気持ちが伝わる“絵手紙”の描き方|下描きなし!100均道具で気軽に。売れっ子画家が伝授
コロナ禍で会えない家族や友人に絵手紙を送りませんか? 「絵が苦手!」という人でも安心の、簡単なのに上手に見えるお手軽テクニックをご紹介します。売れっ子画家が教える、簡単プロ級テクニックは必見。道具は100均で買えるものばかりなので、すぐ始められますよ!
下描きしなくてもプロっぽく描ける
描く絵すべてが即完売という人気画家・中島健太さんが、アートな絵手紙の描き方を教えてくれました。100均画材で描くので、気軽にできてうれしい。
「クレヨンを使えば、ざっと塗って輪郭を描くだけでOK。面で描けるので、下描きなしで簡単です」(中島健太さん)
【準備するもの】ぜ~んぶ100均で揃う!
●はがき
紙面がつるっとした、質感のないはがき(右)、またはボコボコした質感のある画仙紙はがき(左)を使用。好みのニュアンスで選んで。
●カラーペン
主に、メッセージやサインなど、文字を書く用。
●クレヨン
太めは塗りつぶし用、細めは輪郭を描くのに便利。
●綿棒
ぼかすときに便利。なければ指でこすっても。
●修正ペン
ハイライトを入れるのに、細字タイプが役立つ。
基本の描き方
【1】塗る
下描きは不要。まず、おおよその形を塗る。はみ出しや細かい形は、気にしない。
【2】輪郭を引く
色が塗ってあるので、白紙に輪郭を描くよりも描きやすい。輪郭線で形が整う
【3】影をつける
物体の下や側面に短い線を引くようにして描く。これで立体感が出る。
【4】背景を塗る
ざっくりと塗りつぶす。背景を塗ると、描いた対象がクローズアップされる。
【5】サインを入れる
画面右下に描く。画面がグッと締まり、さらにプロっぽい感じに。
完成!
プロが描くとこうなる!売れっ子画家中島健太が教えるアートな絵手紙
果物やペットなど身近な題材でも、ポイントを押さえれば、こんなに印象的な絵手紙に!
初心者におすすめ!『静物』を描く
油絵でよく描かれる果物とワインボトルを描いてみましょう。
「ワインボトルは実物がなくても、写真を見ながらでOK。小さくならないよう、大きく描くことが大事」(中島さん・以下同)
「ポイントは影と構図です」。
【プロのワザ】影は黒色で描かない!
影をつけるとプロっぽい仕上がりになるが、「黒色で描くと、色が混ざって濁り、重い印象に。青色や緑色を使うと失敗しません」。
【プロのワザ】修正ペンでハイライトを入れる
光の描写を加えると絵が一気にグレードアップ。「丸みのある場所に点を描くだけで、絵に生き生きとした表情が出てきます」。
光が当たっている部分に、明るい色を重ね塗りしても同様の効果が出る。
【プロのワザ】水色の線でガラスの透明感を描く
ワインボトルやグラスの輪郭は水色で引く。「内側を塗ると隠れますが、色の間からちらっと見えるところに、透明感が生まれます」。
【プロのワザ】三角構図でかっこよく仕上げる
「背の高いものを中央にすると、三角の構図になり、自然と絵が決まります。とりわけ、ワインボトルを描くと絵画っぽい仕上がりに」
季節を感じる『風景』を描く
クレヨンの先で点々を描くように塗る方法で、柔らかな春の風景に挑戦!
印象派絵画のような絵手紙に「クレヨンと印象派の絵はとっても相性がいいんです」と、中島さん。点々塗りと綿棒ぼかしで、月や春の光を表現して、ワンランク上の出来栄えに!
【プロのワザ】カンタン“点々塗り”で印象派風に
「クレヨンの先を紙に叩きつけるようにして点々と塗ると、桜の花や木々の葉など、細かい部分の表現がうまくいきます」。印象派絵画のようなタッチに!
【プロのワザ】綿棒でぼかしてニュアンスを出す
「指でこすってもいいですが、綿棒のほうが繊細に仕上がります」。月や雲の輪郭、木や草の茂りなどをぼかすと、ニュアンスが際立つ。
【プロのワザ】紙の濃色を活かして雰囲気を出す
「黒や紺色の画用紙に、白や黄色などの淡い色で描くだけで、雰囲気のある作品になります」。色画用紙をはがき大に切って、挑戦を。
【プロのワザ】光は暖色、影は寒色で描く
印象派風の絵に近づけるための応用テクニック。
「日が当たっているところには暖色を、影になっている部分には寒色を使います」。
教えてくれた人
画家 中島健太さん
繊細で洗練された技術と人間味あふれる作風で唯一無二と評される注目の画家。テレビ朝日『徹子の部屋』にも出演。2021年9月から日本橋髙島屋を皮切りに、京都、横浜、大阪で個展を予定。
撮影/村尾香織
※女性セブン2021年4月8日号
https://josei7.com/
●初心者でもOK!絵手紙の書き方|道具や文例、モチーフを達人が指南