「過信や思い込み、夫への期待を捨てた」読者調査で判明した60才過ぎたら「捨てるべき考え方」【医師解説】
女性セブンの60才以上の女性読者571人にアンケート(※)を実施したところ、「還暦を機に捨てたもの・やめたことがある」人の割合は7割超。ものを捨てるのは、終活の取っ掛かりにしやすいようだ。しかし、捨てたのはものだけではなく、人間関係や家事、習慣、中には「夫」なんて読者も―残りの人生を幸せに過ごすため、本当に捨てるべきものは何か、見えてくるかもしれませんよ。
※『女性セブン倶楽部』会員(全国の60才以上女性)、571人が回答(回答期間2023年9月12~19日)。
※本文中のコメントは『女性セブン倶楽部』会員アンケートの「還暦を機に捨てたもの・やめたことがある」の項目の回答より抜粋しました。
教えてくれた人
心療内科 海原純子さん(71才)
医学博士。昭和女子大学客員教授。ジャズシンガーとしても活躍しており、音楽と医療を融合させる活動を行う。『大人の生き方 大人の死に方』(毎日新聞出版)ほか著書多数。
まず捨てるべきは無駄な時間だった!
“終活”には手間と時間がかかる。体が動くうちから始めたいと、定年退職などを機に、60才からものを捨て始める人が多いことは、読者アンケートからもわかった。ではまず、何から捨てたらいいのか。“もの”を捨てたり整理するのは、業者などを活用すれば晩年でもできる、という読者もいるが――。
「人生の残り時間は年々限られてくるわけですから、晩年を幸せに過ごすために大切なのは、“無駄な時間”を捨てること。そのためにはまず、悪口や噂話、嫉妬をしている時間から捨てましょう」(心療内科医の海原純子さん・以下同)
他人について時間を割いて考えるより、自分について考える時間を取った方が有意義だという。
「ただし、それまでの考え方や価値観、習慣を捨てるには時間がかかります。それこそ、60才から始めて70才でようやく実践できるもの。ですからなるべく早いうちから“時間は自分を幸せにすることに使う”などと決めて行動し始めるのがおすすめです」
考え方を変えるのに道具は必要ない。すぐにできるので今日から実践してみよう。
捨てるべき“考え方”リスト
◆過信を捨てた!
お酒に強かったので、定年退職時の飲み会で朝まで飲んだら3日寝込みました。それからはほどほどに…。(65才・会社員)
◆思い込みを捨てた!
「結婚くらいしないと~」と言っていたら、職場の若者に「昭和ですね」と言われて孤立。考えを改めました。(63才・パート)
◆夫への期待を捨てた!
「家族に興味を持ってほしい」という期待を捨てたら、夫が何をしていようが気にならなくなりました。(61才・パート)
◆妻であることを捨てた!
夫が定年退職した日、「私も妻を退職します」と宣言。自分のことだけをやることにしたら、夫の家事力が上達。(66才・パート)
◆がまんを捨てた!
体調が悪くてもがまんしていたら、60才で乳がんが判明。体のちょっとした変化や痛みには気をつけるように。(70才・主婦)
◆物欲を捨てた!
息子の助言で1週間買い物をしない生活を実践。物欲が落ち着き、必要なものだけ買えば満足できるように。(65才・自営業)
◆こだわりを捨てた!
無農薬野菜など素材にこだわってきましたが、物価高騰を機に断念。逆に食のレパートリーが広がりました。(67才・主婦)
◆「いいな~」を捨てた!
母から「足りないものを数えるより、あるものに感謝したら」と言われて実践。気持ちが明るくなりました。(65才・主婦)
取材・文/前川亜紀
※女性セブン2023年10月26日号
https://josei7.com/
●終活におすすめ3つの準備| 「人生会議」「もしバナゲーム」「ITAKOTO(イタコト)」