徳光和夫さん「1日100本以上のたばこで大病患った」現在元気に暮らすためにしている12のこと
長寿化が進む現代、どうせ長生きするなら健康でいたい。とはいえ実際は「あそこが痛い」「この数値が悪い」のオンパレード。逆にいえば、体の不調とうまくつきあうことができれば人生は豊かになる。60才で大病を患った徳光和夫さん(82)に毎日を元気に過ごすヒントを聞いた。
1日100本以上もたばこを吸うヘビースモーカーだった徳光和夫さん
ウチは父が103才、母も93才まで生きた長生き家系です。つい先日、103才で亡くなった伯母は100才まで演歌歌手の山内惠介さんの追っかけをするほど元気でした(笑い)。
ただしぼくは60才の頃に急性心筋梗塞で緊急搬送されて生死の境をさまよいました。そのとき、自分は「生かされている」と教えられ、限りある命を大事にしなければならないことを痛感したのです。
それまで1日100本以上吸う大のたばこ好きでしたが病気を機に【1】禁煙を決意。これは人生で一番の大勝負。夢にたばこが出てくる地獄のような日々を過ごし、1か月ほどでようやく落ち着きました。
50代の頃は30分ほど話すと声がかすれてくるほどだったのですが、驚いたことに禁煙すると3時間も自分の理想の声で違和感なくしゃべれるようになった。これはぼくの人生にとって大きなプラスでした。
健康のため体幹を鍛えて、食事も気をつける生活に
80才を超えたいま、運動は取り立ててしませんが、数年前に行きつけの接骨院で「体幹を鍛えられる」とすすめられて【2】1日15分ほど振動マシンに乗っています。始めてから、ゴルフのドライバーショットの飛距離が伸びるようになりました。マシンで体幹が鍛えられて軸がブレなくなったことと、もともと足が短いおかげでしょう(笑い)。
ぼくは食べることが大好きで、おいしく食べられている間は衰えないと思っています。【3】食事中はゆっくりよく噛むことを心がけ、1口目は50~70回噛み、その後も30回は噛む。70才くらいから食べる際は【4】一口ごとに箸を置き、ちゃんと噛んでから次の一口に移るようにしています。
食事についてはたんぱく質を1日どれくらい摂った方がいいなどを教えていただくんですが、どうしても覚えきれない。その代わりといってはなんですが、【5】サプリメントは摂るようにしています。おすすめのサプリメントはDHAとEPA。頭の回転が衰えない効能があるとされますが、しゃべる仕事は瞬発力や集中力が大事なのでサプリメントの効果を実感しています。
もちろん、この年齢なので体のいろんなところにガタがきていますが、同世代と比べると話すスピードが速く、声のトーンもいいはずです。それは【6】腹式発声ができているからでしょう。腹式発声は体との共鳴度が高く、マイクに乗るいい声が持続できます。若い頃は仰向けに寝て新聞を読むトレーニングをしていましたし、いまも仰向けではないものの大好きなジャイアンツが勝った翌朝は、スポーツ紙を大きな声で読んでいます。
睡眠は6時間程度で目覚めはスッキリ。【7】寝る前は何も考えず、頭に何かが浮かんだらそれを塗りつぶすようにして消します。ああ暗闇にいるな、という気持ちで布団に入るとすーっと眠りにつけます。
いつまでも勝負「ギャンブルが脳を刺激する」
長年やっている【8】ギャンブルはやめられません(苦笑)。競馬やボートレースは勘と集中力が必要で脳が刺激される。ぼくなりの健康法なんです。選手や馬、エンジンの状態などを見極め、レースの展開を思い描いて1着2着3着と絞り込み、予想を的中させるのが醍醐味です。ただ、コロナ禍で競馬場に行けずタブレットで馬券を買うようになってからは、あれもこれもと手広く何点も買うようになって昔よりも勘と集中力は落ちてしまった気がしますが、タブレットを指先で動かすことも脳の刺激にもなりますので、これはこれでいいですね。
最近は頭のトレーニングとして【9】俳句の本も読んでいます。年を取っても幅広く興味を持つのはとても大切。年齢とともにアンテナを下ろすのではなく、【10】新しいアンテナを立てることが重要です。
ただし、何と言ってもいちばんの健康法は愛する【11】ジャイアンツです。一試合一試合の勝ち負けや試合内容で歓喜したり落ち込んだり。勝った日に焼き鳥屋でひとりほくそ笑むのが最高に楽しく、自分の健康の原点になっているとつくづく感じます。
80才を超えて心がけているのは、日々楽しく生きること。マイナス思考で一日を過ごすのではなく、【12】行き当たりばったりで自然の流れに身を任せながら、アンテナを立てて新しいことをやる。そういう生き方をすれば人生が楽しくなるはずです。
実り多き人生なら最後まで尽きることはないんじゃないかな。ぼくは実りを求めて日々を送っています。
教えてくれた人
徳光和夫さん(82)/アナウンサー。1963年、日本テレビ入社。プロレス中継や『NTV紅白歌のベストテン』、『ズームイン!!朝!』などの番組に出演し、人気を博す。1989年、独立してフリーに。プロ野球・読売ジャイアンツの熱烈なファンとして有名。
文/池田道大 取材/平田淳、伏見友里 写真/共同通信社、朝日新聞社
※女性セブン2023年6月22日号
https://josei7.com/
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