料理研究家・小林まさるさん、もうすぐ91才「元気の秘訣はバランスよくしっかり食べること」
機敏な動きで料理を作り、休む間もなく家事もこなす小林まさるさんは、もうすぐ91才。年齢をまったく感じさせない元気の源は「やっぱり食」ということで、小林家で食べている簡単・おいしい・ヘルシーな料理を教えてもらいました!
※特記のあるもの以外、材料は2人分です。
教えてくれた人
料理研究家 小林まさるさん
1933年、樺太生まれ。戦後、北海道に引き上げ、炭鉱に就職。定年後、70才のときに息子の妻で料理研究家の小林まさみさんのアシスタントに。78才で自身も料理家デビューし、活躍中。
料理研究家 小林まさみさん
結婚後、働きながら調理師学校で学び、料理家のアシスタントなどを経て独立。誰にでもおいしく作れるレシピが評判を呼び、テレビや雑誌などでひっぱりだこに。まさるさんとの共演では、軽快なやりとりも人気。
「年をとってもよく食べる」が元気の秘訣!
「肉も魚も大好き!でもいちばん好きな炭水化物は控えめにしてるよ。初めての食材や料理も、まずは食べてみる。まさみちゃんが作ったモロヘイヤのスープも、『こんな食べ方があるんだ!』と新鮮だったね」(まさるさん)
親子対談「バランスよく食べてベスト体重をキープ。食べたものが数字に表れるからね」(まさるさん)
まさるさん おれは80才ごろに糖尿病予備軍と診断されて、医者に「まず痩せなさい」と言われたの。それから食事には気をつかってるよ。油断するとすぐ体重が増えて、血糖値も上がっちゃうからね。
まさみさん うどんやラーメンが大好きで、以前は3玉をペロリと食べていたほど(笑い)。
まさるさん 偏った食事だと血糖値が上がりやすいから、たんぱく質や野菜もしっかり食べる。夕食後は間食しないようにして、ベスト体重の67~68kgをキープしているよ。
まさみさん 年齢とともに食が細くなる人もいますが、お義父さんは好き嫌いなく、なんでもよく食べる。それも元気の秘訣ですね。
まさるさん 太りすぎはダメだけど、痩せすぎてもバテてしまうから、しっかり食べることが大事だね。
撮影がある日は10時間以上
70才のときに初めて料理撮影を経験したまさるさん。撮影中は、1日立ちっぱなしということも多いが、20年経ったいまでも「まったく苦にならない」と話す。調理や片づけも、手際よくこなしていく。
こだわりのコーヒーはスタッフにも大人気
撮影の合間には、挽きたてのコーヒーでおもてなし。「今日のコーヒーはブラジル産だよ。コーヒーのおいしさに目覚めたのは23才のとき。豆は入れる直前に自分で挽くのがこだわり」(まさるさん)。
鯛のみそ漬けグリル焼き
淡白な白身魚も西京みその風味と香ばしさで旨みアップ
<材料>
真鯛…2切れ
塩…小さじ1/2
【A】
西京みそ…100g
酒…大さじ1
砂糖…小さじ1
アスパラガス…2本
<作り方>
【1】鯛の両面に塩を振り、室温で10分置く。
【2】保存容器に混ぜ合わせた【A】を半分広げ、水気を拭いた【1】をのせる。残りの【A】を塗り、蓋をして冷蔵庫でひと晩漬ける。
【3】アスパラガスは下の硬い部分は手で折り、さらに下3cmほどの皮をピーラーでむく。
【4】【2】の鯛のみそをぬぐってから両面焼きグリルに並べ、隙間にアスパラガスも並べる。弱火で焼き、7~8分経ったらアスパラガスを取り出す。鯛はもう2~3分焼く。
【5】器に鯛と4~5cm長さに切ったアスパラガスを盛る。
「北海道育ちだから、昔から魚は大好き。旬のアスパラも一緒にグリルで焼けば、手軽にバランスのよい一品が完成」(まさるさん)
ボイル帆立とそら豆のキムチ炒め
たんぱく質も食物繊維もたっぷり摂れて、お腹も満足
<材料>
ボイル帆立貝…200g
そら豆(薄皮をむいたもの)
しめじ・白菜キムチ…各100g
しょうゆ…小さじ1
ごま油…大さじ1/2 酒
すりごま…各大さじ1/2
<作り方>
【1】ボイル帆立貝は水気を拭く。しめじは石突きを切ってほぐす。白菜キムチは大きければ食べやすく切る。
【2】フライパンにごま油を強めの中火で熱し、帆立貝、そら豆を入れて焼きつけるように炒め、少し色がついたらしめじを加えて炒める。
【3】酒を加えてさっと炒めたら、キムチとしょうゆを加え炒め合わせる。仕上げにすりごまを混ぜる。
「大好きな魚介類に、そら豆など旬の食材を加えて季節感も楽しんでいるよ。キムチを使えば味つけも簡単」(まさるさん)
モロヘイヤと長いものスープ
栄養満点のネバネバ食材をやさしい味わいのスープに
<材料>
モロヘイヤ…1/2袋(40g)
鶏ひき肉…70g 長いも…40g
しょうがのみじん切り…1/2片分
【A】
水…1と1/2カップ
酒…大さじ1/2
塩…小さじ1/3
こしょう…少量
<材料>
【1】モロヘイヤは葉を摘んで熱湯で茹で、ざるにあげて湯を切る。長いもはポリ袋に入れて麺棒で粗く叩く。
【2】鍋に【A】、ひき肉を入れてほぐし、強火にかける。ひと煮立ちしたらアクを取り、しょうが、長いも、モロヘイヤを加えてさっと煮る。塩・こしょうで味を調える。
「モロヘイヤと長いもでとろみが出るので、高齢者でも食べやすいですよ。味つけは塩、こしょう、酒でシンプルに」(まさみさん)
撮影/キッチンミノル、白根正治
※女性セブン2024年4月4日号
https://josei7.com/
●今年90才!料理家・小林まさるさんの健康レシピ「食事で糖尿病予備軍を克服」