医師に嫌われる患者の特徴6選|診察時に嫌われる服は?メイクは?
日本は国民皆保険制度によって、すべての医療費は基本的には誰であろうと一律になっている。しかし、その中身は医師と患者、人間同士のコミュニケーションによるところが大きい。いかに好かれるかがクオリティーを大きく左右するのだ。そこで、医師・医療関係者からこっそり「嫌われる患者の特徴」を聞いてみた。
医者に嫌われるると手厚い医療が受けられない!?
世界中で巻き起こったコロナ禍において医療関係者の献身ぶりが改めてクローズアップされた。私たちがステイホームしている間も、自ら感染リスクにさらされながら、そして寝食も不充分なままに、懸命に患者と向き合っている姿には頭が下がるばかりだ。思い起こすと、日本はコロナ禍以前から手厚い医療体制に守られている。大きな病気やけがを負った場合、それが深夜や早朝であっても救急医療が受けられるし、収入や資産によって差別されることもない。
こうした体制の中心にいるのはもちろん医師だ。熾烈な受験戦争を経て大学医学部で6年間学んだ後、難関の医師国家試験を突破した精鋭たち。しかしながら、医師もやはり人間。疲労を感じれば、腹も立てる。都内のある内科医が明かす。
「正直、患者によっては『必要最低限のことだけさせていただいて、あとは距離を置きたい』と感じてしまうこともある。反対に、『あらゆる手を尽くして助けたい』と思う人もいます」
仕事であっても、対応に大きな差が出てくるのは当然のことだろう。医師は献身的に治療に当たろうとしているのに、ちょっとした言動で、手厚い医療を受けるチャンスを患者自らが逸してしまっているかもしれないのだ。どうせ治療を受けるなら、ひいきされる側にまわりたいもの。そのコツを医療関係者に聞いた。
→医者へ上手な気持ちの伝え方|診察時、患者も同じ時間の長さ医師と話すべき
こんな患者は医者に嫌われる…6つの特徴
【1】診察時にワンピースを着ている
神宮外苑ミネルバクリニック院長の仲田洋美さんは
「よく『いい服を着て髪も整えていないとみっともないと思われるのではないか』と考える人もいますが、ほとんどの医師は気にしていない。患者さんが病気でつらい中、足を運んでいることはよくわかるので、よほどにおいがひどいとか、ほかの患者さんが困るような状態でなければ問題ありません」
そんな仲田さんも「これはやめてほしい」という基本が2つあるという。
「まずはワンピース。胸に聴診器を当てたり胸部のレントゲンを撮ったりするだけのために全部脱がなくてはならず、手間と時間がかかってしまいます。服は上下セパレートで胸元がパッと上げられるものがいい」。
【2】付け爪やネイルアートをしている
神宮外苑ミネルバクリニック院長の仲田洋美さんが「これはやめてほしい」ことの2つめは
「次に困るのがネイルアートや付け爪。爪から血行の様子を診ることがあるほか、自己免疫疾患の一部には、爪に異常のサインが出るものもあります」(仲田さん)
【3】口紅やファンデーションが濃すぎる
「同様に唇の色や顔色も診断の判断材料になるのでできれば口紅やファンデーションはしていない方が望ましいですね」(仲田さん)
【4】喫煙者のたばこのにおいや口臭も…
医療問題に詳しいジャーナリストの村上和巳さんは、多くの医師への取材経験からこんな傾向があると明かす。
「たばこのにおいがする人を嫌がる医師は少なくありません。『喫煙者が来るとエアコンを切って窓を開ける』とまで公言する医師もいました。特に呼吸器や循環器、がんのドクターは、害を知り尽くしているだけにたばこを嫌がります。高血圧を起こすほか、肺がんなどを誘発することもはっきりしていますし、なかなか禁煙しない患者に手を焼いている場合も多いからでしょう。少なくとも受診前の一服はやめておきましょう」(村上さん)
喫煙者は歯周病になりやすく、自分では気づきにくいが、口臭がきつくなる場合も少なくない。心当たりのある人は重ねて気をつけたい。
【5】スマホをいじり続ける
見た目やにおいとともに気をつけたいのが、診察室での態度だ。
「胎児の異常を調べる出生前診断についてご夫婦に説明していたときのこと。夫の方が話も聞かずスマホゲームに夢中で、妻もたしなめなかった。さすがにいい治療ができるとは思えず、お引き取り願ったことがあります」(仲田さん)
もはや1人1台が常識となったスマホが、医師たちを悩ませるツールになっている。
「私もスマホをいじる患者さんには悩まされました。ずっと株式の取引をしていたため手放せなかったようなのですが、こちらの説明も上の空で聞き流す。たまりかねて『あと5分で説明が終わりますから』と伝えたところ『その5分で損したら、責任とってもらえるんですか?』と逆上された。こういう患者さんは、必要最低限の説明と処置でいいのでは、と考えてしまう」(前出・都内の内科医)
【6】インターネット情報の鵜呑みにする
インターネット絡みでは、「ブログ」も火種になることがある。仲田さんが言う。
「最近は、がんなどの病気を患った人が“闘病ブログ”を公開することもありますが、その内容と自分の病状を照らし合わせて『自分もこの治療をすれば治るはず』と妄信してしまう人がいます。進行度合いや病状は人それぞれ。回復したとブログに書いてあったからといって、誰にでも効果があると思い込んでしまうのは困りものです」
患者側は藁(わら)にもすがる思いなのはよくわかる。しかし、同じ病名であったとしても体質や症状が違えば、薬や療法にも合う、合わないがある。医師は診断や検査の数値などを見ながらあなたにとって最善の治療法を考えてくれていることを忘れてはならない。
こんな患者は医者に嫌われる【まとめ】
■診察時にワンピース→診察に時間と手間がかかる
■付け爪やネイルアートをしている→爪の血行などから診断ができない
■口紅やファンデーションが濃すぎる→唇や顔色から診断ができない
■喫煙者→たばこのにおいや口臭を嫌う医者も
■スマホをいじり続ける患者→医者の話を上の空
■インターネット情報の鵜呑みにする患者→病状や治療は人ぞれぞれ
教えてくれた人
仲田洋美さん/神宮外苑ミネルバクリニック・院長、村上和巳さん/ジャーナリスト
※女性セブン2020年10月29日号
https://josei7.com/
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