「終の住処」を追求する介護付有料老人ホーム<後編>
ヒルデモアたまプラーザ・ビレッジ l
前編では終の住処にするために取り組んでいるターミナルケア、認知症ケアについて紹介した。今回、後編では「ヒルデモアたまプラーザ・ビレッジ l」が力を入れている食事や建物、設備などを細かく紹介していきたい。
直営キッチンで人生の喜び「食」を追求
銀鱈の西京焼き、鳥の治部煮。人参やしいたけには飾り包丁が入れてあり、市松模様で見た目にも配慮されたデザートのきんつば…。ここでは食を人生の楽しみにしている人も満足できる食事が用意されている。
直営のキッチンで調理をするスタッフは、体調が思わしくない入居者にはお粥やうどん膳などに変更して提供するなど柔軟に対応している。基本的に献立は全ホーム統一だが、入居者の好みに合わせて一工夫しているのだ。また、基本的に陶器の食器を使用しており、特注したオリジナルの出汁を使用するなどのこだわりも。毎日のことなので、食感や香りも大切にして、おいしく食べてもらうことを重視しているという。お米も、コシヒカリの一等米を仕入れるなど食材にもこだわっているそうだ。
また、状態に合わせて、常食からゼリー食まで9種類の食事形態も用意されている。さらに、オリジナルで開発したものを含めて、常食と同じ見た目のソフト食「モアディッシュ」を提供している。これは、これまでと同じような食事をしたいという入居者の気持ちに応えるものだ。お餅もオリジナルで開発し、全ての食事形態の入居者に提供しているというから驚く。
「特に月に1回の行事食や季節のものを取り入れた食事では、お褒めの言葉をいただきます。行事食のときにご家族が来館されて、一緒に食事を楽しまれていることも多いです。ここで毎年お正月のおせち料理を楽しんでいるご家族もいらっしゃいますよ」(ヒルデモアたまプラーザ・ビレッジ l支配人の岩佐茂さん、以下「」は同)
キッチンスタッフ、栄養士、介護スタッフ、看護スタッフ、歯科衛生士、言語聴覚士など各部門のスタッフからなる食事改善委員会が月に1回開かれていて、ここで話し合われたことが食事に反映されていく。このようなことができるのは、キッチンを直営にし、各専門職を自社で雇用しているからだ。入居者の食事の満足度を全社一丸となって高めているのだ。