兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし【第162回 家族信託ってどうなの?】
63才の兄と2人暮らしをするライターのツガエマナミコさん。一緒に外出すると夫婦に間違われてしまうことがあって、とても不本意ですが、それよりも大変なことが満載な兄との生活にツガエさんの苦労は絶えません。なぜなら、兄は若年性認知症を患っているのです。ツガエさんが悩みや苦悩を赤裸々に明かす連載エッセイ、今回のテーマは「家族信託」です。

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「成年後見制度」か「家族信託か」
最近、「家族信託」という言葉を知りました。
認知症になって判断能力が極端に落ちると、個人の財産は凍結されて、家族でも勝手に動かせなくなることから、「成年後見制度を利用する」という選択肢があることはずいぶん前から見聞きしてまいりましたが、「家族信託」はまったくのお初ワード。
「成年後見制度」の場合は、選任されるのは第三者の法律家などで、個人の財産は後見人の管理下に置かれます。もちろん個人が亡くなるまで一定の料金を払い続ける有料制で、家族が必要と思っても後見人の許可なしにはビタ一文も動かせません。家族が後見人になるパターンもあるようですが、毎年お金の出入り報告書を役所に提出しなければならないなど、わたくしの理解が正しければ、なかなか面倒という認識でございます
「家族信託」はお金や不動産などの管理や処分の権限を家族に託す制度