100年歩ける「骨」をつくる最強の食品ランキング「1位は納豆」理由を専門家が解説
3位(52点)しらす
「骨ごと食べられるのでカルシウムを多量に摂取できる」(石原さん)、「カルシウムだけでなくビタミンDも豊富」(佐藤さん)、「減塩を選ぶとなおよい」(細川さん)、「酢やレモン、梅干しなどクエン酸も一緒に摂ることでカルシウムの吸収率がアップ」(浜本さん)
2位(53点)鮭
カルシウムの吸収を高めるビタミンDが豊富」(金子さん)、「ブロッコリーやミニトマトなどビタミンCを多く含む食材と合わせて調理するとコラーゲンの生成を促し、骨の老化防止を助ける」(浜本さん)、「血液中のカルシウム濃度を高め骨の形成や石灰化を促進」(清水さん)
1位(88点)納豆
1位は「納豆」ビタミンKが鍵!
「納豆に含まれるビタミンKは骨に存在するオステオカルシンを活性化して、骨の形成を促す」(福田さん)、「発酵食品のため、腸内でビタミンKを生成できて大豆そのものより効果が高い」(伊藤さん)、「カルシウムやたんぱく質も多量に含み骨強化を働きかける」(望月さん)
骨といえば「カルシウム」のイメージが強いが、骨を作るために必要な栄養素はそれだけではない。
「骨の健康のために大切な三大栄養素はカルシウム、たんぱく質、そしてビタミンDです。骨はたんぱく質でできているコラーゲン繊維を支柱にし、そのまわりにカルシウムをまとっている。いわば鉄筋コンクリートのような構造で、丈夫な骨を保つにはたんぱく質が欠かせません。ビタミンDは腸管からのカルシウム吸収を促し、骨の成長を促進させる役割を担っています」(秋葉原駅クリニック医師の佐々木欧さん)
イシハラクリニック副院長の石原新菜さんは、女性の体のメカニズムを考えた際に、ビタミンKやエストロゲンの必要性を説く。
「ビタミンKは骨の合成にかかわる成分で、女性の場合、摂取が少ないと骨折リスクが高まることが報告されています。また、エストロゲンは骨の新陳代謝を担う破骨細胞と骨を作る骨芽細胞の両方にかかわりますが、女性は閉経に伴って減少するため、効果的な摂取が大切です」
以上のことから、牛乳などの乳製品を抑えて、堂々の1位に輝いたのは納豆。その理由は、やはりビタミンKにあるという。
「ビタミンKには、カルシウムの骨への沈着を促すだけでなく、骨からカルシウムが流出するのを防ぐ働きもあります。納豆はビタミンKが豊富なうえ、カルシウムやたんぱく質も多く含まれる」(管理栄養士の清水加奈子さん)
納豆に含まれる大豆イソフラボンに注目するのは石原さんだ。
「エストロゲンと似た働きをする大豆イソフラボンは、女性が骨を強くするために積極的に摂りたい栄養素です」
納豆と同じ大豆製品の豆腐も、8位にランクイン。
「たんぱく質やカルシウム、ビタミンKに加え、大豆イソフラボンを摂れます。豆腐は大豆を加工することで、消化吸収しやすくなっているのもメリットです」(管理栄養士の望月理恵子さん)
2位の鮭をはじめ、魚類のランクインも目立つ。共通するのは、たんぱく質、ビタミンDに加えて「EPAやDHAといったオメガ3系脂肪酸も豊富」(佐々木さん)という点にある。
「特に鮭はビタミンDが豊富で、コラーゲンも含まれている。コラーゲンは皮と身の間に多いため、皮も一緒に食べるといい」(管理栄養士の金子あきこさん)
「鮭の赤身にはプランクトン由来で天然のカロテノイドであるアスタキサンチンが含まれている。抗酸化作用や抗炎症作用があるうえ、骨の老化防止効果も期待できます」(佐々木さん)
3位のしらすでは、特に「天日干し」をすすめる声が上がった。
「天日干しのしらすは釜揚げしらすと比べて、カルシウムが190mgから520mg、ビタミンDが4.2㎍から61㎍に大幅アップ。ビタミンDは脂溶性なので、アマニ油やごま油を少々加えると、さらに効果がアップしますよ」(予防医療・栄養コンサルタントの細川モモさん)
しらすのほか、7位の桜えび、12位のいわしは、丸ごと食べられるのも大きな利点だ。
「丸ごと食べることで、カルシウムをまとめて摂取できます。いわしは小骨が刺さると危険なので、丸ごと食べる際には長時間の加熱、もしくは圧力鍋での調理が必要です」(佐々木さん)
鮭やいわし、さば(10位)などの魚は缶詰を活用すれば、手間なく骨まで食べることができる。
ランクインはしなかったが肉を食べることの重要性に触れるのは、おおつか医院院長の大塚亮さんだ。
「牛肉には骨を形成するうえで欠かせないたんぱく質が豊富。特に日本人女性に不足しがちな鉄や亜鉛が多いので、もっと積極的に食べてほしい。鶏肉は胸肉などを選べば余計な脂肪も摂らずにすみます」
トップ3は譲ったものの、牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品も上位に名を連ねた。
「乳製品はカルシウムが豊富。本来カルシウムは、炭水化物やたんぱく質に比べ消化吸収率の低い栄養素で、体内で生成することもできない。そうした中で、牛乳はほかの食品より吸収率が高いのがメリットです」(医学博士の福田千晶さん)
カルシウム以外の栄養素も吸収を助けている。
「牛乳に含まれている乳糖、アルギニンなどのアミノ酸、カゼインなどがカルシウムの吸収を促進。また、MBP(ミルク・ベーシック・プロテイン)の働きで、骨への沈着率もアップします」(清水さん)
佐々木さんが推す乳製品はヨーグルトだ。
「発酵食品であるヨーグルトには、腸内環境を整える働きがあり、それが骨の健康にも役立つという研究もあります」(佐々木さん・以下同)
野菜からは唯一、小松菜がランクインを果たした。
「野菜類のなかではカルシウムが非常に豊富。マグネシウムや、骨の形成を促すビタミンK
も含んでいます」
食べるときのひと工夫が、効果をさらに高める。
「ビタミンKは脂溶性なので、油で調理すると吸収率がアップします」(細川さん)
「おひたしを多めに作っておいて、食べるときにごまやしらす、かつおぶしなど、骨によいほかの食材をトッピングすることで相乗効果を狙いましょう」(かおるこHappyクリニック院長の伊藤薫子さん)
※女性セブン2023年7月20日号
https://josei7.com/
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