中尾ミエさんに学ぶ「悩んでいたら老ける!1分も無駄にせずいまを楽しむ」ご機嫌な生き方
「何かひとつの道しか歩んでいないと、そこで行き詰まってしまうこともあるでしょう。だから、常に2つ、3つの道を用意しておくようにしています。たとえば、誰かと食事をしようと誘って断られたとき、ほかにも誘えそうな人がいれば、すぐに気持ちを切り替えられますよね。仕事でも趣味でも何でもそう。人生、思い通りにはいかないんだから、“準備”は必要ですよ」
実際、中尾の趣味は多く、音楽に加え、50代からはスイミング、60代からは俳句、最近では毎朝の公園通いなど、楽しみを多く持っている。
「特に音楽はいいわね。朝起きたらすぐにFMラジオをかけるし、帰宅すればすぐにジャズやクラシック、ハワイアンなど、ジャンルを問わず曲を流します。どんなときでもかけた瞬間、その場の空気がふわっと温かくなる。気持ちもすっきりします。
毎朝通っている公園ではご近所のマダムたちと運動したりおしゃべりしたりしながら、束の間の時間を笑って過ごしています。朝のひとときに大笑いするだけでも、“今日も一日これでがんばれる”と前向きになれるんです。
私がしていることはどれも特別なことではなくて、日常のひとつ。毎日やることは楽しくないとできません。長く続いている習慣が、いまのポジティブな自分を作っているんだと思います」
機嫌よく過ごすことは、周りのためにもなると話す。
「誰だって楽しい一日を過ごしたいのは同じ。眉間にしわを寄せている人の近くには寄りたくないでしょう。だから私も、誰かを誘うときには、相手の時間を無駄にしないように意識していますよ。それが、ご機嫌がご機嫌を生む好循環になっているんですね」
いまを楽しく生きて!!
ここまで話しながら、
「実は全部理屈で考えていないの。自分の気持ちに正直に行動しているだけなんです」
と付け加えた。
「派手な色や柄の服を着ているのも、草取りやら何やらで体を動かすようにしているのも、理屈じゃないんです。時間があるなら悩まないで行動しようって、ただそれだけのこと。そもそも、過ぎた失敗や嫌なことを反芻したところで、何のプラスがあるんでしょうか? 私はもう、過去のことなんて全部忘れましたよ」
今年77才を迎える中尾。いま、強く思うことがある。
「40代、50代と違って、70代も半ばになると、一日一日が大事。1分も無駄にできません。これから先、いかに楽しく生きていくか。いまをいかに楽しむか。そのことばかり考えています」
人生の後輩へ「悩んでいると老ける!」
最後に、“人生の後輩”を、こう励ましてくれた。
「あのね、悩んでいる人が老け込んじゃうのよ! 余計なことを考えないで、元気になることだけ考えて、体を動かしてください。人の役に立ってください。それが生きるということですから。普通に、楽しく生きてください」
表情豊かに笑う中尾の前にいると、誰もが元気になることは間違いない。
教えてくれた人
中尾ミエ/歌手・女優
タップダンスやソシアルダンスも得意とする。『5時に夢中!』(TOKYO MX)では金曜日のコメンテーターとして活躍。主な著書に『76歳。今日も良日』(アスコム)など。取材・文/桜田容子
※女性セブン2023年2月23日号
https://josei7.com/
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