肩・首こり、腰痛、手のしびれ…“枕”が原因で起こる症状チェックリスト
成人の5人に1人が不眠に悩まされている“不眠大国ニッポン”(※厚生労働省「国民健康・栄養調査」2017年より)。たとえ眠れても、朝起きたら首や腰が痛かったり、めまいやいびきに悩まされている、なんてことはありませんか? こういった悩みはすべて、枕で解決するかもしれません。
枕が原因で起こる不調を医師が解説
整形外科医の山田朱織さんは、長年の臨床経験から、不眠をはじめ肩こりや腰痛、頭痛といったさまざまな不定愁訴の原因に、枕が関係しているとし、患者の体に合った枕をオーダーメードでつくり、治療にあててきた。その結果、
「『四十肩』と診断されたが、枕を替えた途端、肩が楽に上がるようになった」(48才・主婦)
「50代に入ってから肩こりがひどくなり、更年期障害のせいかと思い、婦人科を受診。漢方薬を処方してもらったものの治る気配はなし。しかし、枕を替えたら、肩こりはもちろん、めまいや頭痛、関節の痛みまで改善された」(55才・パート)
「頭痛がひどくて脳外科を受診するも異常なし。痛み止めを常用して、なんとかこらえてきたが、枕を替えたところ改善した」(42才・会社員)
など、長年患ってきた痛みから解放された患者が続出したという。
「不眠をはじめ、肩こりや頭痛、倦怠感などの不定愁訴の原因として、ストレスや疲労、更年期障害などがよく取り上げられます。
もちろん、これらも原因の1つではありますが、疲労を回復したり、更年期症状を薬で抑えてもなお、症状が治まらないようなら、枕が原因かもしれません。
体に合わない枕で寝ることで、睡眠時の姿勢が悪くなり、体に負担をかけるのです。肩がこって頭痛になるなどは、その代表例です。不自然な姿勢を長時間とれば体はリラックスできませんから、不眠になるのも当然です」(山田さん・以下同)
その悩み、枕が原因かも?症状をチェック
1つでも当てはまったら、いま使っている枕の見直しを。
□ 肩こり
□ 頭痛
□ 首こり
□ 腰痛
□ 手のしびれ・こわばりがある
□ 肩が痛くて目が覚める
□ 朝から顔面がしびれる
□ 耳が痛い
□ あごに違和感がある
□ めまいがする
□ 熟睡できていないように感じる
□ 夜中や早朝に目が覚める
□ トイレに数回起きる
□ 朝から体がだるい
□ やる気が起きない
□ いびきをかく
□ 無呼吸を指摘される
□ うつぶせ寝・半うつぶせ寝をしている
□ 手を枕の下に敷いて寝ている
□ 寝返りしにくい
□ 寝相がとても悪い
首を休ませることが大切
そもそも、頭を起こして直立二足歩行をしている状態は、頭部の全重量が首にかかるため、無理のある姿勢なのだ。人間は、日中ただ起きているだけで、体に負担がかかっているといえる。それを癒すため、夜には横になって首を重さから解放し、休ませることが大切なのだ。
しかし、この横になった状態での姿勢が悪ければ意味がない。不眠や不定愁訴に悩む多くの現代人は、体に合わない枕を使うことで、不適切な睡眠姿勢となり、日中だけでなく、本来休息しなければならない夜間までも、首に負担をかけ続けているのだという。
首にとってみれば、24時間365日、休みなく負担を強いられることになるわけだ。その結果、さまざまな不調が表れるのは当然のことと言えよう。
教えてくれた人
16号整形外科院長・山田朱織さん/日本初の“枕外来”を開設。医院に併設する「山田朱織枕研究所」ではオーダーメードの整形外科枕を計測販売している(注文はこちらhttps://makura.co.jp/)。主な著書に『枕を変えると健康になる 「手づくり枕」で頭痛・肩こり・不眠は治る』(あさ出版)など多数。
取材・文/土田由佳
※女性セブン2021年6月10日号