体を温め血流をよくする食材&レシピ クーラーで冷えた体を中からポカポカに!
体を冷やしてくれる夏野菜が欠かせなかったのは、クーラーが一般的でない時代の話。冷えた部屋で冷たいものを食べる快適な生活が、真冬以上に体を冷やし、不調の原因になっている。いまは暑い時期でも、体を温めて血流をよくしてくれる食材を摂るのが、健康のためには正解だ。そこで、管理栄養士の清水加奈子さんに冷えない体を作るための食材と、レシピを教わった。
冷えない体を作る食材とは?
●体を温める
・スパイスや香味野菜などを利用すると手軽
唐辛子のカプサイシン、しょうがやにんにくなど香味野菜の成分が体を温めるのは有名。
「エネルギーとして体を温める油の中でも、亜麻仁油、えごま油などのオメガ3系はおすすめ。熱を生むL-カルニチンを豊富に含む羊肉や、血管を拡張させる酒粕は、栄養も満点で夏バテ防止にも」。(清水さん・以下同)
血液促進には
魚の血液サラサラ効果は冷えにもおすすめ
「夏の果物は体を冷やすものが多い中、アボカドはビタミンEが血流を促進させ、脂質も多いため体温維持にも効果大。DHA、EPAの不飽和脂肪酸で血液をサラサラにする青魚や、鉄分の多い赤身の魚も○。カカオはポリフェノールたっぷりなので、おやつにはチョコレートを摂りましょう」
体を冷やさないための注意点
【NG】夏野菜は体を冷やす
「トマト、なす、きゅうり、冬瓜(とうがん)、ゴーヤー、すいかなど水分が多い夏の野菜や果物には利尿作用があり、体の熱を取ります。むくみの解消にはいいのですが、食べすぎると冷えの原因に。加熱して水分を抜く、温め食材と組み合わせるなどの工夫を」
【NG】生野菜&生ものは冷えの大敵
「冷えを気にするなら、基本的に生食はNG! 加熱が基本です。野菜を手軽に摂るなら、夏でもサラダより鍋がいいですよ。また、しょうがは生だと血流を促進する『ジンゲロール』、加熱すると体温を持続させる『ショウガオール』という成分が多くなるスグレモノです」
それでも食べたいときは…
体を冷やす食材は午後に食べる
「調理の工夫に加え、食べるタイミングも大切。体温が低めの午前中にたんぱく質や油などをしっかり摂って体温を上げ、体を冷やす食材は午後に食べるという方法も」
体を冷やさないコーン茶を新定番に
「冷たい飲み物はもちろん、コーヒーや緑茶も体を冷やします。とうもろこしのひげでできたコーン茶は水分を体外に排出しつつ体を冷やさないので、冷えによるむくみ対策に最適な飲み物です」
組み合わせて最強の温めレシピ4選
冷えに克つ食材を組み合わせれば、最強の温めレシピに! 上記でお伝えした要注意食材も、組み合わせ次第で冷えを気にせず楽しめる。
【1】きゅうりとまぐろのキムチあえ
刺身や生野菜をカプサイシンで強力カバー!
【作り方】(2~3人分)
きゅうり1本はたたいて一口大に切り、まぐろの刺身(赤身)100gは角切りにする。キムチ100g、しょうゆ・ごま油各小さじ1、ごま少量とあえる。
【温】+【流】
「キムチの唐辛子が体をしっかり温めるので、お刺身や夏野菜を生で食べたいときはキムチあえに。まぐろの赤身に含まれる鉄分には、血流改善効果もあります」
【2】オイルナッツ納豆
ナッツの食感と風味がアクセントに!
【作り方】(1人分)
納豆1パックに、亜麻仁油(またはえごま油)大さじ1、玉ねぎのみじん切り・好みのナッツ・しょうゆ各適量、添付の納豆のタレを加えて混ぜる。
【温】+【流】
「納豆のたんぱく質と油が体を温めます。オメガ3系のオイルは熱に弱いので、あえ物と好相性。ナッツのビタミンEには、血流を促す効果が」
【3】ラムチョップのスパイス焼き
ラムとカレー粉の完璧タッグ!
【作り方】(2人分)
ラムチョップ4本に塩・ピンクペッパー各適量、シナモンパウダー小さじ1、カレー粉小さじ2をすりこみ10分ほど置く。温めたフライパンにオリーブオイル大さじ1を引き、薄切りにしたにんにく1片を熱し、肉の両面を焼く。器に盛り、ベビーリーフ適量を添える。
【温】+【温】
「熱を生むラム肉と、体の冷えを取り除く唐辛子、ターメリックなどがミックスされたカレー粉の組み合わせは、最強の温めレシピ」
【3】甘酒ココア
しょうが以上にポカポカ長持ち
【作り方】(1人分)
カップにココア(無糖)大さじ1を入れ、同量の熱湯を少しずつ加えて溶かす。甘酒(酒粕が原料のもの)1カップを加えて電子レンジで加熱(600Wで1分30秒)し、よく混ぜる。
【温】+【流】
「ココアには、しょうがの『ショウガオール』を上回る体温持続効果が。甘酒のもとである酒粕は、血管を拡張させ血行を促進するので、朝食にもおすすめです」
【4】アボカドスムージー
濃厚なおいしさ! 美肌にも◎
【作り方】(1人分)
アボカド1/2個は一口大に切り、牛乳1/2カップとミキサーにかける。グラスに注ぎ、チョコレートシロップを好みの量かける。
【流】+【流】
「アボカドに含まれる豊富なビタミンEが血流促進。脂質も多いので体温維持にも効果大。チョコレートのカカオには鉄分が豊富なので、貧血タイプの冷え症に特に有効」
教えてくれた人
清水加奈子さん/管理栄養士
国際中医薬膳師などの資格をもち、さまざまな媒体で美容と健康に関する企画の監修、レシピ提案などを行う。著書に『太らない食べ方 新装版』(エイ出版社)など。
撮影/玉井幹郎
※女性セブン2021年9月2日
https://josei7.com/
●体を温める野菜と冷やす野菜の種類、夏野菜の調理法「たまねぎはスープが◎」【医師監修】