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暮らし

作家・佐藤優さんが解説する、毎日を充実させる時間の使い方「朝は2時間早起き」「時間の天引き」 “ものを探す時間”をなくすために実践していることは?

 忙しいのになんだか毎日物足りない、それはもしかしたら毎日の時間をうまく使えていないのかもしれない。元外務省職員で作家の佐藤優さん(66歳)は大病を乗り越え、日々メディアに引っ張りだこながら、時間をうまく使い、充実した毎日を送っているという。毎日の時間を充実させるための時間の使い方について、佐藤さんの著書『残された時間の使い方』(クロスメディア・パブリッシング)から一部抜粋、再構成してお届けする。

朝の時間を活用すれば持ち時間が増える

 1日の中で結構ムダにしてしまっている時間があると思います。電車で移動中の時間や昼休みのちょっとした時間など、何かと何かの間の“隙間時間”はその最たる例でしょう。この時間をもっと有効に活用できれば、1日がさらに有意義なものになると考えます。事実、わずかな隙間時間でも、それが1日10分だとしても、1年やり続ければ3560分になります。時間にして、約60時間です。

 10分では足りない、もう少しまとまった時間がほしいということであれば、ビジネスパーソンは「朝の時間」か「帰宅後の時間」になります。帰宅後は「疲れていて何もやる気がしない」という人も多いでしょうから、朝の時間をもっと有効活用できないか考えてみるのがよいと思います。やはり頭が働くのは、起きた直後の朝の時間が一番です。冴えているという意味では、集中力や記憶力などは朝の1時間は夜の2時間に匹敵するはずです。

 いつもよりも早起きをして、できれば2時間を捻出してみてください。その2時間は、おそらく夜の4時間に相当します。集中して勉強などすれば、大きな効果を得られるはずです。例えば今まで朝7時に起きていたら、5時に起きるようにするのです。それによって生まれた2時間を学習にあててみてください。

夜の時間はリラックスに充てる

 反対に、夜の時間はひたすらリラックスする時間にします。ゆっくりと風呂に入ったり、体操やヨガなどで軽く体を動かすのです。

 下手に寝る前に勉強などをして、脳を覚醒させると、すんなりと睡眠に入ることが難しくなります。

 やはり夜は、脳も体もリラックスさせることが一番だと考えます。それによって朝型の生活リズムになれば、今度は夜の時間でムダなつき合いや飲み会に参加することも控えるようになります。まさに、いいことづくめではないでしょうか。

日記や記録をつけることを1日のルーティーンに

 自分が有意義な1日を過ごしたかどうかは、感覚で判断している人が多いと思います。なんとなく今日は充実していたなとか、何もしないまま1日が過ぎてしまったなという感じです。

 そこでもっと時間への意識を高めるために、日記や記録などをノートにつけることをお勧めします。ノートにはその日に印象に残った出来事や、大きな意味を持つと思われる出会いなどを書き込みます。事実を記録すると同時に、その時に考えたり感じたりしたことも書き添えるのがよいでしょう。

 記録をつけること自体が、1日のルーティーンになり、1日のリズムを作ったり、1日のけじめにもなります。

「時間の天引き」でプライベートも充実させられる

 毎日忙しそうに働いて、とてもゆっくりする時間なんてないと嘆くビジネスパーソンがいます。一方で土日は休み、有給休暇や夏休み、冬休みなどをしっかりと確保して仕事をしている人もいます。どちらが仕事で成果を上げているかというと、意外に後者だったりしませんか?「忙しい、忙しい」が口癖で、一見必死に働いているように見える人ほど、パッとした成績を上げていない。そういうケースが結構あると思います。

 では、忙しいのに時間をやりくりして、プライベートの時間もエンジョイしている人は何が違うのでしょうか。彼らがやっているのが、「時間の天引き」です。彼らは仕事の予定を入れる前に、プライベートの予定を先に入れて時間を確保しています。

 これはお金の天引きと同じ理屈です。毎月の給料から強制的・自動的に貯蓄分を天引きし確保しないと、ついあるだけ使ってしまうものです。まず貯蓄分を天引きして、残ったお金でやりくりする人は、お金が貯まるスピードも早いでしょう。時間もそれと同じ理屈で、まずは自分の時間を確保します。

 最初は忙しい時に旅行なんて行っていて大丈夫だろうかと心配になりますが、面白いもので、先にプライベートな時間を確保してしまえば、それに応じて仕事をこなすようになります。つまりは、生産性を高めるということです。同じ仕事であっても、短時間で集中的にやれば生産性が高くなります。

 昔のように、休まず働く人こそ、会社に対する忠誠心が高いとして評価される時代ではありません。上手に、時間の天引きができ、成果を出すことができる人が求められる時代なのです。

「本当のムダ」は省く

 仕事をする上で、明らかなムダというものがいくつか存在します。なかでも、私が真っ先に思い浮かぶ仕事のムダは、「ものを探す時間」です。皆さんも思い当たるかもしれません。しまっておいたはずの書類が見当たらず、机の上や引き出しの中などを探すけれど、なかなか出てこない……。忙しい最中に決まって、そんなことが起こります。

 私はこのムダな時間である「探し物の時間」をなくすために、いろいろと工夫をしています。1つは、書類はすべてA4の封筒に入れて、段ボールに時系列で投げ込んでいます。封筒には、書類の内容をマジックで書いているので、中身がひと目でわかるようになっています。

 書類をテーマ別にファイリングして、本棚に並べた方が見た目もキレイでよいかもしれませんが、ファイリングする時間が私にはムダに感じてしまいます。

 見栄えは多少よくなくても、茶封筒に書類を詰め込み、そのまま段ボールの中に入れてしまえば作業はグッと少なくなります。しかも時系列にしているので、何がどこに入っているかはおおよそ見当がつきます。あとで探すのにそれほど苦労はしません。それで半年後や1年後にたまった資料を見直し、もはや必要ないと思うものはどんどん捨てていきます。

◆作家・佐藤優さん
さとう・まさる。元外務省主任分析官。同志社大学神学部卒業、同大大学院神学研究科修了後、外務省に入省。英国の陸軍語学学校でロシア語を学び、在ロシア日本大使館に勤務。北方領土問題など対ロシア外交で活躍。2002年、背任と偽計業務妨害容疑で逮捕。2009年、最高裁上告棄却。2013年、執行猶予期間を満了し刑の言い渡しが効力を失う。著書に『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて』(新潮社)、『残された時間の使い方』(クロスメディア・パブリッシング)など多数。

●体力がない人が「苦手な仕事と戦略的に向き合う方法」を精神科医が指南 ポイントはキャパシティと“ミスの許容範囲”の見極め

●《散歩でもっと健康に!》体の土台となる足裏の筋肉「足底筋群」を鍛える簡単トレーニング「手足のおしくらまんじゅう」など3種

●《感性は老いない、経験はかさばらない》ANA初の「65歳定年まで飛び続けた客室乗務員」語る“1人旅のススメ”「知らない世界を見に行くのに遅すぎることはない」

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