「掃除が億劫にならない」シニアが使いやすい掃除機選び3つのポイント|コードレス・軽量・ゴミセンサー【家電のプロが解説】
掃除機をかけるとき、「腰をかがめる」「ひざを曲げる」「掃除機自体が重い」「細かいゴミが見えにくい」など、高齢者にとって悩ましいことも…。掃除機が使いにくいせいで掃除が億劫になってしまうこともあるのではないだろうか。そこで、家電ライターの田中真紀子さんに、シニア世代にふさわしい掃除機選びのポイントや、おすすめの機種を教えてもらった。
教えてくれた人
田中真紀子さん / 家電ライター
家電ライター/家電を生活者目線で分析し、雑誌やウェブで紹介する家電のスペシャリスト。特に白物家電・美容家電に詳しい。自宅には最新家電を中心に200以上を所有し、年間300以上の記事執筆・監修に携わる。テレビ・ラジオにも多数出演。公式HP https://makiko-beautifullife.com/
シニア世代に軽量コードレスクリーナーがおすすめの理由
掃除機といえば、コンセントに電源プラグを差して使う、昔ながらのコード付き「キャニスター型」と、充電すればコードなしで使える「コードレススティック型」(以下、「コードレスタイプ」)などがあり、今は後者が主流になってきている。
田中さんも、「シニア世代のかたには、掃除機はコードレスタイプが断然おすすめです」と話す。
「キャニスター型は移動するたびにコードを抜き差しします。コンセントは低い位置にあるので、抜き差しのたびに腰をかがめたり、ひざを曲げたりしますよね。
階段がある場合は、重たい掃除機を上げ下ろしするので、手間はもちろん、腰への負担もさらにかかるでしょう。また、ホースがもたついたり、本体が家具や壁に引っかかったりと、小回りがきかないので、使いにくいシーンもあります。
その点、コードレスタイプなら、コードを気にせず使えるうえ、ホースや本体にも煩わされることなく使えるので、シニア世代にはぜひ活用していただきたいと思います。最近は、価格が手頃なものもあるので、1台買い足して、場所によって使い分けるのもいいでしょう」(田中さん・以下同)
コードレス掃除機を選ぶときの重要な3つのポイント
数あるコードレスタイプの中でも、次のような特徴や機能があると、さらに掃除がラクになるという。
本体は1.5kg以下の軽いものを
「まずは、本体自体が軽いこと。本体重量が1.5kgを切ると軽量の部類に入りますが、最近は1kg前後の超軽量タイプも増えています。また重量バランスも重要。手元が重いと使いづらい場合もあるので、実際にお店で試してみるといいでしょう」
センサーでゴミを見える化
「ヘッドにライトがついたものならゴミや汚れも見やすく、ゴミセンサーがゴミを検知して吸引力を強くしてくれるものも便利。
目視しづらいソファやベッド下の掃除でも、ゴミセンサーを頼りに掃除できますので、キレイになった実感を得られます。かがんで掃除するのがつらい人は、本体を床に完全に倒しても掃除できるタイプがラクです」
ゴミの捨て方や頻度も要チェック
さらに「ゴミ捨ての頻度」も大事なチェックポイントだ。コードレスタイプには、「紙パック式」と紙パック不要の「サイクロン式」がある。
サイクロン式は、吸引力が落ちにくいメリットがある反面、ゴミが溜まるたびに捨てなければならない製品が多く、ゴミ捨ての際に細かいホコリが散乱し、それをまた掃除しなければならないという手間も。
「ゴミ捨ての頻度や手間を減らしたいなら、捨てる時にゴミが散乱せず、ゴミを圧縮してくれる紙パック式を選ぶといいでしょう。
また、自動で本体内のゴミを収集してくれるダストステーションつきのクリーナーを選ぶのもおすすめです。
いずれもゴミ捨ては、数か月に1回に減らせるので、場合によっては交換だけご家族にお願いするのもいいでしょう。そのほか、ヘッドの機能にも注目してみてください。ブラシに髪の毛などが絡まりにくいものは、お手入れの手間も減らせるので便利です。
ご家族に介護が必要なかたがいる場合などには、静音性も重視して選ぶといいでしょう」