「親のリハビリ」効果を感じない人は半数以上、ビジネスケアラーが抱える悩みが浮き彫りに「成果や取り組み状況の見える化に期待」の声も<調査レポート>
働きながら親の介護をする「ビジネスケアラー」の中には、親がリハビリを受けている人も多いだろう。しかし親がどんなリハビリを受けているのか、身体機能がどの程度改善されているのかわからないという悩みも出てくる。親を介護するビジネスケアラーを対象にした「親のリハビリ」に関するが、リハビリに意識調査の結果をレポートする。
親のリハビリ内容や効果を知りたいビジネスケアラー
身体機能が衰えた高齢者が日常生活をスムーズに送るため、リハビリの需要は年々高まっている。一方で、仕事と介護を担うビジネスケアラーの中には、親のリハビリに立ち会う時間的な余裕がなく、リハビリの内容や効果に不安や葛藤を抱えている場合も少なくない。
リハビリトレーニングを提供するシステム「リハまる」を開発するテクリコが、介護と仕事を両立しているビジネスケアラー623人を対象に「親のリハビリ」に関する調査レポートを発表。
アンケート結果から、リハビリ中の親を介護することの負担、親のリハビリに寄せる期待が明らかになった。
仕事と介護の両立は、時間的・精神的・経済的・肉体的な負担
介護に関わっている親について、現在リハビリを受けているか聞いたところ「はい」が53.5%、「いいえ」が46.5%だった。ビジネスケアラーの半数以上が、自身が介護に関わる親が現在リハビリを受けている。
仕事と親の介護の両立を試みる上で、最も負担に感じていることは何だろうか。介護に関わっている親が現在リハビリを受けていると回答した人を対象に聞いたところ、1位は「介護時間の確保などの時間的な制約」(30.0%)だった。
次いで「親への不安や職場のストレスなどの精神的な負担」(27.7%)、3位は「介護サービス費用やリハビリ費用などの経済的な負担」(21.3%)、4位は「介護や仕事による肉体的な負担」(19.8%)となった。金銭面や肉体面での負担より、時間や精神的な負担を感じる傾向にある。
リハビリによって介護される側・する側の負担減
では、親のリハビリに対して最も期待していることは何なのだろうか。上位2位が「日常生活動作の維持・向上」(22.6%)、「身体機能の維持・向上」(21.0%)だった。「本人の意欲向上」(14.7%)、「認知機能の維持・向上」(12.9%)、「専門家による定期的な健康状態のチェック」(8.1%)と、親自身が生活しやすくなることを望む人は約8割にものぼった。一方で「自分や家族の介護負担の軽減」(19.5%)が3位となり、介護する側の生活がしやすくなることを望む人も少なくなかった。
リハビリの内容・結果の見える化が急務
では、実際に親がリハビリを受けて、期待するような効果は出ているのだろうか。1位が「期待していたほどの効果を感じていない」(42.0%)、「全く効果を感じていない」(10.5%)と半数を超える人が不満を感じていることがわかった。
親のリハビリに関して不安や不満に感じることを問う質問に対しては、先のアンケート結果でもわかるように「リハビリによる効果がわからないこと」が1位で34.5%だった。
2位は「本人が意欲的に取り組めているかがわからないこと」(27.9%)と、リハビリの現場に立ち会わないせいか、1位・2位の回答のように本人の様子がわからないことで不安や不満が大きくなってしまうのだろう。3位は「リハビリにかかる費用が負担になっていること」(26.1%)、4位は「リハビリの頻度や時間が十分ではないこと」(25.5%)が続き、費用負担を考えてリハビリの時間を十分に確保できないという事情も想像できる。
リハビリの内容・効果がわかりにくいという不満の声が多かったことを踏まえ、親のリハビリに関して“見える化”してほしい情報をたずねたところ、1位は「リハビリによる身体・認知機能の変化」(46.6%)、2位は「今後のリハビリ計画や目標設定」(38.7%)、3位は「リハビリの具体的な実施内容」(34.8%)、4位「担当者からの専門的なフィードバックやアドバイス」(30.9%)、5位「リハビリの実施状況」(26.6%)、6位「本人のリハビリ中の様子」(24.9%)という結果が出た。
親の認知機能の衰えもあり、リハビリでどんなことをしているのか具体的な話が聞けないという事情があるのかもしれない。親が遠方に住んでいる、自身の仕事が忙しいなどの理由で、そもそも親子でじっくり話す時間が取れないというケースもありそうだ。
これらの調査結果からわかるのは、親が受けているリハビリについて、成果や取り組み状況がわかりにくいと感じている人が多いということ。「期待していたほどの効果を感じていない」「全く効果を感じていない」と不満の声が大きい要因になっていると考えられる。具体的にどんなリハビリを受けているのか、提供されるリハビリに意欲的かつ効果的に取り組めているのか、データ化されることで家族が情報を共有できるようになると、親も子も今よりもっとリハビリを上手に活用できるようになるはずだ。
【データ】
「ビジネスケアラーの親のリハビリに関する意識調査」
リハまる(MRリハビリテーションシステム)
https://rehamaru.jp/
<調査概要>
調査対象:30~50才代のビジネスケアラー の男女
調査時期:2025年11月19日~11月21日
調査方法:インターネット調査
調査人数:623名
調査主体:テクリコ
モニター提供元:RCリサーチデータ
※テクリコの発表したプレスリリース(2025年12月10日)を元に記事を作成。
図表/テクリコ提供 構成・文/西谷友里加
