小林幸子さん「デートで初めて食べたえびドリア」50年前の思い出を明かす<再現レシピ付き>
「最初に食べたご馳走は何ですか?」。子供の頃に母が作ってくれた料理、上京したときのレストラン、初任給で行った高級店…。著名人に、記憶に刻まれている「初めて食べた忘れられない味」を語ってもらい、証言をもとに料理を再現する企画。歌手の小林幸子さん(69才)に「最初の晩餐」を教えてもらいました!
小林幸子さん/プロフィール
1953年、新潟県に生まれる。1979年『おもいで酒』が200万枚超えの大ヒット。同年から、NHK『紅白歌合戦』に34回出場。2006年「紺綬褒章」受章。ニコニコ動画などで、若い世代からも人気を集めている。
小林幸子さんがデートで初めて食べた「えびドリア」
わずか9才で歌まね番組のグランドチャンピオンとなり、翌年には『ウソツキ鴎』でデビュー。10才にして、20万枚の大ヒットを記録した小林幸子さん。しかし、その後は長いスランプに突入し、10代半ばから20代半ばまでの青春時代は、ひとりで全国をドサ回りする日々が続いたという。
今後も歌手としてやっていけるのか──不安を抱えながらも、東京に帰ってきたときには、艶っぽい話もあったりなかったり。
デートで初めて食べたえびドリア、よく覚えていますよ。お相手は、5つ年上でした。私は17才か、18才。芝公園のカフェね。でも、ランチですよ。あの頃はデートといっても、ふたりきりじゃなくてグループ交際でした。
最近、若い人たちから「昔の芸能界は、キラキラした別世界だったんですよね」と言われることがありますが、じつは昔の方が身近な世界だったかもしれません。あの頃は携帯電話もないし、みんなカフェにいましたから。
たとえば、六本木のパブ・カーディナルでコーヒーを飲んでいれば、たいてい誰かに会って、その誰かが連れている友達とも知り合う。そういう感じで、松崎しげるくんとはよく遊んだし、洋服屋さんでアルバイトしている子とか、みんなでワイワイやっていました。ドリアを一緒に食べたお相手もそんな中のひとり。結局、親密なおつきあいまでは発展しなかったですね。
「飯倉キャンティ」のスパゲッティ・バジリコにも感激!
もちろん、当時は不安を抱えた毎日でもありました。私は売れていなかったし、ちあきなおみさんとか個性的な若手が次々に現れて。音楽も食べ物も、欧米発の新しい情報があふれんばかり。ジャズ、R&B、グラタン、ピラフ。それを試したら、今度はドリアだ(笑い)。
えびドリアの初体験は、熱々のフハフハ。焼き目がついたチーズにスプーンを入れると、コクのある白いソースがとろり。すくったら、カラフルな野菜に、バターの香りのするご飯まで。まるでピラフとグラタンのカップルだと感激したんですが、実際欧米にこんな料理はないらしいですね。
そういえば、両親が営んでいた小林精肉店のカレー風味のコロッケも、フランスのクロケットとはずいぶん違いました。でも、おいしいからいいんです。日本の洋食、最高!
「17、8才ぐらいかな。そうそう、飯倉のイタリア料理店キャンティのスパゲッティ・バジリコにも感動しました。当時パスタといえば、ナポリタンかミートソースしかありませんでしたから」(小林さん)
小林幸子さんが忘れられない味「えびドリア」再現レシピ
【材料】(2人分)
えび:10尾、玉ねぎ:1/4個、マッシュルーム:2個、サラダ油:大さじ1
《ホワイトソース》
バター25g、薄力粉25g、牛乳350ml、生クリーム50ml、塩・ホワイトペッパー各適量、ローリエ1枚
《バターライス》
ミックスベジタブル50g、バター20g、ご飯300g、塩・こしょう各適量
仕上げ…ピザ用チーズ40g、パン粉小さじ2、バター4g、パセリのみじん切り適宜
【作り方】
POINT! ソースを焦がさないよう弱火で加熱
【1】ホワイトソースを作る。鍋にバターを入れ弱火にかけて、薄力粉を振るい入れて混ぜ、とろりとするまで加熱する。
【2】【1】に牛乳おたま1杯分を加え、よく混ぜてから火にかけとろみがついたら、再び牛乳を加えて同様の作業を牛乳がなくなるまで繰り返す。
【3】【2】に生クリームを加え、ローリエ、塩・ホワイトペッパーを少々入れ、弱火で湯気が立つ程度加熱し、火を止める。
【4】フライパンにサラダ油を温め、みじん切りの玉ねぎ、スライスしたマッシュルーム、えびを順に炒めて【3】に入れる。
【5】バターライスを作る。フライパンにバターを溶かし、ミックスベジタブル、ご飯を加えて炒めあわせ、塩こしょうで味を調える。
【6】【5】を2等分に分けて器に入れ、半量の【4】をかけ、ピザ用チーズ、パン粉、バターをのせトースターで焼き色がつくまで焼き、仕上げにパセリのみじん切りをふる。
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写真/深澤慎平 フードコディネーター/柳瀬真澄
※女性セブン2023年11月23日号
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