肝臓ケアに海外でブームの「肝臓デトックス」は危険!では、サプリやヨーグルトはOK?医師が回答
肝臓は人間の臓器のなかでも大事な役割を担っている。生命維持に必要な酵素や栄養素を作ったり、体内に取り込まれた異物や毒物を分解して排出したりするなど、欠くことのできない役目をしている。そんな肝臓をケアすることが、海外で流行中だという。では、実際にどのようにすればいいのだろうか。サプリメントやヨーグルトが肝臓にいいと思ったら…。意外と間違いやすい肝臓のための健康法や効果を専門家に聞いた。
【目次】
「肝活」が人気のアメリカでデトックスがブーム
「肝活」がポピュラーなアメリカでは、「肝臓のデトックス」がブームだという。米ボストン在住の内科医・大西睦子さんが解説する。
「数日間、固形物は食べずにジュースなどの液体のみで過ごしたり、アルコールや不健康な食べ物を制限した食事をする、ハーブやサプリメントを摂取するといったデトックスがはやっています。
ただし、多くの専門家たちはこうした方法が毒素を取り除くために役立つという証拠はなく、かえって肝臓に害を及ぼす可能性があると警告しています」
→沈黙の臓器「肝臓」を知る!飲酒しない女性がかかる肝臓の病気は?恐怖…肝硬変の実例も
サプリメントに関しては否定する声が多い。新潟大学名誉教授の岡田正彦さんも「逆効果」だと指摘する。
「薬やサプリの物質を分解するのは肝臓です。どんなサプリでも摂りすぎは肝臓に悪影響を与え、肝臓が悪くなる人の20%はサプリが原因という調査データもある。『疲れやすい』という外来の患者さんを検査すると、肝臓の数値が高く、原因が輸入の漢方やサプリののみすぎだったケースは珍しくありません。市販の痛み止めを頻繁に服用していたために、肝臓が悪くなっている人もいます」
中高年で脂肪肝の人はサプリが負担に…
時代や環境の変化によって、サプリを摂る必要性が変化したケースもある。肝臓専門医の浅部伸一さんが話す。
「少し前は、極端なダイエットをしてアミノ酸や鉄分不足の若い女性が多かったので、サプリで補う意味がありました。しかし栄養が足りている人がサプリを摂ることは肝臓の負担になるだけです。肝臓にいいとされるウコンにも、鉄分が多く含まれていることが多いのです。中高年の脂肪肝の人は鉄分の数値が高いことが多いので、体にいいと思ってのんでいても鉄分過剰になって、肝臓の負担となっていることがあります」
ヨーグルトは脂質過多で肝臓に悪影響も
食事が悪影響を与えている可能性もある。健康にいいと積極的に食べていたものが、肝障害を引き起こす。
「コレステロール値が高い脂肪肝の患者さんが、よかれと思って毎食ヨーグルトを食べていました。
しかし、ヨーグルトに含まれる脂質によって脂質過多になり、肝臓に悪影響となった。このように習慣が逆効果になることは少なくない。自己判断せず医師に相談してほしいと思います」(消化器内科医師・中川頒子(しょうこ)さん)
教えてくれた人
肝臓専門医の浅部伸一さん、新潟大学名誉教授の岡田正彦さん、消化器内科医師の中川頒子さん
※女性セブン2021年1月1日号
https://josei7.com/
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