食

2021.06.13 11:00

“ミシュラン三ツ星”料亭『菊乃井』秘伝の「梅酒」「青梅ワイン煮」の作り方、アレンジレシピ

　今年も店頭に梅が並ぶ季節になりました。疲労回復や食欲増進効果で知られ、夏の食卓に欠かせない梅。おうち時間が増えた今年こそ、梅仕事デビューしてみませんか？

　京都の“ミシュラン三ツ星”老舗料亭『菊乃井』の3代目・村田吉弘さんと、4代目・村田知晴さんが、青梅の味を存分に引き出す、「梅酒」と「青梅のワイン煮」の作り方を教えてくれました。それぞれを活用するレシピも伝授。おうちで手作りすると特別感が増しますよ！

※分量は特記のあるもの以外2人分です。
※電子レンジは600Wを使用しています。

【目次】

手間をかけて作る梅煮は初夏だけの特別な味

　菊乃井の梅仕事は毎年、梅酒と青梅ワイン煮から始まる。

『菊乃井』の3代目・村田吉弘さんと4代目・村田知晴さん — 『菊乃井』の3代目・村田吉弘さん（左）と、4代目・村田知晴さん（右）。「丁寧に下ごしらえすることがおいしさの秘訣です」と、4代目の村田知晴さん

「シンプルな材料と分量で漬ける梅酒は、初心者にもおすすめです。先付けとして出すワイン煮は、ふっくらしわなく仕上がるよう表面全体に針で穴をあけたり、酸味を程よく抜くために2～3回水を替えて茹でたりと手間はかかりますが、初夏限定の特別な味わいです」（4代目・村田知晴さん）

梅酒

　青梅の酸味が時間とともに熟成する。

＜材料＞（作りやすい分量）
青梅・氷砂糖…各500g
ホワイトリカー…900ml

＜作り方＞
【1】青梅は竹串などでへたを取る。

【2】ボウルなどに入れて軽く洗い、1つずつ水気をしっかり拭き取る。

【3】熱湯消毒をした保存瓶に青梅と氷砂糖を交互に入れ、一番上は氷砂糖にする。

【4】ホワイトリカーを注ぐ。

【5】蓋をして冷暗所で保存。数か月すると梅が沈んで熟成が進み、1年ほどでおいしく飲める。

【梅酒を使ったアレンジドリンク】『梅酒モヒート』『梅酒ビール』

●梅酒モヒート

　爽やかなミントが香る梅酒のモヒート。梅酒をソーダで割り、たっぷりのミントとすだちを加えて和風モヒートに。梅とミントの清涼感が、夏にぴったり。

●梅酒ビール

　グラスに1/3程度梅酒を注ぎ、冷えたビールで割る。ビールの苦味がマイルドになり、すっきり飲みやすくなる。梅酒のフルーティーさとビールの苦味がマッチ。

青梅ワイン煮

　とろけるように柔らかく甘酸っぱい青梅は初夏のごちそう。

＜材料＞（作りやすい分量）
青梅…15個
塩…120g
水…5カップ
＜A＞
白ワイン・水…各2 1/4カップ
砂糖…250g

青梅ワイン煮のゼリー — 菊乃井では6月限定の先付けとして、煮汁を使ったゼリーとともに登場

＜作り方＞
【1】青梅は竹串などでへたを取り、針で表面全体にまんべんなく穴をあける。
※菊乃井では、割り箸に針を刺した手作りの道具を使って穴をあけている。

【2】ボウルに塩と水を入れて塩水を作り、梅を一晩漬ける。

【3】鍋に水（分量外）と【2】の梅を入れ、弱火で1時間程度茹でたら水にさらす。これを水を替えながら2～3回繰り返す。程よく酸味が抜けたらざるにあげて5分ほど蒸した後、冷まして水分を飛ばす。

【4】鍋に＜A＞を入れて火にかけ、【3】の梅を加える。落とし蓋をして20～30分弱火で煮る。

【5】火を止めてそのまま冷ます。

【青梅ワインを使ったアレンジ料理】蒸し鶏の青梅ソース

　青梅ワインは、料理に使っても深みのある味わいがある。つけ合わせは、梅干しを加えて一体感のある一皿に。

●蒸し鶏の青梅ソース

　ソースの酸味が淡白な鶏肉に合う。

＜材料＞
鶏胸肉…1枚　
＜A＞
酒…大さじ4　
しょうゆ（あれば淡口）・砂糖・鶏がらスープの素…各小さじ2
＜B＞
青梅ワイン煮（ペースト状にしたもの）・柑橘果汁・しょうゆ（あれば淡口）…各大さじ2　

青梅ワイン煮（種をとり5mm角に切ったもの）…大さじ2
ピンクペッパー…適量

＜作り方＞
【1】鶏胸肉は皮を取り、両面をフォークで刺す。保存袋に混ぜ合わせた＜A＞と共に入れて空気を抜き、冷蔵庫で一晩なじませる。
【2】鍋に水2L（分量外）を沸かし、【1】を袋ごと入れ落とし蓋をして火を止める。冷めるまでそのままおく。
【3】ボウルに＜B＞を入れて混ぜ、5mm角の青梅ワイン煮を加えて混ぜる。
【4】【2】の鶏肉を1㎝厚さに切って器に盛り、【3】をかけてピンクペッパーを振る。

●しば和え

＜作り方＞
【1】きゅうり1本は縦半分に切って種を取り、2mm厚さの斜め切りにする。なす1本は縦半分に切り、3mm厚さに切る。大葉10枚は刻む。みょうが3個は縦半分にし、1㎝幅に切る。梅干し30gは種を取り、粗めに刻む。新しょうが5gは千切りにする。
【2】【1】をすべてビニール袋に入れ、しんなりするまで揉んだら袋の端を切って汁気を出す。蒸し鶏に添えて、白ごま適量を振る。