猫が母になつきません 第197話「あたらしくする」
うちでは3種類の爪とぎを置いています。細長いフラットなタイプ、立って使うL字型のタイプ、そして波型。波型は猫たちの一番のお気に入りですが、けっこう丈夫なので取り替えるのは一年に一度くらい。山になっているところが削れたなと思ったら替えています。さびは色も形も全く同じなのに感触が変わった爪とぎに最初はびっくりしていましたが、一度研ぎ始めるとその新鮮な感触をむさぼるように前脚を全速力で動かしていました。爪、なくなるぞ。新しくするというのはたいてい気持ちのいいものですが、母にとっては必ずしもそうではないようで、うちでは台所の布巾や食器洗いのスポンジを新しくするのにもひと苦労です。古いものを捨てたはずなのに、気づくといつのまにか戻ってきている。ゴミ袋の奥深くに入れたのに…敵も然(さ)る者。先代の台拭きは3度目でやっと捨てることができました(泣)。
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母とくらすため地元に帰る。典型的な介護離職。モノが堆積していた家を片付けたら居心地がよくなったせいかノラが縁の下で子どもを産んで置いていってしまい、猫二匹(わび♀、さび♀)も家族に。