腸の名医がおすすめする「赤ワインスープ」の作り方と効果 朝飲むと腸内環境の改善も
「腸内環境が格段に改善する」と、腸活の名医がすすめる「赤ワインスープ」は、イタリア、ギリシャ、スペインなど地中海沿岸の料理である「地中海食」の食材に和をプラスしたもの。和と洋の相乗効果で、腸の活力を取り戻してくれるという。「赤ワインスープ」について詳しくを見て行こう。
ポリフェノールが腸を元気にする
“ボウルいっぱいのサラダよりもお椀一杯のスープ”を公言するのは、松生クリニック院長の松生さん。
そんな松生さんがが紹介するのは、腸内環境を改善する「赤ワインスープ」だ。玉ねぎやにんじん、かぼちゃなどの野菜を具材に和の食材である塩麹と地中海食材のオリーブオイルを取り入れた赤ワインスープを飲めば、腸内環境は格段に改善するという。
「野菜の食物繊維と発酵食の塩麹を摂ることで、腸内の環境を整えることができる。精製されていないエクストラバージンオリーブオイルには、腸を温める作用があるうえ、ポリフェノールが多く含まれているのもポイント。ポリフェノールには大腸がんや乳がん予防のほか、アンチエイジング効果も期待できます。赤ワインにもポリフェノールが含まれるので、相乗効果で腸の活力を取り戻してくれるでしょう」(松生さん)
脳卒中リスク30%低下「地中海食」
トマトや赤ワイン、オリーブオイルを多く摂取する「地中海食」は健康長寿との関連性が数多く研究されており、フランス・リヨンの約5年間の追跡調査によって心筋梗塞や脳卒中リスクが30%低下すること、アメリカの医療従事者約2万人を対象にした調査で糖尿病リスクが30%低下することなどあらゆる病気に対峙できる可能性が示唆されている。
有機野菜で作り朝飲むことがポイント
「赤いスープ」の効能を享受するために、注意すべき点もある。「本当は危ない国産食品」(新潮新書)などの著者があるジャーナリストの奥野さんがアドバイスする。
「なるべく無農薬の野菜を使うようにしてください。スープにすれば野菜から溶け出した栄養を余すところなく摂ることができる半面、具材に悪いものが入っていれば、それらもすべて摂取してしまうことになります。味付けは化学調味料の使用は避けて、塩こしょうのみがおすすめ。そもそも無農薬野菜には素材そのものの味があるので、充分おいしく食べられると思います。調味料を入れる際は、添加物の少ないものを選ぶといいでしょう」
使用する油も酸化した古いものはやめて、エクストラバージンオリーブオイルを使うようにしたい。質のいい具材と油を使って出来上がったスープであれば、飲むタイミングは、基本的にいつでもOKだ。ただし多くの専門家は「朝がいい」と声をそろえる。
東海大学健康学部准教授である森真理さんも、
「朝、何もお腹に入れていない状態で野菜スープを飲むことで、血糖値の上昇が緩やかになります」
朝飲むことを勧めている。同じ体の中に入れるなら、より栄養が摂れる食べ方をしたいものだ。
「赤ワインスープ」の効果
心筋発作リスク40%ダウン↓
地中海心臓センターの発表によれば唐辛子の定期的な摂取により、心筋発作のリスクが40%下がるなどあらゆる病気リスクが低下することが明らかになっている。
「赤ワインスープ」の作り方
赤ワインのポリフェノールとオリーブオイルの保温効果で腸の活力がアップ。
【作り方】(2人分)
【1】玉ねぎ1/4個(50g)は皮をむき、トマト1/2個(100g)、りんご1/4個(60g)、にんじん2cm分(30g)はすべて1cm角に切る。かぼちゃ60gは1.5cm角に切る。
【2】鍋にオリーブオイル小さじ2を熱し、【1】の玉ねぎとにんじんを炒め、玉ねぎがしんなりしてきたら、コンソメスープ1 1/4カップ、赤ワイン1/4カップ、【1】のトマトを入れる。
【3】【2】が煮立ったら、【1】のかぼちゃとりんごを入れて弱火にし、塩をひとつまみ入れ、ふたをして5分ほど煮る。かぼちゃが軟らかくなったら火を止め、塩麹大さじ1を入れ、白こしょう適量をふる。
教えてくれた人
松生恒夫さん/松生クリニック・院長、奥野修司さん/ジャーナリスト、森真理さん/東海大学健康学部・准教授
撮影/矢口和也
※女性セブン2021年9月30・10月7日
https://josei7.com/
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