農家直伝!<たけのこ>のおいしい食べ方「堀り立ては生でも、ホイル焼きはほくほく食感」
春を代表する食材といえばたけのこはもそのひとつ。“鮮度が命”といわれるたけのこは、収穫したてのものは、アク抜きが必要ないほど別格の味わいです。新鮮ならではの味わい方を、たけのこを育てる農家さんに教えてもらいました。
教えてくれた人
竹内美佐江さん/空と大地の丘 森本農園
千葉・木更津にて観光農園『空と大地の丘 森本農園』を経営。農園では年間40種類の野菜が育てられており、さまざまな収穫体験が楽しめる。
掘りたて限定のおいしさ
「たけのこは収穫後、時間が経つにつれてえぐみが増していきます。旬の時期に大量に収穫する農家にとって、アク抜きをするのは、保存のためなんです」と竹内さん。
掘りたてのたけのこはえぐみが少ないため、当日中ならアク抜き不要でそのまま調理に使えるという。
「掘ってすぐに食べるなら、生食も可能! 翌日以降に食べるなら早めにゆでますが、掘った当日なら米ぬかなど使わず、水でゆでるだけで充分です」
春が旬のたけのこだが、時期によって味が変わるという。
「3月中はサイズが小さくて食感は硬く、やや渋みあり。4月に入ると大きくなり、食感は柔らかく渋みも少なくなります。まさにいまがおいしいときですよ!」(竹内さん・以下同)
超新鮮を味わうならたけのこ堀りから参加!
『森本農園』の竹林の土はフカフカ。「まずは目で見て、少し頭が出ているものを探します。地面を踏みながら、足裏で尖った部分を探してもいいですよ」。
一見、何もなく見える地面を、竹内さんは「ほらココ!」と次々に掘り当てていく。
「傷つけないよう形状や曲がり具合を見ながら、鍬で周りの土を掘っていきます」。最後に根元を切って完了。慣れないとかなりの重労働!
新鮮なたけのこの見分け方
切り口が白く、みずみずしいのが新鮮な証。茶色や黒っぽくなっているもの、乾燥しているものは、鮮度が落ちているので避けて。
森本農園・竹内さんおすすめ「たけのこ」の食べ方
アク抜きせずにそのまま食べられる絶品レシピ
「掘った当日ならあえてアク抜きせずに、ほんのりと感じられる苦みを味わってほしいですね。掘ってから2時間以内ならお刺身やホイル焼き、素焼きに。当日夜までなら天ぷらやみそ汁がおすすめです」
まるごとホイル焼きに
焼きたてをガブリ! ほくほく食感がたまらない
「皮つきのままホイルで包み、小さいものなら15分、大きいものなら25分を目安にじっくり加熱します。農園では炭火で焼きますが、ご家庭ならオーブンやトースターでOK。焼けたらホイルを開いて豪快に皮をむき、熱いうちにどうぞ! ほくほくとした食感で、風味が強く感じられますよ。しょうゆをひと回しかけるのもおすすめです」
生のままお刺身に
コリコリ食感とほろ苦さは 生ならではの醍醐味!
「掘ったらすぐに皮をむいて、スライスするだけ。このとき、ごく薄く切るのがポイントです。適度なほろ苦さが感じられ、コリコリ、シャクシャクとした新食感が楽しめますよ。食べるときは、わさびじょうゆをつけて。わさびがたけのこの甘みを引き立ててくれます」
カラリと揚げて天ぷらに
やさしい苦みを生かした春らしい一品
「たけのこの皮をむき、5mm~1cm厚さに切ったら衣をつけて天ぷらに。山菜や春菊など、苦みのある食材は天ぷらによく合いますよね。掘りたての生たけのこが、まさにそれ。生だからこその歯ごたえも楽しめます。天つゆや塩をつけていただきます」
油で素焼きに
こんがり焼いて甘みを引き出す
「たけのこは、油ととても相性がいい野菜。油で加熱することで、たけのこが持つ甘みがぐっと引き出されます。薄切りにして香ばしく焼いたら、塩をつけるだけでごちそうに。こんがりと焼き色がつくまで焼いてください」
こんな食べ方もおすすめ!
みそ汁に入れればだしいらず
「みそ汁にしてもおいしいですよ。採れたてたけのこの風味と旨みを生かせば、だしは不要。薄く切ったら軽くゆで、みそを溶くだけで絶品みそ汁のできあがりです」
撮影/玉井幹郎
※女性セブン2024年5月2日号
https://josei7.com/
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