兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし【第247回 時間を気にせず外出できる喜び】
57才で若年性認知症を発症した兄(現・65才)と暮らすライターのツガエマナミコさんが綴る連載エッセイ。症状が進んだ兄を在宅で介護することに限界を感じたマナミコさんは、兄の施設入居を決意したものの、なかなか兄を受け入れる施設は見つからず、現在は、3~4日間のショートステイを月に2~3回利用中。兄の様子を気にせず過ごす時間はマナミコさんにとって貴重な自由時間になっているようです。
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兄がいればこその「美味しい自由」?
朝一番、いつものように寝ぼけ眼でトイレのドアを開けましたら、兄が出てきてビックリいたしました。しかも毛布を持ち込んでおり、無残にも半分便器の中につっ込まれておりました。
その日は冷たい雨。洗濯した毛布は、半日ベランダで干して粗熱ならぬ粗水がとれたところで、お風呂場の衣類乾燥をフル回転させて仕上げの乾燥をいたしました。文明のありがたさを思うと同時に、快晴ならあっという間に乾くことを思い、改めてお日様のありがたさ、偉大さを実感いたしました。
ショートステイを頻繁に利用するようになって、だいぶわたくしの自由度が増してまいりました。なにより門限がないことが気持ちにゆとりを与えてくれます。そして急なお誘いにも応えられることが嬉しくてしかたがありません。
先日のショートステイ中には、友人から「子どもがお芝居をやるのでお時間あ