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冬こそ摂りたい《たんぱく質たっぷりスープ》で体を内側から温めよう「介護食にもおすすめ」【管理栄養士提案】

 高齢者に摂って欲しい栄養素のひとつ「たんぱく質」は、「体の熱量を上げるのにおすすめの食材です」と管理栄養士の川鍋仁美さん。噛む力・飲み込む力が弱くなってきた高齢者にもおすすめなのが、体を内側から温めるスープ。作り方や注意ポイントを紹介する。

教えてくれた人/管理栄養士・川鍋仁美さん

管理栄養士。2児の母。大学卒業後、総合病院に勤務。介護食・嚥下食などの献立作成や栄養相談など行ってきた経験を活かし、現在はデイサービスで高齢者の栄養サポートなどを行う。介護する人もされる人も笑顔になれる「介護食作り」を目指し、活動中。「管理栄養士が伝授!いちばんやさしい介護食ガイド」の運営・執筆も手がける。https://eiyousupport.com/

スープの力で体を内側から温める

 冬の寒い時期は「冷え」に悩まされているかたも多いのではないでしょうか。

 高齢になると、筋肉量が減少するため自分の体から熱を作り出す力も落ちてしまいます。認知症などで自律神経に影響が出ると体温調節機能も低下してしまい冷えやすくなることも。体温が低い状態が続いてしまうと、免疫力も低下しやすくなります。

 暖房や暖かい服などで体を冷やさないことももちろんですが、食事によって体の内側から温めることも大切です。
噛む力・飲み込む力が弱くなってきた高齢者の食事に取り入れやすいスープをご紹介します。

噛む力・飲み込む力が低下している場合の調理ポイント

 介護食にもおすすめのスープですが、作るときにはいくつかのポイントがあります。

食材は小さく均一に

 食材の大きさがバラバラだと口の中でまとまりにくく、飲み込みにくいため、具材は均一な大きさにするのが理想的です。大きさを揃えるのが難しい場合はミキサーにかけてポタージュ状にすると安心です。

とろみをつける

 ポタージュ状でない場合は、具材が口の中でバラバラになりやすいので、とろみをつける必要があります。とろみをつける場合は、市販のとろみ調整剤を利用しましょう。

 じゃがいもやかぼちゃなどいも類がベースのスープは、ペースト状にすることで自然のとろみがつきます。また、れんこんもでんぷん質が豊富で、すりおろしてスープに入れると、自然なとろみがつく食材です。

とろみのついた食材の注意ポイント

 ただし、とろみをつけた食事を食べるときには、注意ポイントがあります。

 飲み込みに不安があって食事に時間がかかる人、飲み込むまでに口腔内に食事をため込む時間が長い場合は、とろみの素となる「でんぷん」が唾液で分解されて、とろみが弱まってしまう恐れがあります。唾液で分解されるという点は、片栗粉によるとろみも同様です。

 飲み込みに不安があって食事に時間がかかる人、飲み込むまでに口腔内に食事をため込む時間が長い場合は、とろみの素となる「でんぷん」が唾液で分解されて、とろみが弱まってしまう恐れがあります。唾液で分解されるという点は、片栗粉によるとろみも同様です。

 食べるときは、口の中にため込まずにスムーズに飲み込めるように一口の量は少なめに口に運びましょう

ブロッコリーのポタージュ

 ブロッコリーは野菜の中でもたんぱく質が多く含まれる野菜です。スープにするなら芯の部分まで余すところ利用できるのでさらに栄養価も上がります。

<材料>(4人分)
・ブロッコリー…1/2房
・玉ねぎ…1/2個
・じゃがいも…小1個
・バター…10g
・水…200㏄
・牛乳…200cc
・コンソメ…小さじ2
・塩・こしょう…少々

<作り方>
【1】ブロッコリーを小房に分ける。茎の分は皮をむいて薄く短冊切りにしておく。
【2】玉ねぎは薄くくし切りにする。じゃがいもは皮をむいて薄く半月切りにする。
【3】鍋にバターを入れて溶かし、野菜をすべて入れ焦げないように炒める。
【4】水、コンソメを加えて野菜に火が通るまで煮る。
【5】一度火を止め粗熱が取れたら、ミキサーにかける。
【6】再び鍋に戻して、牛乳を加えて加熱しながらよく混ぜる。
【7】塩・こしょうで味を整える。

肉団子入りれんこんのすり流し汁

 すりおろしたれんこんのとろみで、飲みやすくしたスープ。鶏ひき肉に豆腐を混ぜることで、やわらかさとたんぱく質アップ。

<材料>(4人分)
■肉だね(A)
・れんこん…120g
・鶏ひき肉…100g
・絹豆腐…80g(約5分の1丁)
・塩・こしょう…少々
・おろししょうが…少々

■スープ
・水…600㏄
・みそ…大さじ3

たんぱく質をたっぷり摂って筋力維持に

 体温を保っている熱の発生源の6割は筋肉です。一方で筋肉は水分の貯蔵庫でもあります。筋肉量が少ない高齢者が体内の水分を保てず、熱中症になりやすいのもこのためです。

 暑さ・寒さに負けない体温調節機能を保つためには筋肉量の維持は必要不可欠です。しかし筋肉量は、20代をピークに年々減少していくと言われています。バランスのとれた食事・無理のない運動から少しでも筋肉量を維持していくことは、年齢を重ねるほど大切になってきます。

 食事量が減ってきている高齢者こそ、たんぱく質豊富なスープで筋肉量の維持を意識してみましょう。

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