《60歳を過ぎたら手放すべき面倒ごと》僧侶が教える「足りない」「満足できない」気持ちを解消する方法「羽毛のように心が軽くなる」
他人の評価でなく、自分で「ほめる」
人より優れていると思われたいのは、人に「ほめられたい」がためのことも多いだろう。しかし、この欲求をずっと抱えていると、ほめてくれる人がいないと生きがいを感じられないまま生きていくことになってしまう。
「心得ておきたいのは、自分で自分をほめ、認め、愛し、何かの役に立っていることを知っておくことです」と名取さん。世間の常識を土台にしたり、他と比較したりせず、自分なりにやれることはやっているとほめ、自分で評価をすることが大切だという。
「自分を愛することは、『自分はどうだろうか』と、自分で自分に注意を向けること。自己嫌悪も、自分を溺愛するナルシシズムの感覚も排除しましょう。『自分のこと、嫌いじゃない』というレベルで充分です」
「これで充分」と気づき、満足する
自分の中の「満たされなさ」も手放していきたい欲のひとつだ。物にあふれた現代では、いろいろな物を欲しがり、集めてしまうが、本来、生きていくのに本当に必要な物はそれほど多くない。足りない、足りないと恐怖心を抱えていると、死ぬまで心は休まらない。
「大切なのは、追い立てられるような『まだ足りない』という気持ちがあるかぎり、自分は満足できないと気づくことです。これで充分と思える心こそが、揺るぎない幸せの核になると気づくことです」
持っていないものは「貸しているだけ」と考える
そうは言っても、「足りない」と感じる気持ちが消えない、という人に名取さんがすすめているのは、自分が持っていないものや足りないと思っているものは、本当は自分の所有物であると考えること。スーパーやコンビニ、デパートなど、世界中で売っているものすべてが本当は自分の物だが、今はそれを誰かの商売に使わせてあげているだけ、という豪快な考え方だ。
「そのように愉快に考えて”足りない”を卒業し、この先の人生を平穏な気持ちで過ごしませんか」
見返りも「足りない」を卒業する
人に対して何かをしてあげた後に、相手から見返りがないともやもやする、という人は多いだろう。誰かを心配したときも、相手から理想の返事がないと「せっかく心配してあげたのに」と思わず愚痴がこぼれてしまっていないだろうか。
しかし、楽に生きていくためには、「見返り」に関しても、足りないと感じる心を手放すのがおすすめ。ポイントとなるのが、何かを「してあげた」と考えるのではなく、最初から無条件で「やりっ放し」にすることだ。
「やったことに対して見返りを求めるのはそろそろ終わりにして、『やりっ放し』でいきませんか。羽毛のように、心が軽くなりますよ」
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