猫が母になつきません 第163話 「たいふう」
「老いては子に従え」ということわざは老いても従わないからこそあるんだろうな、といつも思います。「よかれと思って」なんて全然通じません。台風が接近していて猫も家でおとなしくしているくらい風の強い日、母が出かける支度をしているので「どこか行くの?」と聞くと「マッサージに行って来る」と。あぶないからやめるように言ってもとにかく一旦外に出て強風に吹かれないと気がすみません。母が従うなんて夢のまた夢、むしろ反抗期まっさかりです。幼児期と思春期の反抗期は精神の発達の一段階で、それによって自我が確立されていくものらしい。しかし80代ともなるとそこにあるのはもう確立しまくった自我のみ。結果、他人の意見が受け入れられず、というかそもそも聞いてもいなかったかのような反抗的な態度に…。子に従う親なんて実はツチノコなみに「見たって人がいるらしい」くらいの幻の存在なのでは。見かけた方はご一報ください。
【作者プロフィール】
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母とくらすため地元に帰る。典型的な介護離職。モノが堆積していた家を片付けたら居心地がよくなったせいかノラが縁の下で子どもを産んで置いていってしまい、猫二匹(わび♀、さび♀)も家族に。
第101話「まだまだうめぼし」
第102話「ゆずれない」
第103話「ストップ再利用」
第104話「きづかれる」
第105話「いま?」
第106話「あっというま」
第107話「のまない」
第108話「つけない」
第109話「つかない」
第110話「ドライブスルー」
第111話「るすでん」
第112話「リフォーム」
第113話「かいかえる」
第114話「ピンク!」
第115話「足元注意」
第116話「にらまれる」
第117話「さがしもの」
第118話「こっせつ_その後」
第119話「はかない」
第120話「猫の手」
第121話「やればできる」
第122話「あっとうされる」
第123話「おしまくる」
第124話「ゆだんする」
第125話「いただく」
第126話「たべない」
第127話「いるやつ」
第128話「さむい」
第129話「きこえてる?」
第130話「いぞんする」
第131話「はいらない」
第132話「おかないで」
第133話「つける」
第134話「はなせる?」
第135話「あじみする」
第136話「きになる」
第137話「すいてた」
第138話「のばされる」
第139話「とほうにくれる」
第140話「にっこうよく」
第141話「おさまる」
第142話「みせにくる」
第143話 「おこられる」
第144話「ぜんぶだす」
第145話「あてはまる」
第146話「みえる」
第147話「ハマる〈ちらしずし編〉」
第148話「 ねている」
第149話「にている」
第150話「週末の恋人」
第151話「みせつける」
第152話「かくす」
第153話「にぶい
第154話「れんしゅうする」
第155話「みつける」
第156話「メッセージ」
第157話 「どうしても」
第158話「いうべきか」
第159話「わかる」
第160話「なくさない」
第161話「かえる」
第162話「こまかい」