由美かおるさんが40年間続けているネガティブになった時の対処法
女優で歌手の由美かおるさん(72)は、ネガティブな感情を感じたとき決まってやることがある。それをするとスーッと気持ちがほぐれるという。コロナ禍に物価高など最近は不機嫌になることがたくさん。そんなときでもご機嫌&笑顔あふれる生活が送れるよう、由美かおるさんのご機嫌になる術を実践してみては?
これまでの挑戦がいまの自信に
15才で女優デビューをし、35才から25年間、時代劇『水戸黄門』(TBS系)に「かげろうお銀」「疾風のお娟」役としてレギュラー出演してきた由美かおる。累計200回超の“入浴シーン”でお茶の間を魅了してきた由美のスタイルのよさと明るい笑顔は、72才のいまも健在だ。
「私はよく、“天真爛漫ですね”とか、“竹を割ったような性格ですね”だなんて言われてきました(笑い)。はたからはそう見えるのでしょうけれど、そんな私でも新しいことを始めるときや、何かにチャレンジするときは、不安を感じたり、壁にぶつかって落ち込んだりすることはあります」(由美・以下同)
22才のときに挑んだ映画『同棲時代-今日子と次郎-』(1973年公開)では、由美のオールヌードが撮影された。公開初日は長い列が絶えず、多くの人がポスターをはがして持ち帰り、社会現象になるほどの話題をさらった。しかし、由美本人はヌードに抵抗があったという。
「当時はまだ“同棲”という言葉も衝撃的でしたし、私も若かっただけに、台本をいただいてから1か月間は、出演するかどうか随分悩みました。初めての映画撮影で、しかもヌード。ポスターを撮るときは不安と緊張でいっぱいでした。でも、当時所属していたバレエ団の師匠やカメラマンから背中を押していただいて踏み切れました。あのときのチャレンジは私の糧になっています」
不安と緊張を感じたらまずは深く呼吸をする
それから50年経ったいま、仕事への自信はついたが、新たな問題に落ち込むことが出てきたという。
「なかなか新しい歌を覚えられなくてイライラしますね(笑い)。若い頃はスッと頭に入ってきたのに…」
どうしてできないのだろう…そういったネガティブな感情を自覚したとき、決まってやることがあるという。それが、40年ほど前から続けている呼吸法だ。
「やり方はまず、自分が樹木になった気になって、根から水や養分を吸い上げて枝葉にいきわたらせるようなイメージを持ちます。足の裏から吸い上げたエネルギー(呼気)を、頭のてっぺんや手足にまで巡らせ、再び足の裏に向かって息を吐いていく。この呼吸法を、朝起きたときや夜寝る前など、一日に何度か行います。特に緊張していたり、イライラを感じているときに行うと、スーッとほぐれていくんです」
心がつまずいたら呼吸法を行って、文字通り一呼吸おき、再度取り組むのだという。
「英語の歌なら辞書で調べて歌詞の意味を理解し、どういう気持ちで歌うのかを考え、解決していきながら根気よく取り組むようにしています。人間、リラックスだけではダメね。ある程度脳も働かせないといけない。緊張したり苦しんだりしながら、一生懸命覚えています。私にとって苦しみは学び。それを和らげるのが呼吸法ですね」
緊張した時はチョコレートを食べる
ほかにも、緊張しているときは好物のチョコレートを食べるなどしてストレスとうまくつきあっているという。
「もともと気持ちの切り替えは上手な方だと思います。深く落ち込むことも、長く引きずることもありませんから。大体のことは、昔ながらの友人や仕事仲間など、安心できる相手と話したり、おいしいものを食べに出かけたり、思いっきり泣いたりすることで、だんだんと“なんとかなる”“次がんばればいい”という気持ちになって、前を向いて進めるようになります」