猫が母になつきません 第239話「ループする」
さびはごはんを食べているところを私が見ていないと気に入らないというちょっと面倒くさい猫です。食べている途中に母に呼ばれてそばを離れたりすると、部屋の入り口に仁王立ちで待っていて「にゃー#」と怒られる。机の下はさびにとって安心な食事場所のはずですが、警戒心が強いので「ちゃんと見張っていてよっ」ということなのかもしれません。最近は食べている途中に椅子の横に来て「背中をなでて」とアピールし、なでてやって満足するとまたごはん、またなでる、また食べる、をくるくるとループするのがお気に入りで、私はちょっと忙しい。チョコレートとおかきを交互に食べて「甘い」「からい」のループを楽しむ、みたいな感じなのか。背中をなでてやると尻尾がぴょこんぴょこんとバネみたいに動きます。いつもと同じ場所、同じごはん、当然ながら同じ飼い主、それでもちょっとした変化を自分でつけて楽しんで、満足そうにしている猫をみていると、見習ってほしいなぁ…いや、見習わなきゃなぁと思ったりするのです(汗)。
【関連の回】
第70話_さびのごはん
第162話_こまかい
第203話_さをつける
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母とくらすため地元に帰る。典型的な介護離職。モノが堆積していた家を片付けたら居心地がよくなったせいかノラが縁の下で子どもを産んで置いていってしまい、猫二匹(わび♀、さび♀)も家族に。