論文も認めた西洋野菜“ビーツ”の効能 真っ赤なポタージュスープで「冷え」と「肩こり」をダブルで解消!
体を温めることで病気や不調を防ぐ「温活」が市民権を得て久しい。実際に、体温が0・5℃上がれば免疫力は2倍になるといわれており、温かい食べ物を積極的に摂っている人も多いだろう。だが、なかなか改善されない方は是非「ビーツのポタージュスープ」を取り入れてみて欲しい。日本ではあまりなじみがない野菜だが、このビーツがとてつもないパワーを持っているという。栄養士の河村さんにビーツについて詳しく教えてもらった。
論文も認めたビーツの底力
西洋野菜の中にも、漢方の世界に負けじと私たちの不調に寄り添ってくれるスーパーフードが存在する。
「海外の論文で紹介されているのを見て、“これだ!”と思いました」
そう振り返るのは、管理栄養士でフィットネストレーナーの河村玲子さんだ。鮮やかな赤色が特徴的なビーツは、ロシア料理のボルシチやイタリアンのサラダやパスタなどに使われることが多いが、日本ではあまり縁がない。
「栄養素が豊富で、ビーツそのものが持久力を向上させる効能を持つ珍しい食材です。食品に含まれる一部の成分が体にいいという論文はよく発表されていますが、食品そのものの効能を証明する論文はまずありません。それだけ、ビーツのパワーは桁外れなのです」(河村さん・以下同)
「肩こり」と「冷え」解消に最適なビーツ
河村さんが提案するのは攪拌(かくはん)することで体内に栄養素が吸収されやすくなる「ビーツのポタージュスープ」だ。このスープは、持久力の向上はもちろん、この時期多くの女性が悩む「肩こり」と「冷え」の解消にも効果が期待できるという。
「ビーツに含まれる『硝酸塩』という成分がカギとなります。硝酸塩は血管を拡張させ、血流を促す働きを持つ『一酸化窒素』の血中濃度を高めてくれます。この働きによって血行促進効果による冷えやむくみの解消、筋肉の疲労回復効果が期待できます」
寒い冬の朝、温めた「ビーツのポタージュ」を飲めば、その日一日しなやかで冷え知らずの体で元気に活動できるはずだ。
「ビーツが含む栄養素はそれだけではありません。カリウム、マグネシウムなどのミネラルや、パントテン酸などのビタミンB群、食物繊維もたっぷり含まれています。また、あの鮮やかな色を作り出す赤い色素である『ベタシアニン』と黄色い色素『ベタキサンチン』はどちらもポリフェノールの一種で、抗酸化作用で老化を防ぐ効果も高い。この色素は水に流れやすい性質があるので、スープで摂ることを推奨します」
「ビーツのポタージュスープ」の作り方
たんぱく質が足りないときは牛肉を入れてボルシチ風にするのもおすすめ!
作り方(2人分)
【1】皮をむいたビーツ1/2個と湯むきしたトマト1/2個(各約100g)は小さめの角切りにする。玉ねぎ1/4個とにんにく1片は皮をむき、みじん切りにする。
【2】熱したフライパンに、バター小さじ1/2と【1】のにんにくを入れ、弱火にして香りが立つまで炒める。
【3】【2】に、【1】の玉ねぎを入れ、塩・こしょう各少量をふってじっくり炒め、玉ねぎがあめ色になったら【1】のビーツを入れて炒め合わせる。
【4】【3】に、水11/2カップ、【1】のトマト、顆粒洋風スープの素小さじ1を入れ、煮立ったら弱火で5~10分ほど煮込む。
【5】【4】を煮立たせないようにしながら、牛乳1/2カップを少しずつ入れて火を止め、粗熱を取る。
【6】ミキサーに【5】を入れてなめらかになるまで攪拌する。器に半量ずつ盛り、あればイタリアンパセリを1枚ずつのせる。
教えてくれた人
河村玲子さん/管理栄養士・フィットネストレーナー
撮影/矢口和也 イラスト/勝山英幸
※女性セブン2022年2月10日号
https://josei7.com/
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