奇跡の”こうじ水”で頑固な便秘、肥満解消も…芸能人も飲んでいる噂の飲み物の作り方
350万人―これはコロナ前と比べて増加した便秘症状に悩む人の数(※1)。同調査によれば、原因は巣ごもり生活の長期化による生活習慣の変化にあるとされており、3人に1人の割合で便秘に悩んでいるという。
そんな新たな“国民病”をコップ一杯で解消する方法がある。それは『こうじ水』だ。乾燥こうじを水に漬けて一晩置くだけのお手軽さで、続けやすいのも魅力的。多く含まれるオリゴ糖が腸内の善玉菌を増やして不調を改善し、便秘改善に導いてくれるという。さらに、老眼回復・血圧降下・糖尿病予防・肥満解消など様々な効果があるという。万能な『こうじ水』を飲んで、不調を吹き飛ばしましょう!
(※1)2020年7月に穀物を取り扱う専門商社『はくばく』が行った調査から試算。
『こうじ水』で20年来の便秘が改善した芸能人も
「2~3日に1回しか排便が来ず、便秘に悩んでいた娘が、これを飲むだけで1日2回排便があるようになりました」
こう話すのは、麹マイスターで管理栄養士の野崎ゆみこさん。これとは、野崎さんが推奨する「こうじ水」だ。
乾燥こうじを水に漬けて一晩置くだけで完成する「こうじ水」は、芸能界にもモデルの高垣麗子(41才)をはじめとして愛飲者が多く、タレントの麻木久仁子(58才)もその1人。
麻木はかつて健康雑誌のインタビューで20年来の便秘に悩んでいたことを明かし、こうじ水を2週間飲み続けたら、定期的にお通じが来るようになったと語っている。
なぜ、こうじ水が便秘を改善するのか。発酵食品に詳しい星子クリニック院長で医師の星子尚美さんはその理由をこうじに含まれる酵素にあると分析する。
「こうじには、炭水化物をブドウ糖に分解するアミラーゼやたんぱく質をアミノ酸に分解するプロテアーゼなど、30種類以上の酵素が含まれています。これらの酵素には腸内の善玉菌のエサとなる『オリゴ糖』を増やす働きがある。善玉菌が増えることで腸内環境が改善し、便秘が解消するのです」(星子さん)
酵素に加え、野崎さんが注目するのは、こうじが含有する乳酸菌の数だ。
「こうじのほかにもヨーグルトやキムチなど“腸にいい”とされる食品に共通するのは、悪玉菌の繁殖を抑える乳酸菌が含まれている発酵食品であること。しかしその数には差があり、ダントツに多いのがこうじで、その数は1gにつき1.7億個といわれています。また、ヨーグルトが含有する動物由来の乳酸菌に比べ、こうじに含まれる植物由来のものは塩分や酸が強い過酷な環境でも育つ特徴があり、胃酸にも強く、生きて腸に届きやすいのです」(野崎さん)
腸内環境が整うことで、便秘解消以外にもさまざまな健康効果がもたらされる。その1つが新型コロナ対策にも有効な、免疫力を増強させる作用だ。
「病気を未然に防ぐ免疫細胞の7割は腸内に存在するといわれており、腸内の環境が良好であればこれらの細胞の働きも活発になり、ウイルスをはじめとする有害物質の侵入を防いでくれる。免疫細胞の過剰反応が原因である花粉症やアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎も、腸内環境が改善されることで症状が軽減します」(星子さん)
老眼鏡の度数が1段階よくなった
こうじ水が改善するのは腸内環境だけではない。星子さんが熱い視線を送るのは、そのアンチエイジング効果だ。
「酵素や乳酸菌とともに注目すべきは、こうじがふんだんに含むビタミンB群とポリフェノールの持つ抗老化作用です。肌のターンオーバーを促すビタミンB2に、老化の原因となる活性酸素を撃退する抗酸化作用を持つポリフェノールが加わることで、コラーゲンの生成を邪魔されずに肌のハリを保つことができます」(星子さん)
こうじ水を“飲める美容液”と称する野崎さんはコスメとして使用することも推奨する。
「こうじが含有するたんぱく質分解酵素は肌表面の不要な角質を分解してくれる。化粧水として使ったり、シートパックにしみ込ませて肌にのせたりするなど、コスメとして使うのも効果的です」(野崎さん)
若返るのは肌だけではない。
「患者さんのなかには、老眼鏡の度数が1段階よくなった人も。これもポリフェノールの高い抗酸化力と目の筋肉の疲れを和らげる働きのあるビタミンB1の相乗効果だと推測できます」(星子さん)
こうじは天然の降圧剤である
57%。これは2020年6月に行われた調査で「コロナ前より体重が増えた」と回答した人の割合だ(※2)。「コロナ太り」も便秘と並ぶ深刻な国民病となっている。星子さんは「肥満に悩む人もぜひこうじ水を摂ってほしい」と話す。
「ビタミンB群には糖質や脂質の代謝を促す作用もあるため、ダイエットにはもってこいです。消化酵素のアミラーゼにも糖質を分解して血糖値の上昇を抑える働きがあり、糖尿病の予防にも役立ちます」(星子さん)
血糖値の上昇が抑えられるだけでなく、血圧にも効果を発揮する。
「こうじが分解されるときに生成されるペプチドは、血圧を下げる効果が高く、“天然の降圧剤”とも呼ばれるほど。同じように血圧を下げる作用があるビタミンB6とマグネシウムも含まれているので、相乗効果も見込める。マグネシウムには、骨を構成する成分であるカルシウムの働きを支える作用もあり、骨粗しょう症の予防も期待できます」(星子さん)
星子さんのもとにはこうじ水を1か月飲み続けた結果、体重が2kg減り、血圧も20mmHg下がったという実践者の声も届いている。
(※2)健康促進の取り組みを支援する『リンクアンドコミュニケーション』の調査による。
まずは1日500ml! スパイスで味変も
一杯の水で美容も健康も手に入るのだから、やらない手はない。効果絶大のこうじ水だが、作り方は簡単だ。
「ミネラルウオーター500mlにお茶パックに詰めた乾燥こうじを100g入れ、一晩置いておくだけ。ただし、必ず冷蔵庫で保管し、雑菌が増えないように3日以内に飲み切るようにしてください。飲むタイミングは、体内に吸収されやすい空腹時がおすすめです。3度に分けるなどして、1日500mlを目指して飲みましょう」(星子さん)
記者も早速試したところ、すっきりとした甘さにほんのりとお米の風味が香り、1日目はあっという間に500mlを飲み干すことができた。翌日、心なしか化粧のりのよさを感じながら起き抜けの胃に1杯入れると、5日間ご無沙汰だったお通じが。
「長く飲み続けて味に飽きてしまったら、シナモンやカルダモンなどを入れて、アレンジするのもおすすめです。甘味やさわやかさがプラスされて飲みやすくなり、スパイスの効能との、相乗効果も期待できます」(野崎さん)
料理に活用する方法もある。
「私は昆布やかつおぶしをだしパックに入れてこうじ水に漬け、一晩置いた“だしこうじ”を作り、みそ汁に加えて使っています。残ったこうじは肉や魚に塗ったり、納豆などに入れると、こうじ菌がたんぱく質を分解して、旨みを加えてくれる。腐りにくく、減塩にもなりますよ」(野崎さん)
こうじもみそも高温に弱いため、煮立たせないように注意すること。コップ1杯で起こせる奇跡を、ぜひ体感してほしい。いまからはじめれば夏には便秘知らずのスリムボディーになれるかも!?
いますぐ実践! こうじ水の作り方
【1】乾燥こうじ100g、お茶パック、ミネラルウオーター500ml、ポットを用意する。
【2】乾燥こうじをお茶パックに入れる。入りきらない場合は2パックに分けてもいい。
【3】ポットにこうじが入ったお茶パックを入れ、その上から静かに水を注ぐ。冷蔵庫で一晩置いたら出来上がり。
教えてくれた人
野崎ゆみこさん/麹マイスターで管理栄養士、星子尚美さん/星子クリニック院長で医師。
撮影/矢口和也
※女性セブン2021年3月25日号
https://josei7.com/