水回りのカビを元から絶つ「浴室の黒カビにパック、黒ずみにマステ」最新アイテムと対策を専門家が指南
湿度の高い場所を好むカビにとって、水回りは絶好の繁殖のポイントに。カビの除去はもちろん、新たに発生させないための方法もしっかり押さえて。進化したグッズの活用も有効です。水回りのカビを元から絶ちましょう!
※紹介する商品は編集部調べの実勢価格です。
教えてくれた人
千葉大学真菌医学研究センター・准教授 矢口貴志さん
医療環境管理士 松本忠男さん
住生活ジャーナリスト 藤原千秋さん
“浴室“は見えない黒カビも除去
家の中でもっともカビが増えやすいのが浴室。高温多湿で“汚れ=エサ”が残りやすく、カビが増殖する全条件を備えている。目に見えるカビはもちろん、見えない無数のカビ胞子もしっかり退治して、カビの発生を極限まで抑えよう。
◆カビが発生しやすい場所を知る
黒カビが目につきやすいのは、壁と床の境目や浴槽との境目、タイルの目地やパッキン、窓、ドアのレールなど。ホコリがたまった換気扇もカビが発生しやすく、胞子をまき散らしてしまう。
入浴後、掃除した浴室全体にシャワーで冷水をかけ、タオルで水分を拭き取ったら、換気扇を回して浴室全体を乾燥させること。これを毎日の習慣にすれば、カビを抑制できる。
<要注意ゾーン>
・シャンプー類の底
・棚やラックの裏
・換気扇のまわり
・蛇口やシャワーヘッド
◆使用後の小物の置き方に注意
浴室の椅子は内側に湿気がこもってカビやすいため、使用後はひっくり返しておくといい。洗面器も内側が乾くよう外に向けて立てかけ、床や壁との接触面をできるだけ少なくすること。
〇内側を外向きに
×内向き置き
◆頑固な黒カビを落とす基本の方法
目に見えるほどの黒カビは塩素系(次亜塩素酸ナトリウム)漂白剤が主成分のカビ取り剤で落とすのが基本。
「充分に換気をしながらカビ取り剤をスプレーし、上からラップを貼って空気を遮断します。この方法だと、ラップの上からカビが落ちたか目視でき、しばらく置いた後にはがしたラップでこすり落とすこともできます。ジェルタイプのカビ取り剤は、少し厚めに塗ればラップなしでOK。最後はしっかり水で洗い流して」(松本さん)。
カビが取り切れない場合は、数回これを繰り返して。
<漂白剤を使った黒カビ除去の手順>
1.換気
2.スプレー
3.ラップでパック
・高濃度の有効成分配合のジェルタイプ。『ウルトラハードクリーナー カビ用』 1078円/リンレイ
◆天井にカビ取り剤を直接スプレーするのはNG!
上に向かってスプレーするとカビ取り剤が自分にかかってしまうので×。高い場所に使う場合は、柄つきスポンジに古タオルやキッチンペーパーを巻き、カビ取り剤を吹きつけたもので拭く。しばらく放置した後、水拭きを。拭き取ったペーパーはポリ袋などに入れ、密封してから捨てるとカビの拡散が防げる。
◆掃除の後は、除菌&カビの発生を予防!
カビ取り掃除を終えたら、くん煙剤などの防カビグッズを使ってきれいな状態をできるだけキープし、新たなカビの発生を抑えること。「くん煙剤を使用すると、約2か月はカビをかなり抑えられます」(藤原さん)。
・置くだけで、黒カビ、ピンクのぬめりを約6週間ブロック。『ファブリーズ お風呂用防カビ剤 クリーンシャボンの香り』768円/P&Gジャパン
・銀イオンの煙で除菌し、黒カビの発生を防ぐ。『ルックプラス おふろの防カビくん煙剤』630円/ライオン
◆洗剤で取れないカビの黒ずみは上から塗りつぶす
黒カビの黒ずみが沈着してしまったら、テープや目地用マジックで見えなくしてしまう方法も。カビ用洗剤でしっかり掃除した後、乾かしてから利用を。
・防カビ剤入りで、黒カビとピンクぬめりの防止効果あり。汚れたら張り替えればOK。『カビ汚れ防止マスキングテープ』各110円/DAISO
・目地やパッキンに残った色汚れの上からなぞって隠すマジックタイプ。『カビダッシュ 防カビ・リカバリーマジック』770円/リベルタ