実家の片付けはいつする?「親が元気なうち48%、亡くなってから31%」調査結果を考察
ものがあふれている実家を片付けたいと思っても、親が処分に抵抗しているうちはなかなか片付かない。どんなタイミングで始めるのがベストなのだろうか。アンケート調査の結果をもとに、どのように取り組んだら良いのかを専門家に伺った。
ますます深刻化する高齢化社会
少子高齢化が進む日本。内閣府が6月14日に公表した「令和4年版高齢社会白書」によると、65才以上人口は3621万人となり、総人口に占める割合(高齢化率)は28.9%に達し、1994年の14%から2倍となっている。
さらに、65才以上の人がいる世帯は2019年現在で全世帯の約半数を占めている。1980年には三世代同居の世帯が全体の半数を占めていたのに対し、2019年には夫婦のみ世帯は32.3%、ひとり暮らしは28.8%で、合わせて6割を超えている。もはや、高齢の親と働き盛り世代の子は、同居ではなく、離れて暮らすことの方が主流となっている。
実家の片付けはいつするか?調査結果
これから老いていく親が安全で健康に暮らせる家にするために、「実家の片付け」をしたいと思う子世代は多いが、なかなか進まないのが現状だ。買取専門店「ウリエル」が、生前整理・遺品整理など実家の片付けに関するアンケート調査を行ったところ、「実家の片付けはいつしますか?」という質問に対し、「親が元気なうち」と答えた子世代が48%、「亡くなってから」が31%だった。
■実家の片付けはいつしますか?
・親が元気なうち…48%
・亡くなってから…31%
・病気や介護が必要になってから…15%
・する予定がない…6%
※買取専門店「ウリエル」が、20~60代の男女300名に2022年6月3~13日に実施したインターネット調査による。
「遺品整理」にならないために
「私たちの親世代はものを捨てないことが美徳とされていましたから、とにかくため込んでいる人が多い。家の中にものがあふれている状態では、暮らしていくのに不便だし、災害リスクも高まります。早めに片付けるのに越したことはありません」と言うのは、同社代表の竹本泰志さんだ。
とはいえ、「いまはまだ、そんな時期ではない」と片付けを拒んだり、片付け始めても「これはまだ必要なもの」だと処分を決断できず、片付けが進まないことが多い。その結果、2位の「亡くなってから」片付ける「遺品整理」になってしまうのだ。
「生きているうちにやろうとしても、親が納得しない」(30代男性)や「本人はまだ元気だし、無理に整理すると死ぬのを待っていると思われそう」(40代女性)という意見もあった。
「終活」「断捨離」「生前整理」という言葉を目にする機会が増えたが、親にしてみれば、思い出がたくさん詰まった大切なものを1つ片付けるたびに、人生の幕を閉じる瞬間に少しずつ近づいていくような気がして、片付けたくないのかもしれない。子世代にしても、親が亡くなったときのことを考えたくないから、片付けを先延ばしにするケースも多いようだ。
3位は「病気や介護が必要になってから」。自宅で介護をするとなると、それに合わせたリフォームが必要になる。介護ヘルパーなど多くの人が出入りするようになり、物理的に片付けが必要になることもある。このほか、入院や介護施設への入所なども、片付けに着手するきっかけとなる。
とはいえ、子世代の一存で処分をしてしまうのはトラブルのもと。この場合も、できるだけ親の意向に沿った片付けをすることが必要になってくる。
取材・文/山下和恵
※女性セブン2022年8月11日
https://josei7.com/
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