1分腎臓マッサージで健康&元気!血のめぐりをよくして免疫力UPも【鍼灸師監修】
コロナ禍で、外出自粛による運動不足やストレスで自律神経が乱れ、内臓の機能が落ちている人が増えている。筋肉を鍛えることはできても、内臓を鍛えることは難しい。だが、健康と美容のためには、体の内側から整えることが不可欠だ。だったら、皮膚の上から直接内臓を刺激すればいい。
腎臓は血のめぐりをよくする要
血のめぐりをよくする働きの要となるのは、血液をつくっているほか、古くなった血液をろ過して尿として排出している、背中側にある腎臓だ。
腎臓をケアするマッサージを考案した、鍼灸師の寺林陽介さんが言う。
「腎臓で分泌されるホルモンによって血液がつくられるほか、尿をつくる際に残った必要な栄養素などを貯蔵したり、骨の健康や免疫に欠かせないビタミンDをつくったりと、腎臓は全身の健康に深くかかわっています。腎機能が低下すると、血圧の調整や、血中の水分と塩分のバランスの調節がうまくいかなくなります。すると、貧血や冷え、むくみ、腰痛、高血圧といった血液にかかわる不調のほか、耳が遠くなったり白髪が増えたりと、老化が進むこともあります」
さらに、不純物をうまくろ過できなくなることで血液がドロドロになって血管や心臓に負担がかかる。すると、糖尿病や動脈硬化、心臓病、脳梗塞、痛風などを引き起こすおそれもある。腎臓病や慢性腎不全は、悪化すると人工透析が必要になる。腎臓の不調は自覚症状として表れにくいうえ、ストレスや飲酒などで知らず知らずの間に機能が低下しやすい。
1分腎臓マッサージの効果とやり方
回復させるには、お腹から背中にかけて点在する「腎」のツボを刺激するのが効果的だ。まず、両手を軽く握ってこぶしをつくり、おへその左右にある「肓兪(こうゆ)」のツボからスタート。
指の関節を使って、上下にもみほぐすように刺激しながら、腰、背中へと少しずつ動かしていく過程で、腎臓の不調を改善するさまざまなツボを一気に刺激できる。
「肓兪は、腎臓疾患だけでなく、便秘や下痢、食欲不振といった消化器系の不調や、糖尿病の予防などにも効果があるとされます。おへそから左右に親指2本分離れたところにあるツボは『天枢(てんすう)』といって、腎臓、膀胱といった泌尿器系のほか、消化器や生殖器系の働きを高めます。わき腹の真ん中あたりにある『帯脈(たいみゃく)』は、腰痛や冷えの改善効果あり。そして、背骨から親指3本分離れたところにある『志室(ししつ)』、親指1.5本分離れたところの『腎兪』は、腎臓の疲れに効果てきめん。疲れが抜けない人や、腎臓が弱っている人は、志室にあめ玉のようなしこりがあることが多いので、注意深く刺激してみてください。お腹側から順番に刺激していくことで、次第に体がポカポカと温まるのがわかるはずです」(寺林さん・以下同)
■血流アップで免疫も改善へ「腎臓ツボ押し」
【1】おへその「肓兪」「天枢」をマッサージ
両手を軽く握って第1関節をおへその両側に当て、深呼吸しながら上下にグリグリと刺激しつつ、少しずつわき腹の方へ手を動かしていく。
【2】「帯脈」を刺激して体をポカポカに
そのまま第2関節を使ってわき腹を上下にグリグリとマッサージしながら、背中の方へ手を移動させていく。
【3】腎臓を整える「志室」「腎兪」をグリグリ
第3関節を使って背中を左右にグリグリと刺激しながら、背骨まで手を移動させていく。大体1分くらいですべてのプロセスが終わるようにする。
寝る前1分で健康も美容にも◎!
お腹から背中までマッサージしても、全部で1分ほどしかかからないため、気づいたときにいつでもできるのがメリットだが、特におすすめなのが就寝前。
「寝る前に行うと体が温まって寝つきがよくなります。また、食前のお腹がすいているときはマッサージも行いやすく、食べたものを消化する際に腎臓がよりよく働くようになります。じんわりと痛気持ちいいくらいの力加減で行ってください。肋骨は折れやすいので、触らないように。“マッサージしても痛くもかゆくもない”というときは、力加減が弱すぎるので、少しずつ調節してみて」
実際に腎臓マッサージを試した人の中には、疲れにくくなった、冷え症が治ったという人はもちろん、長年悩んでいた生理痛がなくなったという人、白髪が減り、4日でウエストがマイナス2cmになったという人、血糖値や血圧が改善したという人まで。全身をめぐる血液から改善することで、健康も美容も一気に手に入るようだ。
教えてくれた人
寺林陽介さん/六本木・寺林治療院院長。著書に『疲れをとりたきゃ腎臓をもみなさい』(アスコム)など。
イラスト/飛鳥幸子
※女性セブン2022年3月17日号
https://josei7.com/
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