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《1食500円補助の自治体も》介護中も便利な宅食サービス「見守りサービス付き」「制限食を選べる」など利用する際のポイント

 塩分量やたんぱく質量を意識したり、介護食を分けて作ったりなど、食事は介護において手間のかかりやすいポイントの1つだ。そんなときに便利なのが弁当や総菜などを届けてくれる宅食サービスだ。節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに、介護の場面での上手な宅食サービスの使い方を教えてもらった。

教えてくれた人

丸山晴美さん/節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー

22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。

介護に役立つ宅食サービス

 飲み込みやすいようにやわらかめにしたり、塩分量などの制限があったりと、ひと手間かけないといけない要介護者の食事は、通常の食事の用意と比べて手間がかかりやすいものです。宅食サービスは一般的なお弁当やお総菜はもちろんのこと、塩分や糖質、たんぱく質などの制限食を選ぶことができるサービスもあるため、上手に使えば介護の負担を軽くすることができます。

 例えば、Dr.つるかめキッチン(https://tsurukame-kitchen.com/first)は、専門医と管理栄養士が監修しており、栄養バランスを考えた通常の宅配食のほか、糖質、カロリー、たんぱく質&塩分、塩分の4つの制限食を選ぶことができます。また、食宅便(https://shokutakubin.com/shop/default.aspx)では、カロリーなどの制限食のほか、歯茎でつぶせるやわらかい食事のメニューを選ぶこともできます。

離れて暮らす親の食事が心配なときにもおすすめ

 自分や同居家族が要介護者の家族の食事を準備している場合だけでなく、離れて暮らす親が栄養のある食事を食べているかといった心配ごとがある場合にもおすすめです。 特別な介護食が不要でも、一人暮らしをしている親などのセルフネグレクト対策をすることにもつながります。

 セルフネグレクトとは、自分自身の健康や生活環境を維持するための行動を怠ることです。一緒に暮らす家族がいればきちんと食事を作っていても、自分一人の食事となると、他に食べてくれる人もおらず、作る量も少なくなるため、食事の準備がおろそかになってしまうということが高齢者に多く見られます。

 しかし、十分に栄養をとっていないと活力が失われ、外に出る機会も減ってしまうことが考えられ、「フレイル」という健康と要介護状態の中間にある「虚弱」な状態になりかねません。このような身体機能の衰えを防ぐためにも、高齢者こそきちんと栄養を取ることが大切です。基本的に宅配食は冷蔵や冷凍の状態で届き、レンジで温めるだけで食べることができるため、食事の準備が面倒だと感じる人でも手軽に食事をとることができます。

 親本人に契約してもらってもよいですが、親がなかなか契約しようとしない、その方法がわからないときは、子ども側で契約してあげるのもいいでしょう。

見守りサービスが付いていれば、さらに安心 

 食事の内容を把握できるだけでなく、見守りサービスなどのオプションを用意している企業もあります。例えば、ワタミの宅食(https://www.watami-takushoku.co.jp/category/mimamori)では、有料オプションとして「在宅確認サービス」のほか、水回りや鍵など日常生活におけるトラブル対応をしてくれる「生活トラブル解決サービス」などを付けることもできます。

宅食の選び方

 宅食サービスは、さまざまにニーズに対応して多岐にわたります。腎臓病や糖尿病などを患っている場合は制限食、噛む力が衰えている場合はやわらかめの食事など、利用者の状況に合わせたメニューを提供しているサービスをいくつか見てみるといいでしょう。ごはんとおかずがセットになったお弁当形式以外にも、おかずだけが入ったお総菜だけの宅食もあるため、ごはんを炊くくらいであればできそうな場合は、お総菜のみ商品を選ぶのもおすすめです。

 また、同じ宅食サービスを使い続けると味付けなどに飽きてしまう場合もあるため、メニューの豊富さも重要な観点です。なお、飽きてしまった場合に別の宅食サービスに変更する可能性も考え、解約のしやすさもチェックしておくといいでしょう。

介護保険適用外のためコストも要チェック

 宅食サービスは介護にも役立ちますが、宅食サービスの利用には基本的には介護保険は適用されません。そのため、割安な定期コースがあるなど、続けやすい価格であることもポイントになってくるといえます。 

 都度払いだと送料が必要でも、定期コースの場合は送料無料になるなど、基本的には定期コースがお得になる場合が多いです。しかし、食べきれずに宅食が溜まってしまったり、急な入院などで不要になったりしたときのために、配達がスキップしやすいかどうかもチェックしておきたいポイントです。

自治体で費用補助をしている場合も

 厚生労働省では「地域高齢者等の健康支援を推進する配食事業の栄養管理に関するガイドライン」(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/guideline_3.pdf)などを策定しており、このガイドラインに沿って、各自治体で費用補助などを行っていることもあります。

 例えば柏市では、噛むことや飲み込むことが困難で、ミキサー食やムース食などの嚥下食を必要としている65歳以上の要介護者などを対象に、配食サービスの利用時に1食当たり500円を超えた金額を補助する「配食サービス費助成」を行っています(https://www.city.kashiwa.lg.jp/kourei/kaigo/kaigoshien/nichijoshien/haishoku.html)。

 また、鎌倉市では、65歳以上で要介護4または5の認定を受けているなどいくつかの条件を満たす場合に、1食当たり200円を補助する制度があります(https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/koureisya/hitorigurashi_setaishien.html)

 どのような補助を行っているかは自治体によって異なるため、宅食サービスの利用を検討する場合は、まずは自治体で助成などを行っていないかも調べたうえで利用を検討するといいでしょう。

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