猫が母になつきません 第165話 「きゅうきゅう-その2」
救急相談センターの方に「救急車を呼んでください」と言われ、苦しい息の中でなんとか119に電話をしてすぐに救急車が来ました。そのころには話すのも難しいくらい息があがっていて目眩でふらふら…過呼吸症候群でした。運動後に起こる過呼吸と違い、精神的な不安やストレスが原因で自分の呼吸をコントロールできなくなるのです。自分では落ち着いて行動しているつもりでいたのに体は異常をきたすほど不安でストレスをかかえていた…? 救急隊員の方にゆっくり、吐く息を多くして、と言われ一生懸命その通りにするのですが、なかなか良くならず病院のベッドに寝かされるころには手足がしびれ、筋肉が硬直し始めていました。先生が来て切り傷を診てくれましたが「手の硬直が取れないと縫えないから」と過呼吸の症状がおさまるのを待つことに。土曜深夜の救急外来は大忙し。カーテン越しにまわりの慌ただしい音を聴きながら、手を切ったくらいでここに寝ていることが申し訳ないような気持ちになり、それがいけないのか症状はなかなかおさまらない。そんな悪循環に苦しんでいるさなか「そういえば母は?」と見るとベッドのそばで熟睡している。椅子で熟睡しているので転落してはいけないと起こそうとしますが声をかけても全然目を覚ましません。「ちょっとー」「ねえってば」「起きてー」「おーい」…気づけば私の過呼吸はすっかりおさまっていました。→来週につづく
【作者プロフィール】
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母とくらすため地元に帰る。典型的な介護離職。モノが堆積していた家を片付けたら居心地がよくなったせいかノラが縁の下で子どもを産んで置いていってしまい、猫二匹(わび♀、さび♀)も家族に。
第101話「まだまだうめぼし」
第102話「ゆずれない」
第103話「ストップ再利用」
第104話「きづかれる」
第105話「いま?」
第106話「あっというま」
第107話「のまない」
第108話「つけない」
第109話「つかない」
第110話「ドライブスルー」
第111話「るすでん」
第112話「リフォーム」
第113話「かいかえる」
第114話「ピンク!」
第115話「足元注意」
第116話「にらまれる」
第117話「さがしもの」
第118話「こっせつ_その後」
第119話「はかない」
第120話「猫の手」
第121話「やればできる」
第122話「あっとうされる」
第123話「おしまくる」
第124話「ゆだんする」
第125話「いただく」
第126話「たべない」
第127話「いるやつ」
第128話「さむい」
第129話「きこえてる?」
第130話「いぞんする」
第131話「はいらない」
第132話「おかないで」
第133話「つける」
第134話「はなせる?」
第135話「あじみする」
第136話「きになる」
第137話「すいてた」
第138話「のばされる」
第139話「とほうにくれる」
第140話「にっこうよく」
第141話「おさまる」
第142話「みせにくる」
第143話「おこられる」
第144話「ぜんぶだす」
第145話「あてはまる」
第146話「みえる」
第147話「ハマる〈ちらしずし編〉」
第148話「 ねている」
第149話「にている」
第150話「週末の恋人」
第151話「みせつける」
第152話「かくす」
第153話「にぶい
第154話「れんしゅうする」
第155話「みつける」
第156話「メッセージ」
第157話 「どうしても」
第158話「いうべきか」
第159話「わかる」
第160話「なくさない」
第161話「かえる」
第162話「こまかい」
第163話「たいふう」
第164話「きゅうきゅう-その1」