【糖尿病】の基礎知識と新常識 女性こそ怖い!やってはいけない生活習慣
早速ですが、チェックです!
□健康志向のため 毎日、野菜ジュース を飲んでいる。
□閉経後、 体重が急に 増えた。
□ 太ってもすぐにダイエットをするから大丈夫。
□やせ形だとよく言われる。
□食後は優雅なコーヒータイム が欠かせない。
□食事はササッと済ませることが多い。カレーライスが定番。
上の項目に、あなたはいくつ当てはまりましたか?
1つでも多く当てはまる人ほど糖尿病になるリスクが高いんです。現在、糖尿病予備軍は2000万人を超え、罹患する可能性は40才以上の4人に1人というまさに「国民病」。
ゆえに、検査法や治療法も大きく進化している。そこで自分と家族を糖尿病から守る方法を、教えます!
糖尿病は男性がかかりやすい病気と思いがちだが、実は女性にも増えている。厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、糖尿病が疑われる女性の割合は’97年の7.1%に対して、’16年は9.3%に増加。40代以上の女性では15.2%が有病者か予備軍、つまり7人に1人の計算になる。
これには女性ホルモンが大きくかかわっていると、銀座泰江内科クリニック院長の泰江慎太郎さんは言う。
「女性ホルモンには血管を守り、血圧を下げる機能のほか、血糖値をコントロールする働きがあります。
しかし、40代以降になると女性ホルモンの分泌が減り、特に閉経前後は太りやすくなり、血糖値も上がりやすくなるが、インスリンの分泌は低下するため、糖尿病のリスクが高まるのです」(泰江さん)
糖尿病の基礎知識
自覚症状が出てきたら黄色信号!?危険な生活習慣していませんか?
糖尿病は自覚症状があまりないため、見逃されがちな病気。日常に潜むサインに気づくために、まずは基礎知識を身につけよう。
●太った人だけがかかるわけではない
そもそも糖尿病というのは、インスリンが何らかの原因で働かず、血液中の血糖が常に多い状態になる生活習慣病の1つ。初期には自覚症状がない場合が多いが、発症し、進行が進むと手足をつかさどる末梢神経にダメージを与え、足がしびれたり、悪化すると痛みの感覚が鈍くなったり、合併症を引き起こすこともある。一度かかったら完治することがない病気だ。
「インスリンはすい臓から出るホルモンで、血糖値を一定範囲に収める働きがあります。 しかし、遺伝的なものや生活習慣の乱れ、加齢などによってその働きが悪くなると、糖尿病を引き起こしてしまいます」(泰江さん・以下同)
糖尿病は発症する原因により、主に4つに分けられる。
【1】1型糖尿病
【2】2型糖尿病
【3】その他の特定の機序(※)、疾患によるもの
【4】妊娠糖尿病
※機序とは、しくみやメカニズムという意味。
【1】は、子供や若い層に多く、 インスリンを作るすい臓の細胞が何らかの原因で壊されてしまい、糖尿病を発症する。
【2】は、遺伝や生活習慣の乱れ、肥満、加齢などが要因で、すい臓から出るインスリンの分泌が減少し、働きが悪くなることで、糖尿病に至りる。
【3】は、遺伝子異常やほかの病気、薬によって発症する。
【4】は妊娠中、胎盤が作るホルモンの影響でインスリンの働きが悪くなり、高血糖になり発症する。
なかでも代表的な【1】1型糖尿病と【2】2型糖尿病の違いは知っておこう。
●1型糖尿病と2型糖尿病の違い、原因
【1型】
発症年齢:子供や若い人に多い
体形:やせ型に多い
発症の仕方:急激に発症、悪化も急速
原因:すい臓のβ細胞の破壊
治療:インスリン注射
【2型】
発症年齢:中高年に多い
体形:太った人に多い
発症の仕方:ゆるやかに発症し、進行もゆっくり
原因:遺伝的体質プラス生活習慣の悪化など
治療:食事・運動療法、のみ薬やインスリン注射
日本の糖尿病患者、95%は2型
「日本の患者の95%以上は2型です。これは中高年層に多く見られ、肥満も主な原因。しかし、必ずしも太った人だけがかかる病気ではありません。やせていても、糖尿病の治療に通院している患者さんもいるんです」
また、やせているのに発症してしまう要因の1つには、筋肉量がかかわっているという。
「私たちが食物などで栄養を摂ると、胃や十二指腸、小腸で消化、分解されます。糖分はグリコーゲンとして筋肉に貯蔵され、エネルギーとして使われるため、筋肉が血糖値を下げる働きをします。
しかし、やせて筋肉が細いと充分にその機能を果たすことができないため、血糖値が下がらず、高血糖の状態が続いてしまう。この状態が糖尿病を患った状態です。特に筋肉量の少ない女性にこの傾向が多く見られます」
しかも、欧米人に比べると日本人はインスリンを分泌する力がもともと弱いという。 「日本人は昔、ひえやあわ、木の実などを食べて生活していたため、低栄養でも暮らせる遺伝子を持っています。なのに、今は栄養過多の時代。しかも、夜遅くに食べたり、早食いをするなど、すい臓に負担をかけることも多いため、インスリンの分泌が弱くなり、太っていなくても糖尿病にかかる可能性が高くなるのです」
●糖質過多の食事と運動不足が原因
 また、糖尿病の主な原因の1つに、糖質過多が挙げられるが、日本人の主食といえる米やうどん、そばには多くの糖質が含まれるため、食事の改善が必要だと『AGE牧田クリニック』院長の牧田善二さんは言う。
「糖質を摂ると急激に血糖値が上がるのは有名な話ですが、人間は血糖値が上がると快感を得るようにできているため、知らないうちに依存してしまう危険があるのです。血糖値が下がってお腹が減ってイライラし、眠気に襲われると、糖質を欲するようになる。これは、中毒の一歩手前の症状ですが、糖が大量に体内に摂り込まれるとすい臓が疲弊してうまく働かなくなり、糖尿病だけではなく、動脈硬化、肝機能障害、脳卒中などの重大な病を引き起こすのです」(牧田さん)
消化がよく、ヘルシーなイメージのあるうどんの1食分に含まれる糖質の量は、角砂糖13個分に相当する。知らず知らずのうちに私たちは糖質過多の生活を送っているのだ。
初期症状4つのポイント
 糖尿病は自覚症状が出にくく、気づいたときには進行が進んでいる恐ろしい病気。
「高血糖の状態が長期にわたって続くと、合併症のリスクが高まります。発症から5年ほど経つと徐々に症状が現れ始めます」(泰江さん・以下同)
主に下記のような初期症状が現れる。
【1】尿の回数が増える
【2】のどの渇きを覚える
【3】疲れやすくなる
【4】足がむくむ
「これらの症状が現れたら、糖尿病が悪化し始めていると言っていいでしょう」
また、足のしびれやこむら返りも高血糖で現れる症状だ。
「さらに、血糖値が高くなるとやせ始める人もいます。これはインスリンが足りずに、自分の体の脂肪をエネルギーとして使うからで、1か月で5㎏以上やせると、糖尿病の末期状態の可能性があります」
この状態を10年以上放置すると、合併症を引き起こす。10年と書くと長いようだが、放置して合併症に至る人も少なくないのが現実だ。