散歩のすすめ|予防できる病気と歩数、正しい歩き方
ポカポカ陽気に誘われて出かけたくなるこの季節。散歩には、病気の予防・改善やダイエットなど、うれしい効果があります。さっそく、散歩に出かけてみよう!
何歩歩けば、どの病気が予防できるかがわかってきた
「歩けば健康」というけれど、どれだけ歩けばいいのか、あいまい。
「最新の研究では、何歩でどの病気を防げるのか明確になりました。大事なのは歩数だけでなく、歩く強さ。大またでの早歩き『中強度』の歩行を取り入れることが病気予防の必須条件です」と東京都健康長寿医療センター研究所の青栁幸利さん。
1日7000歩、うち15分を中強度にすると、女性が気になる子宮体がんや乳がん、骨粗しょう症を防ぐことができるという。
不足している歩数と中強度を補うには、外出するのがベスト。
→関連記事:認知症予防にも!ウオーキングで得られる4つの健康効果と正しい歩き方3つのコツ
長生き、快眠、ダイエットなど散歩にはメリットがいっぱい!
●健康で長生きに
脚力が弱まると、寝たきりで10年近く過ごすことも…。歩くことで筋力を維持できます。日に当たれば骨も元気に!
●ぐっすり快眠
おすすめは夕方の散歩。歩いて体温を上げることで入眠時に深部体温が下がりやすくなり、スッと深く眠りにつける。
●お通じ快調
大またで歩けば、腸が刺激され、排便が促される。また、歩き続けることで、便を押し出すのに必要な腹筋もついてくる!
●数値も改善
1週間で血圧や尿糖、中性脂肪の数値が下がり始めた人も。続ければ糖尿病を判定するヘモグロビンA1cの安定も期待大。
●ダイエット効果も!
ウォーキングは有酸素運動なので、体脂肪を燃やしやすい。大またでの早歩きを15分続けるのがやせるコツ。
歩く強度の目安。「中強度」って何?
●中強度
大また歩きや、うっすら汗ばむ程度の早歩き。
●高強度
息切れするほどのジョギングや、激しい運動。
●低強度
速度を意識しないダラダラ歩き。家の中の移動。
1日目標7000歩。お出かけすれば3000歩稼げる
1日7000歩、そのうち15分を大また歩き等の中強度で歩くと、女性が気をつけたい乳がんや骨粗しょう症、心筋梗塞などの原因になる動脈硬化を防ぐことができる。
1日中家で過ごしても、2000~4000歩は歩いている。30分程度の外出で約3000歩は歩くので、1日の合計で7000歩に。毎日する必要はなく、1週間平均で達成できればOK。まずは2か月続けてみよう。
病気予防できる歩数の目安
『あらゆる病気は歩くだけで治る!』の著者の青栁さんが17年以上にわたり、群馬県中之条町において「歩き」と「病気予防」の関係を追跡調査。それを基に作成した、1日の目標歩数と予防できる病気は以下のものだ。
【1日の目標歩数と予防できる病気】
・8000歩/1日(うち20分程度の中強度)予防できる病気:高血圧、糖尿病、脂質異常
・7000歩/1日(うち15分程度の中強度)予防できる病気:がん、動脈硬化、骨粗しょう症
・5000歩/1日(うち7.5分程度の中強度)予防できる病気:脳卒中、心疾患、認知症
・4000歩/1日(うち5分程度の中強度)予防できる病気:うつ、睡眠障害
・2000歩/1日(うち0分程度の中強度)予防できる病気:寝たきり
歩数+中強度がわかる活動量計
早歩きの歩数も判別。オムロン活動量計HJA-405T 4482円(編集部調べ)
目標までの残り歩数や早歩きの時間も表示。大画面で見やすい。ミズノ活動量計M55 4320円
●全国183か所の街歩き地図を入手できる
日本市民スポーツ連盟が、全国各地でウォーキングコースを認定。各コースの地図をインターネット上で公開している。
日本市民スポーツ連盟
http://ivv-jva.com/walkingstations.html
→関連記事:やっぱり歩行は健康のカギ “1日8000歩、20分の速歩き”が目標
教えてくれたのは:青栁幸利さん
東京都健康長寿医療センター研究所社会参加と地域保健研究チーム専門副部長。『あらゆる病気は歩くだけで治る!』(SB新書)など著書多数。