50〜60代の女性に多い「猫背」 放っておくと腰痛や便秘、認知症の原因にも! 名医が教えるタオルストレッチで姿勢を改善
1つでも当てはまると猫背の可能性が!
【1】腕が上がりきらず、バンザイができない
【2】椅子に座っているとき、深く座っていないのに背中が背もたれについている
【3】座った姿勢で上を向きながら後ろを見ようとした際、首が後ろまで回らない
【4】スマホで正面から写真を撮られたとき、顔が前に浮き上がっているように見える
【5】坂道などを歩くと、すぐに息が上がる
猫背だと分かったら見直したい4つのPoint!
自覚を持ったらいかに「猫背を招く」悪習慣を見直せるかが重要になる。
Point1:座っている時間を短く
まずは、座っている時間を短くするのがポイント。
「長く椅子に座っていると無意識のうちに楽な姿勢をとろうとして背中が丸まって、うつむきがちになる。普段から楽な姿勢を長時間とらないように意識することです」(高平さん)
小林さんも声を揃える。
「長く座っているだけで骨盤がゆがみ、股関節が曲がった『くの字』の状態になり関節が固まりやすい。立ち上がったときに股関節が伸びきらず、猫背になりやすくなります。特に女性は関節が硬くなりやすいので要注意。1時間に1度は立ち上がって、歩き回ってください。
どうしても長時間座らざるをえないときは、立ち上がった際に、大股歩きを意識するといいでしょう。普段より約3cm歩幅を伸ばすイメージで歩くと骨盤が立って、股関節も動きやすくなります」
Point2:前かがみの姿勢を避ける
加えて専門家たちは、前かがみの姿勢をできるだけ避けてほしいとアドバイスする。高平さんが言う。
「デスクワーク中心の会社員やタクシー運転手など、前かがみの姿勢をとる時間が長い人ほど猫背になりやすい。まずは、その姿勢をできるだけ減らすことです普段からうつむいて歩くのをやめて、パソコンやスマホを使う時間を見直すといいでしょう」
Point3:椅子に座る
小林さんは「椅子に座る」ことの徹底をうながす。
「椅子を使わずに座ると、正座以外はどんな座り方をしても猫背になります。正座も座高が高くなるので、食事など座卓に向かって動作する際は結局前かがみの姿勢をとることになり、猫背の原因になりやすい。自宅では床座をやめて、椅子に座る方がいいです」(小林さん)
ほかにも前かがみの姿勢は日常生活にあふれている。
「料理をするときは下を向く姿勢になりやすく、長く習慣化すると猫背につながる。“低い台での作業時間を減らす” “台が低ければ高くする”など工夫するのも手です」(高平さん)
下を向く動作をしたからといってすぐに猫背になるわけではないが、習慣化しているものはできるだけ見直すといい。「髪は上を向いて洗う」「ストローを使って飲まない」などできるところからとりかかろう。
「パソコン作業時はディスプレーの角度を机に対して60度くらいに調整し、斜め上から見下ろすといい。視力が悪い人は画面をのぞき込みやすいので、視力に合ったメガネを使用するといいでしょう。
Point4:挨拶する時は股関節から体を曲げる
人に挨拶するときも首だけを振らず、股関節から体を曲げておじぎをするように意識してください。それだけでも姿勢が変わってきます」(小林さん)
片側の肩だけで重いバッグを持つような、重心のバランスを崩す姿勢もNGだ。
「一部の骨や筋肉だけに負担がかかる。そうした体が非対称性になるような動作は猫背につながるので、減らすのがベターです」(高平さん・以下同)
自宅で気軽にできるストレッチで猫背を改善
猫背から完全脱却するには、習慣を見直すとともにストレッチに取り組むのも有用だ。
「猫背は何才からでも自力で治せる」と説く高平さんがおすすめするのは「上半身フロントラインストレッチ」だ。
「うつぶせになってリラックスした状態から、腕の力で上体を持ち上げて反らします。縮んで硬くなりがちな腹部の筋肉を伸ばして、背中の筋肉を収縮させることで、背筋がついて圧迫骨折の予防にもなります。
最初は肘を伸ばしきれなくてもいいので、下あごを引いて、首だけを曲げないように注意してください。無理をすると痛めるので、負担のない範囲で行いましょう」
小林さんは、座りながら簡単にできる「タオルストレッチ」を紹介する。
「少し大きめのタオルを丸めて、背中と背もたれの間、特に仙骨の上あたりに挟むだけなので、ぜひ実践してほしい。1〜2分キープすれば、背筋が伸びたのを実感できるはずです。
余裕があれば、肩回しも取り入れてほしい。指の先を軽く肩にあてて、肘で円を描くように両方の肩をゆっくり回します。まずは前向きに回してから、後ろ向きに回し、肩が外側に開いた状態で終えるのがコツ。1回ずつでいいので、それぞれ10秒かけて、ゆっくり行ってください」
姿勢を正すだけで美も健康も手に入る。やらない手はない。
高平医師おすすめ!「上半身フロントラインストレッチ」
【1】うつぶせになって両脇に手をつき、リラックスした状態から腕の力だけで上体を持ち上げる。
【2】腕を伸ばしきったところでお腹をしっかり落とし、体を反らせて20秒キープ。これを3回繰り返す。慣れてきたら下あごを引いて頭を高く上げ、背筋に力を入れるとより効果的。
猫背矯正マイスター小林さんおすすめ!「タオルストレッチ」
椅子の背もたれに、バスタオルのような大きめのタオルを丸めて2分ほど挟むだけで背筋が伸びる。「骨盤を立たせる」ことがよい姿勢の第一歩。
イラスト/黒木督之 写真/PIXTA
※女性セブン2024年8月1日号
https://josei7.com/
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