休肝日には意味がない!?肝臓の健康法の正解とは?|ウコンやウルソは?【医師監修】
飲酒量が増えがちな年末年始、肝臓のために「休肝日」は必要なのだろうか?二日酔いなどを防ぐために「ウコンのサプリ」はどうなの?気になる肝臓の健康法について専門医に教えてもらった。
過度の飲酒と喫煙は肝臓の健康に悪影響
肝臓の健康のために絶対に避けるべきといわれるのが、過度の飲酒と喫煙だ。たばこに含まれるニコチンは、血液を介して肝臓に流れ込む。
「ニコチンは肝臓で解毒されますが、大きな負担となります。
また、飲酒に関しては、『休肝日を設ければ飲んでも大丈夫』と考える人がいますが、肝臓に限らず、断食などで内臓を休めることが健康にいいというデータはありません。
その証拠に、海外には『休肝日』の概念はない。むしろ、休肝日があるからといって、それ以外の日に飲みすぎる方が危険です。
毎日ビールを1~2杯飲む程度なら肝臓に障りません」(新潟大学名誉教授・岡田正彦さん)
→沈黙の臓器「肝臓」を知る!飲酒しない女性がかかる肝臓の病気は?恐怖…肝硬変の実例も
ウコンはサプリよりカレーのスパイスとして摂る
二日酔いの薬として有名な成分といえばウコンだろう。錠剤やドリンクなどさまざまなタイプが売られているが、サプリで摂取することには批判的な意見が多い。秋津医院院長で総合内科医の秋津壽男さんが言う。
「ウコンに含まれるクルクミンには肝臓の代謝を助ける効果があります。しかし、サプリで摂取すると成分が強すぎるため、肝硬変などの健康被害を起こすという報告もあります。二日酔いを予防する目的で摂取することは危険です。
健康のためにウコンを摂るのであれば、カレーのスパイスに使うなど食事で摂ることが理想的です」
→人気料理家の「わが家の定番カレー」7レシピ|枝元なほみさん、藤井恵さん…プロのお家カレー
肝臓に唯一効果があるという「ウルソ」は?
唯一、肝臓に効果があるとされているのが熊の胆汁にヒントを得て化学合成された「ウルソ」という成分だ。
市販薬にもウルソが含まれているものがあるが、あくまで肝臓に疾患のある人がのむものであり、脂肪肝にも効果はないとされる。肝臓の能力や大きさは体格によって決まっているため、鍛えることはほぼ不可能に近いと肝臓専門医の浅部伸一さんは言う。
「ただし、栄養を摂りすぎている人は、それを控えれば肝臓の負担を減らせます。肥満の人が脂質や糖質を減らすことには効果があるといえるでしょう。賛否両論ありますが、糖質制限も脂肪肝の改善という意味では効果が期待できます」
「肝活」は、何かを「足す」のではなく「引く」考え方で、肝臓への負担を減らすことが最善といえる。
肝臓の健康法まとめ
●過度の飲酒と喫煙が肝臓に悪影響
●休肝日は意味がない。他の日に飲み過ぎてしまう恐れも
●毎日1~2杯程度のビールを飲むのは問題ない
●ウコンはサプリで摂ると成分が強すぎる
●ウコンはサプリよりカレーのスパイスとに使う
●ウルソは肝臓に疾患がある人がのむもの
●脂質や糖質を減らすことで肝臓の負担も減らす
→肝臓ケアに海外でブームの「肝臓デトックス」は危険!では、サプリやヨーグルトはOK?医師が回答
教えてくれた人
新潟大学名誉教授・岡田正彦さん、秋津医院院長で総合内科医の秋津壽男さん、肝臓専門医の浅部伸一さん
※女性セブン2021年1月1日号
https://josei7.com/
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