「敬老の日」祖父母に送る手紙例文 喜ばれるフレーズや書いてはいけないNGワード【マナー講師監修】
「敬老の日」に会えない祖父母に手紙を送りたいけれど、何を書いていいかわからない…。そこでおじいちゃんおばあちゃんに喜ばれるフレーズや書き方、NGワードについて、マナー講師に教えてもらった。
「敬老の日」コロナ禍で会えない祖父母に手紙を送ろう
9月20日は敬老の日。しかし、今年も新型コロナウィルスの影響で、遠方に暮らす祖父母に会いに行くは難しい状況。祖父母は可愛い孫の顔を見ることができなくて寂しい思いをしているかも…。会えないときだからこそ、お子さんに祖父母への手紙を書くことを提案してみてはどうだろうか。
孫から手紙が届いたら、おじいちゃんおばあちゃんもきっと喜んでくれるはず。メールやLINEが当たり前の今、子供たちに手紙を書く楽しさを知ってもらう機会にもなる。
おじいちゃんおばあちゃんが喜ぶ手紙 書き方の注意ポイント
子供が楽しんで書くことができて、祖父母がめいっぱい喜んでくれる手紙の内容を、マナー講師の井垣利英(いがきとしえ)さんに教えてもらった。
1.親が添削しすぎない
子供が手紙を書くときに大切なのは、「マナーにこだわりすぎないこと」と、井垣さん。
「1番大切なのは、手紙を書きたいという思いです。好きな紙に好きな筆記用具、好きなシールやスタンプなどを使って自由に書いてもらうことで、その年代にしかない楽しいお手紙が生まれます。
親が隣につきっきりで添削したとしたら、自由な発想や個性が生かせません。もらった側も親が書かせた文章はすぐに伝わって、楽しみも減ってしまいます」
2.鉛筆で書いても愛らしい
大人だったら鉛筆で手紙を書くのはマナー違反。でも、子供の手紙なら鉛筆で書いて何度も消しゴムで消したあとがあるのさえも可愛らしく思えるもの。
3.レターセットを子供と一緒に選ぶ
文房具屋さんでたくさんの種類のレターセットに囲まれて、あれこれ考えながら選ぶ時間は大人でもワクワクするもの。子供ならなおさらだ。一緒に文房具屋さんに出かけて、子供にお気に入りのレターセットを見つけてもらえば、手紙を書きたいというモチベーションが上がる。大切なのは、明るい印象の色や模様のものを選ぶこと。
「パステルカラー、赤やオレンジなどの暖色系は明るい印象を与えます。美しい花や風景など、爽やかな柄が書かれたものもいいでしょう。子供自身が好きなジャンプやサンリオなどの好きなキャラクターのものなら子供の心も踊ります」
4.選んではいけない手紙やモチーフ
絶対に選んではいけないのは暗い印象を与えるもの。死をイメージさせるようなドクロマークのようなイラストの入ったものは避けたほうがいい。
5.「敬老の日」に到着するよう投函を
絶対に守って欲しいのは、到着の日だという。
「せっかく感謝の気持ちがこもった愛情いっぱいの手紙を書いても、敬老の日を過ぎて届いてしまったら台無しです。到着日程を計算してポストに投函するか、郵便局で日付指定して出しましょう」
祖父母が喜ぶ手紙の例文・1行フレーズ
「手紙は相手に喜んでもらうために書くもので、言葉は相手のために送るギフトです。大切なのは、『ありがとう』を伝えること。相手の心が温かくなるような、明るく楽しい、前向きな言葉で埋め尽くしましょう。暗い、ネガティブな言葉は書いてはいけません」
読んでいて楽しくなるのは、子供の様子をイメージしやすいような内容だという。子供ならではの行事の報告やお稽古の成長、将来の夢や、おじいちゃんとおばあちゃんとこれからしたいことを書くのもいい。
・喜ばれる1行フレーズ・例文
「運動会でリレーのアンカーになって1位になりました」
「ピアノで『エリーゼのために』がひけるようになりました。今度聴いてほしいです」
「おじいちゃんと釣りがしたいです」
「おばあちゃんが作ったちらし寿司が食べたいです」
「おばあちゃんみたいな看護師になりたいです」
など、具体的なシーンやキーワードを織り交ぜると好感が。
・祖父母が喜ぶ鉄板フレーズ
必ず喜んでもらえる鉄板のワードはおばあちゃんなら「可愛い」。おじいちゃんなら「カッコいい」「若い」だという。
「可愛いという言葉は、年齢関係なく女性に喜ばれる言葉です。私のスクールに来る女性にも『可愛いおばあちゃんになりたい』という人がたくさんいらっしゃいます。
男性は、若い、カッコいいの言葉をもらうと照れ笑いして、とても嬉しそうな表情を浮かべますよ」
敬老の日の手紙で書いてはいけないNGワードは?
手紙を開くたびに嫌な思い出が浮かんでしまうような出来事は書く必要はない。
「今ならば新型コロナウィルスについて触れてしまいそうですが、今後、手紙を開くたびにコロナ禍の辛い状況を思い出してしまいます。大切な手紙に、誰でも知っている嫌なニュースや情報をわざわざ書く必要はありません。
特に、お子さんが書く手紙の中で、病気や災害などに触れる必要はないと思います」
また、何気なく使ってしまいそうな「生きている間に~」「元気なうちに~」という言葉も禁句。死のイメージに結びついてしまう可能性があるとのこと。
祖父母への手紙NGフレーズ
「新型コロナ(病気など)に負けないで!」
「(災害など)は大丈夫ですか?」
「生きている間に~○○したいね!」
「元気なうちに○○するね!」
祖父母に送る手紙で大切な「結びの言葉」
「人は最後に言われた言葉が一番印象に残ります。定型文でいいと考えている人もいるかもしれませんが、それはもったいないしつまらないですよね。ありがとうでいっぱい、愛情いっぱい、相手の心が明るくなって、笑顔になるような言葉を選びましょう」
小さくてまだ文章が書けない子供だったら、イラストと「ありがとう」という一言だけでも気持ちは十分に伝わる。
喜ばれる結びの言葉例文
「また会える日を楽しみにしているよ」
「体を大切にしてね」
「おばあちゃんの笑顔が大好きだよ」
「おじいちゃんと早く会って話したいな」
「敬老の日」祖父母が喜ぶ手紙例文
井垣さんに教えてもらった内容をもとに、「敬老の日」におじいちゃんおばあちゃんに送る手紙例文を紹介する。感謝いっぱい、ポジティブで愛が詰まった手紙の参考に!
祖父母に送る手紙文例・小学生編
大好きなおじいちゃん、おばあちゃんへ
「敬老の日、おめでとう。運動会の100メートル走で1番になって金メダルをもらいました。がんばって練習したのでうれしかったです。
次に遊びに行ったときには、メダルをもっていくね。おじいちゃんと走る競争をしたいです。
おばあちゃんのご飯はなんでもおいしいよ。いつも優しくしてくれてありがとう。
ず~~~~っと元気でいてね。
祖父母に送る手紙文例・中高生編
おじいちゃん、おばあちゃんへ
この前は電話でふたりの声を聞くことができてうれしかったです。
最近、私は将来の夢を考えるようになりました。
看護士、学校の先生、お菓子が好きだからお菓子屋さんに就職するのもいいかも。毎日オシャレがしたいからファッションデザイナーも良いなあって思っています。今度、相談に乗ってください。
いつも楽しいことを考えて笑顔いっぱいに過ごしてくださいね。
祖母へ送る手紙例文・小中学生編
いつも可愛いおばあちゃんへ
こんにちは。この前、ピアノの先生から「上手になったね」と褒められました。
私がピアノを好きだから、練習も毎日楽しくやっています。
おばあちゃんは歌が上手なので、次に会ったときは私がピアノをひくから、おばあちゃんはそれにあわせて歌ってね。
おいしいものをいっぱい食べて元気でいてね。会える日を楽しみに待っています。
祖父へ送る手紙文例・小中学生編
カッコいいおじいちゃんへ
僕は最近、一気に身長が伸びました。今は後ろから2番目です。一番後ろをめざしています。
大人になったら、おじいちゃんみたいに背が高くてカッコよくなりますように。
おじいちゃんは僕のあこがれです。若々しい僕の自慢のおじいちゃんだよ、大好き!
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書いた人の個性が見える文字の形、直筆の温かみ、紙が持つ独特の質感や厚みなど、魅力がいっぱい詰まった手紙。もらった人はもちろん、書く人にとってもLINEやメールでは味わえないハッピーな気持ちになれるはず。「敬老の日」に手紙を送ってみませんか?
教えてくれた人
井垣利英(いがきとしえ)さん
マナー講師、人材教育家。シェリロゼ代表取締役(http://www.c-roses.co.jp/)。2002年にシェリロゼを起業。個人向けの自分磨きスクール、全国の企業で社員研修や講演会を開催。『しぐさのマナーとコツ』(Gakken)は売上13万部超のベストセラーに。近著に『「育ちのいい人」が使っている 添えるだけの1行文』(PHP)など。
取材・文/氏家裕子
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