介護中の気になるニオイに役立つ家電をピックアップ!「空間の消臭には“脱臭機”、アレルゲンには“空気清浄機”。使い分けが大切」【家電のプロが解説】
在宅介護で、多くの人を悩ませてるのが「ニオイ」。デリケートな問題だけに、その悩みは深刻かもしれない。空間や布類に染みついたニオイをすっきりさせて、心地よい介護生活を送るために頼れる家電はあるのだろうか。家電ライターの田中真紀子さんに、おすすめのアイテムや対策について教えてもらった。
教えてくれた人
田中真紀子さん / 家電ライター
家電ライター/家電を生活者目線で分析し、雑誌やウェブで紹介する家電のスペシャリスト。特に白物家電・美容家電に詳しい。自宅には最新家電を中心に200以上を所有し、年間300以上の記事執筆・監修に携わる。テレビ・ラジオにも多数出演。公式HP https://makiko-beautifullife.com/
空間のニオイには「脱臭機能」をチェック!
「ニオイ対策で最初に思いつくのは空気清浄機かもしれません。ですが、尿などのアンモニア臭を消臭したい場合は、脱臭機を使うのがおすすめです」と、田中さん。
「多くの空気清浄機はフィルターを搭載し、空気中の有害物質などを取り除く際に、ニオイ物質も取り除きます。ただし、ニオイ物質を分解するわけではありません。
その点、脱臭機はニオイ物質を分解する働きがありますので、ニオイ物質自体を大幅に減らしてくれます。特にアンモニア臭に強いとされているのが、次亜塩素酸やプラズマイオン、オゾン、光触媒などを搭載したもの。中には脱臭成分を放出し、空気中のニオイはもちろん、ソファやカーテン、畳などに付着したニオイまで積極的に消去してくれるものもあります」
脱臭と空気清浄が一体化したものは選んでもいいの?
田中さんは、基本的に「ニオイなら脱臭機」、「花粉などのアレルゲン対策なら空気清浄機」と使い分けた方がいいと言う。
「脱臭機はニオイに特化しているため、フィルターを搭載していないものもあります。
また、有害物質を分解してくれるので空気はきれいになりますが、空気清浄機ほどホコリや花粉、ハウスダストを取り除くことはできません。
もちろん、付加機能として、脱臭機に加湿機能。空気清浄機に脱臭機能などを搭載しているものはあります。
兼用タイプを選ぶなら、フィルターを搭載したタイプで、集じん効果や集じんの適用床面積(部屋の広さ)などをチェックするとよいでしょう。中には、例えば『脱臭18畳、空気清浄8畳』など機能ごとに適用床面積が異なる場合もあります」
介護のニオイ対策に注目の家電2選
多くのメーカーから出ている脱臭機。中でも脱臭機能に強く、お手入れの負担も少ない最新モデルを2機種、田中さんにピックアップしていただいた。
【1】パナソニック『次亜塩素酸 空間除菌脱臭機 ジアイーノF-ML4000B』
7万6230円(税込) ※公式通販サイト価格
https://panasonic.jp/ziaino/products/F-ML4000B.html
空間除菌脱臭機の中でも人気の高い「ジアイーノ」シリーズから、機能や使いやすさがバージョンアップした最新モデルが10月に発売。
部屋に染み付いた付着臭にも強く、除菌(※1、2)も可能
「次亜塩素酸で脱臭するジアイーノが従来の3分の1サイズ(※3)とコンパクトになり、場所を選ばず置けるようになりました。
除菌の仕組みとしては、まず食塩水を電気分解し、除菌作用のある『次亜塩素酸』を内部で生成します。室内に浮遊する菌を吸い込み、次亜塩素酸で除菌(※1)、さらに、気体になった次亜塩素酸を放出するので、室内に付着した菌も除菌。もちろん脱臭効果も高く、排泄物臭など空間に漂うニオイ(※1)も抑えるほか、布などに染み付いたニオイも取ってくれます」
排水やお手入れなどの負担も軽くなり、排水頻度は従来モデルが週1回だったのが、月1回に。トレーやフィルターのお掃除は半年に1回が目安となっている。
「従来モデルよりコンパクトになった上、お手入れもラクに。より使い続けやすくなりました」
※1:浮遊菌の場合、本体内の次亜塩素酸水溶液による、約6畳の密閉空間、約35分後の効果。
※2:付着菌の場合、放出した気体状次亜塩素酸による、約18畳の居室空間、約12時間後の効果。喫煙環境では次亜塩素酸の濃度が不足し、除菌・脱臭効果が低下します。
※3:F-MV4300体積比。
【2】マクセルブランド『オキシミスト MXAZ-H2000』
4万4800円(税込) ※公式通販サイト価格
https://oxymist.denkyosha.jp/mxaz-h2000/
加湿と組み合わせることでオゾンの脱臭効果がUP
介護のニオイ対策で注目したいのが、消臭効果があるとされているオゾン。こちらは、そのオゾンを加湿によりパワーアップさせた新モデルだ。
「まず、オゾンの酸化力により、技術的にニオイの元を分解し、効果を発揮しています。さらに、オゾンは、特に加湿と組みあわせた場合、酸化効果がさらにアップするという試験結果もあることから、こちらの製品は超音波加湿器にオゾン発生機能を搭載。付着アンモニア臭の消臭効果試験では、実験前後で半分以下に低減しています。小型で設置しやすく、気になる場所に置きやすいのも特徴です」(※4)
給水は、本体に水タンクをセットしたまま行うことができるため、洗面所などから重い水タンクを運ぶ必要はありません。もちろん、水タンクをはずして洗面所などで給水することも可能。
※4:実空間環境で効果を確認したものではありません。
***
今回ご紹介した2つの家電は、どちらも持ち運びが可能なので、1台買えば、家中の気になる場所に移動しながら長く使えそう。ニオイに悩まされている人は、要チェックだ。
取材・文/桜田容子