CAも実践する耳ケアで全身の不調対策を!5分で効く耳マッサージ「口臭や嚥下障害の予防にも」
全身のツボが集中する耳は、温めてからもむことで全身の不調に働きかけられるという。「全身の不調を改善する作用のほか、耳の周りを刺激することで唾液の量が増え、口臭や嚥下障害の予防にもなる」とイヤーエステティシャンの中本多紀さん。耳の温め方やマッサージの仕方を教えてもらったのでご紹介する。
CAご用達「蒸しタオル糸電話」で耳を温める
きたにし耳鼻咽喉科院長で日本アーユルヴェーダ学会理事長の北西剛さんはこう話す。
「耳には、動脈と静脈が交差する折り返し地点である“AVA血管”が多く走っているため、体温調節においても重要な役割を担っています」
実際に、耳を温めることで全身の血行がよくなり、5分間で体温が0.4~0.6℃上昇したというデータもある。
近年は耳専用のカイロや、温感機能つきの耳栓など、耳を温めるためのグッズが市販されるようになり、人気を集めているが、家にあるもので代用することも可能だ。濡らしたハンドタオルを電子レンジで1分ほど加熱した簡易蒸しタオルで耳を覆うだけでも、充分に効果は得られる。
「常に急激な気圧の変化にさらされているキャビンアテンダントは、機内で蒸しタオルをつくって紙コップに入れ、糸電話の要領で耳に当て、自律神経をケアしているといいます。蒸気によって高い温め効果が得られます。
また、ホットドリンク用のペットボトルに、沸騰直前のお湯と水を2:1の割合で入れたものを“ペットボトル温灸”として使うのもいい。ふたをしっかりと閉めて、ボトルの底を耳のツボ付近に軽く、5秒ほど当てる動作を数回繰り返してみてください。70℃ほどになるので、熱いと感じたらすぐに離して、くれぐれもやけどしないように気をつけてください」(佐藤さん)
5分で全身に効く「耳マッサージ」
温めて血流を促した後は、マッサージで直接耳に働きかけたい。
JEBジャパンイヤービューティ協会理事長中本多紀さん考案の耳のマッサージ「耳たぶリフレR」は、いつでもどこでも、好きなときに行える。
「まずは、耳たぶの下から鎖骨にかけて老廃物を流します。次に、指と手のひら全体を使ってもみほぐします。その後、耳の中央のツボを刺激することで、内臓のマッサージをしましょう。最後は人さし指と中指で耳をはさみ、耳の形に沿ってマッサージしてください。耳まわりの血流とリンパの流れがよくなります。強すぎるのはよくありませんが“痛気持ちいい”くらいの力加減で行うこと。片方の耳だけやってみると、顔がリフトアップしているのを実感できるはずです」(中本さん・以下同)
耳を全体的にマッサージすることですべてのツボを効率的に刺激し、全身の不調に働きかけられる。自律神経のバランスが整うのはもちろんのこと、片頭痛やめまいがひどく、病院に行っても治らなかった人が、この耳マッサージで症状が改善したというケースもある。
口臭や嚥下(えんげ)障害の予防にも
「耳をもむと全身の血流が改善されるため、肩こりや首こり、眼精疲労なども改善が見込めます。耳下腺(じかせん)が刺激されることで唾液の分泌量が増えるので、口臭や嚥下(えんげ)障害の予防にもなります。
実際、介護施設の高齢者が食前にこのマッサージを行うことで、食事が取りやすくなったこともありました。ただし、子宮に関するツボを刺激すると出産促進作用があるため、妊娠中は気をつけてください」