメンでもない。多様性の時代ですからね、こんな3人組が写真集を出したらいいと思いませんか(笑い)。
インスタもYouTubeも10年先はどうなっているかわからないけど、ちょうど私たちはSNSを楽しめる時代にぶつかったのはラッキーだったと思います。たくさんの人と繋がることができて、たくさんのコメントもいただいて。私自身、元気をもらっているんです。
取材・文/廉屋友美乃