注目の「キックボクシング」がシニア世代にもおすすめの理由 基本の動きを65才女性が再現
「キックボクシング」は、全身をバランスよく鍛えられると、藤あや子や広瀬すず、ホラン千秋、菜々緒、秋本奈緒美ら多くの芸能人もハマっている。激しい運動のように思われるが、実は高齢者のリハビリとしても注目され、元キックボクサーで柔道整復師の生井宏樹さんのジムには、90代の女性も。ジムに通う生徒さんのひとり、65才の笹原敦子さんをモデルに、キックボクシングの基本を教えてもらった。
シニア世代こそ「キックボクシング」に挑戦を!
元キックボクサーで柔道整復師の生井宏樹さんの指導による、基本の動作をご紹介。基本の構えとジャブ&ストレートのパンチ2種、ひざ蹴りを組み合わせてリズミカルに打ち出せば、筋トレも有酸素運動もバランスよくできる。
自宅で行う場合は転ばないように注意することが大切。かっこよくパンチやキックをする自分を思い浮かべて、挑戦してほしい。
「キックボクシングがシニアでもできる理由は、レベルに応じて難易度や強度が調整できるからです。どの世代でもまず覚えるのは、基本の構えと、利き腕と反対側でパンチする“ジャブ”、利き腕でパンチをする“ストレート”、そして片足立ちする“ひざ蹴り”です。
これらの動きを自分の体力や筋力に合わせて組み合わせます。一つひとつの動作も、はじめはゆっくりでOK。足が上がればいい、腕が伸ばせればいい、というレベルから始めて、無理のない範囲で続けましょう」(生井さん)
実際にパンチを打ってみると腕の位置が予想以上に高く、最初はこの姿勢を維持するだけでも結構な運動量に感じる人もいる。その場合は、姿勢を維持することから始めよう。
また、ひざ蹴りで片足立ちになるのが不安な場合は、壁や手すりにつかまりながら練習してもいい。鏡で自分の姿勢を見ながら行えるとベストだが、あまり細かいことは気にしすぎずにパンチ&キックを楽しもう!
■基本の構え
利き腕と反対側の足を前に出し、両手をあごの高さに持ち上げる。姿勢を維持するだけでもトレーニングになる。
《正面》
・両腕が落ちないように注意 ・脇を締めてひじを体につける
・あごを引く
・拳と拳の間に顔を置く
・左足を前に出す(利き腕が右の場合)
《横》
・あごを引く
・右足を後ろに引く(利き腕が右の場合)
はじめは腕が落ちてもいいので、できるだけ長く顔の近くに拳がくるよう姿勢を維持しよう!
■左腕でパンチする「ジャブ」
ジャブとは利き腕と反対側の腕でパンチを打つこと(※ここでは利き腕を右とする・以下同)。基本の構えから、腕を前に伸ばすだけでOK。
《正面》
【1】基本の構えをとる
【2】左腕を前に伸ばす
《横》
【NG ×】
【OK 〇】
※できるだけ腕の位置が下がらないように気をつけよう!
■右腕でパンチする「ストレート」
ストレートは利き腕で打つパンチのこと。左腕が落ちないように注意しながら、右足のかかとを上げて腰をひねりながら打とう。
《正面》
【1】基本の構えをとる
【2】右腕を前に伸ばす
《横》
■太ももを上げる「ひざ蹴り」
骨盤を後傾させてお腹の高さまで太ももを上げる。腰を反らせながら、半歩前に踏み出してひざを上げるのがコツ。
《正面》
【1】基本の構えをとる
【2】半歩踏み込んでから利き足の太ももを上げる
《横》
※蹴り終わったら元の位置に戻り基本の構えに。
■実践編 「ワン・ツー」&「ひざ蹴り」のコンビネーション
基本の構えと3つの技、ジャブ、ストレート、ひざ蹴りをマスターしたら、それらを組み合わせたエクササイズに挑戦!
《「ワン・ツー」+「ひざ蹴り」》
ジャブとストレートを続けて行うことを「ワン・ツー」という。それと「ひざ蹴り」を組み合わせ、リズミカルに繰り返してみよう。筋トレだけでなく有酸素運動にもなる。
【1】基本の構えをとる
【2】左腕を伸ばして「ジャブ」
【3】基本の構えに戻る
【4】右腕を伸ばして「ストレート」
【5】基本の構えに戻る
【6】左足を半歩前に出し、太ももを上げて「ひざ蹴り」
【7】基本の構えに戻る
★もっとやりたいなら…
キックボクシングは基本「1ラウンド3分を3ラウンド」行う。ワン・ツーとひざ蹴りの連続した動きに慣れてきたら、上記の1セットを3分間×3セット繰り返してみよう。ラウンド間の休憩は1分。できるだけノンストップで集中してやり切ろう。
実演モデル/笹原敦子 指導・撮影スタジオ/PEACE PACE
取材・文/番匠郁 撮影/楠聖子
※女性セブン2022年11月3日号
https://josei7.com/
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