プロが選ぶ最高の”お米”20選 1位さがびより 2位きぬひかり 3位ひゃくまん穀
温暖化による暑さにも負けない品種や良食味の品種など、近年、全国各地で新ブランド米が続々と登場。そこで、米のエキスパートが定番から話題の新種まで21を試食して総合的にランキング。熾烈な戦いの結果は…? 新米選びの参考にすれば、あなた好みの一品に必ず出会えます!
ジャッジしたのは米のプロ4人
■五ツ星お米マイスター・東京米スター 小池理雄さん
小池精米店三代目店主。「産地直米」をモットーに、自ら全国の農家を回って惚れこんだお米を直接仕入れる。
■管理栄養士 柏原ゆきよさん
健康的な生活にお米は必須と提言。自らも夫と2人で月15kgの米を消費。著書に『お腹から食べるやせ方』(三笠書房)。
■フードライター 白央篤司さん
郷土料理を研究する一方で、食生活の改善スキル「自炊力」を提唱。著書に『にっぽんのおにぎり』(理論社)ほか。
■作家・料理家 樋口直哉さん
食を支える食材や職人にも目を向けながら日本の食文化のよさを発信。著書に『おいしいものには理由がある』(KADOKAWA)ほか。
史上最強の米ランキング!
進化が止まらない日本の国民食「ご飯」。 厳選した21種のつや、香り、旨みを徹底比較。新ブランドか伝統の味か―― プロが選んだ「史上最高の米」ランキング開幕!
<審査方法>
全国から味・産地ともに偏りがなく、かつ話題性があり、店舗でよく見かける20種の銘柄米をセレクト。それぞれ300gを同条件で炊飯、「香り」「見た目」「旨み」「ねばり」「バランス」を銘柄は見ないで5段階で評価し、1人持ち点25点、合計100点満点で採点。感覚的に「ふつう」と感じたものは3、それを基準に1~5を付けた。ただし「ねばり」についてはねばりが強いほど高評価とした。
※撮影は9月中旬に行ったため、使用した米はすべて令和2年産。価格は表記のないものはすべて5kg袋あたり(編集部調べ)。パッケージは変更になる可能性があります。
※評価コメントは、(小)=小池さん、(白)=白央さん、(樋)=樋口さん、(柏)=柏原さんです。
【1位】佐賀県 さがびより
●米のプロ評価:79点 (小)23点、(白)23点、(樋)19点、(柏)17点
「西の横綱」と呼ばれてきた米、「ヒノヒカリ」を超えるべく、佐賀県が県オリジナルの新品種の育成に努力を重ねて生まれた「さがびより」。
選者の白央さんは、「懐かしい味わいで、これぞ日本の米という感じ!」と大絶賛。ほかにも「粒感があってあとから旨みがくる。好きなタイプ」(柏原さん)、「弾力があってぷりんとした食感。口の中でトロリととろける」(小池さん)、「香りがいい」(樋口さん)と揃って高評価となった。
【2位】京都府 きぬひかり
●米のプロ評価:78点 (小)23点、(白)19点、(樋)18点、(柏)18点
1位とわずか1点差と善戦。
「粒立ちがよく軽妙な食感。品のよい甘みで全体に満足度が高い」(白)。「甘めが好きな人向け」(樋)、(柏)。23点と高得点を付けた小池さんは「しっとりとした旨みが続く」と評価。「近年特に丹波(京都中部)エリアのきぬひかりがいいと評判でしたが、本当でしたね」とも。入手しやすいのも◎。
【3位】石川県 ひゃくまん穀
●米のプロ評価:77点 (小)21点、(白)18点、(樋)19点、(柏)19点
2017年にデビューしたオリジナル米はふっくら大粒が特徴。
「シンプルに塩と米だけでじっくり食べたいおいしさ。米好きに愛されそう」(白)、「粘りがありつつ、歯切れもいい」(小)、「バランスのとれたおいしいお米」(樋)、「柔らかめで甘い」(柏)。
【4】福岡県 元気つくし
●米のプロ評価:76点 (小)21点、(白)18点、(樋)18点、(柏)19点
夏に強い品種として開発された福岡オリジナル。
「ねばりが豊かで照りがよく、甘みが長く口の中に残る。余韻のあるお米」(白)、「しっとり柔らかい」(小)、「コクのある味だが洋食にも向くと思う」(樋)。入手しやすい価格もうれしい。
【5位】山形県 つや姫
●米のプロ評価:75点 (小)20点、(白)17点、(樋)20点、(柏)18点
古くはササニシキをはじめとする米どころ山形で誕生。
「粒感があって好きですね」(柏)、「粒に迫力がある」(小)と、粒の存在感に定評あり。「透明感のある美しいルックス。食べやすく多くの人に好まれそう」(白)。「ねばり過ぎず張りがある」(樋)。
【同5位】熊本県 森のくまさん
●米のプロ評価:75点 (小)19点、(白)21点、(樋)18点、(柏)17点
熊本県が初めて単独で育成したブランド米。
「食感がほかより頭ひとつ抜きん出た“ザ・実力派”。すぐ買いたい」と白央さんは大絶賛。「ほかにはないフワフワ感」(柏)、「旨みが広がるスピード感がすごい」(小)、「こってり系。しっかりとした味」(樋)。
【7位】新潟県 魚沼産コシヒカリ
●米のプロ評価:74点
魚沼産コシヒカリは種類が多いが今回は塩沢地区から。
「豊満な食感と甘みの広がり方が見事で、噛むと弾むよう。おかずなしでいける!」(白)、「柔らかくてふんわりして、とても甘い」(柏)、「噛むほどに甘みが広がる」(樋)、「粒に迫力がある。でんぷんの甘みがよくわかる」(小)、と4人揃って甘みに高評価。
【同7位】高知県 にこまる
●米のプロ評価:74点
四国山地の清流で育った 大きめ粒ぞろいのお米 四国・九州の温暖化対策から生まれた高温障害に強い品種。
「爽快な香りとスッキリとした味わいにほれぼれ」(白)、「見た目以上に粒に力強さがある。中身の旨みが口に広がる」(小)、「誰にでも好まれる優等生的な味。見た目もきれい」(樋)。
【9位】福井県 いちほまれ
●米のプロ評価:73点
「食べた瞬間のパンチがあって個人的に好み。人によっては柔らかめかもしれないが、ねばりと口どけのよさがクセになりそう」(白)、「粒が十分ふっくら。あとから旨みが口に広がる」(小)、「ふっくら柔らか」(樋)(柏)
【10位】愛知県 あいちのかおり
●米のプロ評価:72点
【11位】宮城県 だて正夢
●米のプロ評価:71点
「粒立ちがよく、張りと照りが美しい。スッキリしてほどよい旨み。ぜひ買いたい」と惚れ込んだのは白央さん。「弾力がありつつ、あっさり系。甘みがある」(樋)。「舌にのせた瞬間から旨みがわかる」(小)。
【同11位】福島県 福、笑い
●米のプロ評価:71点
「プリプリ&ハツラツとした食感と味が魅力的。味わいの消え方もきれいで、おかずが進みそう」(白)。「ねばりが強くもっちり感がある」(小)。「ふっくら柔らか」(樋)。「柔らかめ。誰からも好まれるニュートラルなおいしさ」(柏)。
【13位】三重県 結びの神
●米のプロ評価:70点
「やさしい甘みがあってお弁当にもよさそう。平均的なおいしさ」(白)、「バランスのとれたおいしさ」(樋)と平均的な感想の一方、小池さんは「粒にボリュームがあり、でんぷんの旨みが引き出されている」と高評価。
【同13位】広島県 恋の予感
●米のプロ評価:70点
「香りからも甘みを感じる。後味が爽やか」(小)、「ねばりがあるのでおにぎりにも向くのでは」(柏)、「甘みの余韻が続く」(樋)。ただ白央さんはネーミングに反し「あまり印象に残らない」。
【15位】茨城県 ふくまる
●米のプロ評価:69点
「見た目に大粒。ほどよい甘みでバランスのいい味。誰からも好かれ、いろんな料理とも合いそう」(白)、「香りは甘いが味は薄め」(樋)の一方、「味はしっかりめ」(柏)と二分。「粒の弾力はあるがねばりがない」(小)とも。
【同15位】鳥取県 星空舞
●米のプロ評価:69点
「香りは強いが味は軽め。ねばりはほどほどでお弁当向きかも」(樋)、「柔らかく食べやすい。パンチはないがなぜか気になる味。疲れているときに恋しくなる味かな」(白)。一方「旨みがガツンと伝わる」(小)の声も。
【17位】栃木県 とちぎの星
●米のプロ評価:68点
「パンチは弱いが、食欲をそそる香りで噛むほどに甘みが出る優等生」(白)、「しっかりとした噛み応えが好きな人向け」(柏)、「粒の主張があって旨みが立ち上がる」(小)。
【同17位】新潟県 新之助
●米のプロ評価:68点
ポストコシヒカリとして話題。
「もっちり感が楽しめる」(小)「おかずいらずの旨み。塩むすびで食べたい」(白)と高評価の一方、「香りがお酒っぽい? 粒立ちもいまひとつ」(樋)。
【19位】岩手県 銀河のしずく
●米のプロ評価:67点
岩手の新種は白さと透明感が自慢。「意外とあっさり感あり」(樋)、「粒感があって好き」(柏)、「穏やかでやさしい旨み。ねばりもしっかり」(白)。「粒に弾力あり。味が爽やか」(小)。
【同19位】兵庫県 コウノトリ育むお米
●米のプロ評価:67点
自然の保全活動を行いつつ育てられた。
「上品な甘みと適度なねばり気、つや、もっちり感がいい」(白)、「粒に力があり、甘みが爽やか」(小)、「柔らかめ」(柏)、(樋)。
【同19位】長野県 風さやか
●米のプロ評価:67点
「スッキリした味わいながら食感はもっちり。こってりしたおかずに合いそう」(白)、「柔らかくて旨みがのどに滞る感じ」(小)、「噛むとふくよかな風味が残って余韻が長い」(柏)。
撮影/玉井幹郎
※女性セブン2021年10月21日
https://josei7.com/
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