80代の父親が漬け物から「ごぼうのごま油漬け」に切り替えたらお腹の調子が良い!価格安定、減塩にも役立つ《ごま油活用法》を料理研究家が指南
物価高騰する中、「ごま油」は比較的価格が安定している。中華料理のイメージが強いごま油だが、ごまから摂れるヘルシーな油は、ジャンルを選ばず普段の料理に積極的に取り入れられるという。そこで、料理研究家の沼津りえさんが考案したのが、「高齢の両親もすっかり気に入っている」という「ごま油漬け」。シニア世代におすすめのごま油活用法や気になるレシピを教えてもらった。
「ごま油」ってこんなにスゴかった!
「80代の父親がごま油に漬けたごぼうを食べ始めたら、すっかりハマった様子なんです」(以下「」内、沼津さん)
こう語るのは、新著『ごま油さえあれば さっぱりもコク旨も、いつもの家ごはん98』(小学館)を出版した料理研究家・管理栄養士の沼津りえさん。物価高騰でとくにオリーブオイルが値上がりしている中、ごま油は比較的安定した価格を維持している。
「リーズナブルで買い求めやすいごま油。我が家も大好きで、色々な料理に使っています」という沼津さんに、高齢者におすすめのごま油の魅力について教えてもらった。
1:悪玉コレステロールを抑え、老化予防にも!
ごま油の主成分は「リノール酸」と「オレイン酸」。この2つがバランスよく含まれており、全体の8割以上を占める。特にオレイン酸は悪玉コレステロールを抑える働きがあるといわれている。
また、ごま油はセサミン、セサモリン、セサミノールなどの成分で構成される「ゴマリグナン」という機能性成分が豊富。このゴマリグナンは強い抗酸化作用を持っているため、老化予防やエイジングケアに役立つと考えられているそう。
2:香りやコクをプラスして、減塩にも!
茶色く色づいたごま油は、ごまを焙煎してから作るため、芳醇な香りやコクが特徴的。
「ごま油を料理に少し加えると、香りやコクがプラスされ、旨味をしっかり感じることができるので、塩分を減らしてもおいしく食べることができます。
なかでもおすすめは“ごま油漬け”。好みの野菜をごま油と塩で漬けるだけなのですが、ごま油の風味が加わることで、通常よりも少なめの塩で漬けることができます」
3:料理を選ばず、普段の家ごはんがもっとおいしく
中華料理のイメージが強いごま油だが、実は和食にもぴったり。
「もとは“ごま”なので、和食と合わないはずがありません。オリーブオイルほど料理を選ばず、ごま油はコクや風味を加える隠し味になるので、炒めものはもちろん、卵焼きからサラダまで我が家では幅広く使っています。加熱しても比較的劣化が少ないので、健康的においしく食べられるのもいいところ!」
4:食材がやわらかくジューシーに!
食材をやわらかくするのもごま油は大得意。硬くてパサつきやすい肉や野菜でも、ごま油で漬けると、しっとりやわらかく仕上がるという。
「手頃なお肉をごま油でマリネすれば、ジューシーになってワンランク上の味わいに。オリーブオイルと違って、ごま油は冷蔵庫で冷やしても固まらないので、使い勝手も抜群です」
実にいいこと尽くしのごま油! 健康的な油なので、普段の料理にもっと気軽に使ってみよう。(とはいえ、油なので摂り過ぎには注意を!)