いつものしょうゆ味が変化!おしゃれな一皿に 洋食、エスニック料理にも使うコツ
家庭にある調味料を組み合わせるだけで、いつものしょうゆ味が大変身。多彩なしょうゆ使いが得意な料理家・小堀紀代美さんが、アイディア満載の組み合わせを教えてくれました。『しょうゆ×いつもの調味料』で意外なおいしさを新発見できますよ!
※材料は特記以外、すべて2人分です。
しょうゆの味わいが他の調味料の旨味を引き出す
「しょうゆは最高の旨味」と、小堀紀代美さん。小堀さんは和食に限らず、洋食やエスニック料理にもしょうゆを使い、味の幅の広がりを楽しんでいるという。
「しょうゆは、バルサミコ酢やクミンなど、意外な調味料とも相性抜群。ふくよかな味わいがあるので、他の調味料ともうまくなじんで、新たな旨味を引き出してくれます。たとえばカレーに加えると、短時間でグッと深みが増しますよ。香りが飛びやすいので、加熱するときは仕上げに加えるのもポイントです」(小堀紀代美さん・以下同)
【薄口しょうゆ×バルサミコ酢】ポークソテーのバルサミコソース
バルサミコ酢でさらにコクアップ!はちみつの甘みが隠し味。
<材料>
豚ロース肉(ポークソテー用)…2枚
塩…小さじ1/4
砂糖・レモン汁(あれば)・バター…各少量
オリーブオイル…小さじ2
紫キャベツ…1/6個(150g)
粗びき黒こしょう…適量
<A>
バルサミコ酢…大さじ2
はちみつ…大さじ1
濃口しょうゆ…大さじ1/2
<B>
オリーブオイル…大さじ11/2
はちみつ・レモン汁・オレンジ果汁(あれば)…各大さじ1
粒マスタード…大さじ1/2
オレガノ(乾燥/あれば)・塩…各少量
<作り方>
【1】豚肉は両面各5~6か所ずつ筋を切る。塩と砂糖を両面に振り、レモン汁、オリーブオイルをかけて2~3回返し、全体になじませる。
【2】フライパンにバターを入れて強火で熱し、【1】を入れて焼く。焼き色がついたら裏返し、さらに1~2分焼く。火を止めて2~3分置いて取り出す。
【3】【2】のフライパンに<A>を入れ、弱めの中火で軽くとろみがつくまで煮る。
【4】紫キャベツはひと口大にちぎり、塩小さじ1/4(分量外)を振って軽くもみ、5分置く。ペーパーで水気を拭き、<B>で和える。
【5】器に【2】を盛り、【3】をかけ、粗びき黒こしょうを振る。【4】を添える。
<アレンジ>フルーツにかけてもおいしい!
果物にしょうゆ×オイルもおすすめと小堀さん。パイナップルにしょうゆ、オリーブオイルをかけ、唐辛子を少量振るだけで、おしゃれな前菜に。「キウイ、いちじく、梨も◎。柿はしょうゆとごま油をかけると最高なんです」。
【濃口しょうゆ×クミンシード】クミンのきんぴら
いつものきんぴらがピリ辛エスニックに。
<材料>(作りやすい分量)
ごぼう…1/2本
にんじん…小1本
ごま油…大さじ1 1/2
赤唐辛子…1本
クミンシード・濃口しょうゆ・みりん…各大さじ1
塩…ひとつまみ
きび砂糖…小さじ1 1/2
<作り方>
【1】ごぼうは包丁の背で皮を削ぐ。ごぼうとにんじんはやや太めの千切りにし、水にさらしてざるにあげる。
【2】鍋にごま油、種を除いた赤唐辛子、クミンシードを入れ、弱めの中火にかける。泡が立ってきたら、ごぼうとにんじんを加えてさっと炒める。塩を振り、中火で炒める。
【3】全体に油が回ったら、砂糖を加えて1~2分炒め、しょうゆ、みりんを加えて炒める。
【濃口しょうゆ×カレー粉】えびとトマトのスパイシーサラダ
中華麺やパスタと和えてもGood!
<材料>
トマト…1~2個
きゅうり…1本
えび…15尾
ミント・粗びき黒こしょう…各適量
<A>
ごま油…大さじ1 1/2
濃口しょうゆ・カレー粉…各小さじ2
砂糖…小さじ1
酢…小さじ1/2
塩…ひとつまみ
<作り方>
【1】トマトはくし形切りに、きゅうりは3~4か所縞目にむき、縦半分に切ってからひと口大の乱切りにする。
【2】えびはあればレモンの皮少量(分量外)を加えた湯でゆで、水気を切る。
【3】ボウルに<A>を入れて混ぜ、【1】、【2】を加えて和える。仕上げにミントを加え、粗びき黒こしょうを振る。
【薄口しょうゆ×レモン】かぼちゃのレモン煮
レモンの酸味でかぼちゃの甘みがさわやかに。
<材料>
かぼちゃ…1/5個(300g)
<A>
水…1カップ
グラニュー糖…大さじ3
薄口しょうゆ…小さじ2
レモン(輪切り)…3枚
<作り方>
【1】かぼちゃは種とわたを取り除き、皮を所々削いで、ひと口大に切る。
【2】鍋に重ならないよう【1】を入れ、<A>を加えて強めの中火で煮る。沸騰したら落としぶたをして弱めの中火で8~10分煮る。
【3】かぼちゃに火が通ったら鍋を回して煮汁を全体に絡め、火を止めてそのまま冷ます。
【薄口しょうゆ×辛子】れんこんの辛子しょうゆ煮
辛子が粋なアクセント。白菜で作ってもおいしい!
<材料>
れんこん…250g
すだちの皮(すりおろし)…適量
<A>
だし…1カップ
薄口しょうゆ…大さじ1
米酢…大さじ1/2
練り辛子…小さじ1
<作り方>
【1】れんこんは3~4mm幅の輪切りにする。酢少量(分量外)を加えた湯で2~3分ゆで、さっと洗い水気を切る。
【2】鍋にAと【1】を加え、弱火で10分ほど煮る。
【3】器に盛り、すだちの皮を散らす。
【薄口しょうゆ×わさび】ささ身とブロッコリーのわさびドレッシング
ピリッと辛いドレッシングがたっぷり染みた大人のサラダ。
<材料>
鶏ささ身…1本
ブロッコリー…1個
<A>
米酢・ごま油・わさび(すりおろし)…各大さじ1
薄口しょうゆ・きび砂糖…各小さじ1
<作り方>
【1】ささ身は筋を取ってゆで、火を止めて鍋の中で冷まし、食べやすく手で裂く。
【2】ブロッコリーは小房に分けてゆで、ざるにあげ、ペーパーで水気を拭き取る。
【3】ボウルに<A>を入れてよく混ぜ、【1】、【2】を加えて和える。
濃口と薄口の使い分けで、定番のひじき煮もまったく違う味に!
いつもの定番料理も、しょうゆの種類を使い分ければ味わいに変化がでます。気分に合わせて作って、食べ比べてみて。
【濃口しょうゆ】ひじきと豚肉の炒め煮
パパッと炒めて完成。ご飯のお供に!
<材料>(つくりやすい分量)
ひじき(乾燥)…20g
豚バラ薄切り肉…100g
パプリカ(赤・黄)… 各1/4個
ごま油…大さじ1
塩…ひとつまみ
粗びき黒こしょう…少量
<A>
濃口しょうゆ・酒…各大さじ2
砂糖…大さじ1
<作り方>
【1】ひじきはたっぷりの水で戻し、水を2~3回変えながら洗い、湯をかけて水気を切る。【2】豚肉は2cm幅に切る。パプリカは種を除き、縦4等分に切ってから斜め薄切りにする。【3】フライパンにごま油を熱し、強めの中火で豚肉を炒める。豚肉の色が変わったら、塩、粗びき黒こしょうを振り、【1】を加えて炒める。
【4】パプリカと<A>を加え、汁気がほぼなくなるまで炒める。
【薄口しょうゆ】ひじきの五目煮
旨味たっぷりの煮汁まで味わって。
<材料>(作りやすい分量)
ひじき(乾燥)…15g
鶏もも肉…100g
しいたけ…2枚
にんじん…1/3本
こんにゃく・大豆(水煮)…各50g
だし…3カップ
薄口しょうゆ…大さじ1 1/2
みりん…小さじ1~1 1/2
<作り方>
【1】ひじきはたっぷりの水で戻し、水を2~3回変えながら洗い、水気を切る。
【2】鶏肉は小さく切る。しいたけとにんじんは1cmの角切りに、こんにゃくは小さくちぎる。
【3】【1】、【2】、大豆を湯通ししてから鍋に入れ、だしを加えて火にかける。沸騰したらアクを取り、少しずらしてふたをして、弱火で40分ほど煮る。途中アクが出れば取る。
【4】薄口しょうゆ、みりんを加え、煮汁がひたひたになるまで30分ほど煮る。
小堀さんの愛用しょうゆ
<濃口>丸中醤油 丸中醸造醤油
「我が家のメインはこのしょうゆ。コク、風味、旨味が強く、味が濃厚でもう手放せません」(小堀さん)
720ml 1555円/丸中醤油 電話:0749-37-2719 http://www.s-marunaka.com/
<薄口>ミツル醤油醸造元 生成り うすくち 2019
「キレがあるすっきりした味わいで、素材やだしの味をしっかり引き立ててくれます」(小堀さん)
300ml 972円/ミツル醤油醸造元 電話:092-325-0026 http://www.mitsuru-shoyu.com/
教えてくれた人
料理家 小堀紀代美さん
料理教室『LIKE LIKE KITCHEN 』 主宰。抜群のセンスと探究心でレシピを追究する。著書に『ライクライクキッチンの毎日和食』(エイ出版社)など。
撮影/竹内章雄
※女性セブン2021年9月9日号
https://josei7.com/
●作っておけば味つけの失敗なし!和・洋・中「合わせ調味料」基本の作り方