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70%以上が子供に財産を見せることに抵抗がないと回答<相続に関するアンケート>調査結果をレポート

 年を重ねて来ると頭に過り始める相続問題。いざという時に困らないためにも、早めのうちから対策をしておくことが大切だ。とはいえ、どんな対策をすればいいのかわからない人も多いのでは。そこで、「相続に関するアンケート」の結果から、相続に対する意識や対策についてレポートする。参考にしてみてはいかがだろうか。

相続対策の参考に「相続に関するアンケート」結果を紹介

 高齢化が進み、年々亡くなる人も多くなる現在、終活や相続対策への関心が高まっている。しかし実際どのような準備を行っておけばいいのか悩んでいる人も多いのではないだろうか。

 そこで、相続手続きに関するシステム『better相続』を提供する辻・本郷ITコンサルティングは、20代~80代の男女207人を対象に、「相続に関するアンケート」を実施。相続に対する意識や対策の有無についてを調査したので、その結果をレポートする。

親が思う遺産の使い道1位は「自由」

 最初に、「自分の財産を相続させる場合、どのように使われてほしいですか」と尋ねたところ、「自由(90票)」と回答した人が最も多く、「生活費(75票)」「学費(32票)」と続く結果となった。

 相続財産の使い道について最も多かったのは、相続人の「自由」に、という意見だったがそれと同時に、無駄遣いはせず、本人のためになるように使って欲しいという声も多く挙がった。次に「生活費」で、インフレや長寿化により生活が厳しくなると考える人が多いようだ。3位には「学費」が挙がり、子や孫のために使って欲しいという声があり、大学進学率の上昇も影響していると考えられる。

遺したい財産の1位は「現金」

 次に、「相続の経験を踏まえ、どのような形で財産を遺したいですか」と質問を行った。その結果、「現金(173票)」が1位となり、「生命保険(92票)」「不動産(80票)」と続いた。

 現金は分けやすく、評価が簡単で汎用性が高いために人気があると考えられる。続く生命保険には非課税枠があり、現金として相続人に渡せる点が魅力だが、一方で不動産は住居として活用できるものの、分割しにくい・空き家リスクがあるためか、割合は低めとなった。

 相続対策を考えている人は財産の現金化、生命保険の非課税枠の活用、相続人が不動産を必要としているかなどを考慮して対策を行うのが良いだろう。

相続経験者の半数が相続対策を行っている

 また、「相続の経験を踏まえ、遺される家族のために対策していることはありますか」と尋ねたところ、「はい」が52.2%、「いいえ」が47.8%という結果となった。

対策具体例は「相続手続きの簡略化」

 続いて前問で「はい」と回答した人を対象に、「具体的にどのような対策をしていますか」と質問を行った。すると「相続手続きの簡略化(59票)」が最多という結果に。「相続税を考慮した対策(21票)」「遺言書などを作成する(11票)」と続いた。

 相続対策で一番多かったのは「手続きの簡略化」。財産を探すのが大変だった経験から、一覧を作ったり遺品整理をする人が多いようだ。次に多かったのは「相続税対策」で、生命保険の非課税枠を活用する人が目立った。そして3位は相続トラブルを回避するための「遺言書の作成」で、揉め事を防ぎたいという声が多く挙がった。他にも、葬儀代を準備しておくといった対策をしている人もいた。

対策していない理由は「考えていない」が最多

 一方、相続対策をしているかの質問に「いいえ」と回答した人を対象に、「対策していない理由はありますか」と尋ねたところ、「考えていない(47票)」と回答した人が最も多く、「これから対策する予定(33票)」「その他(19票)」と続いた。

 相続対策をしていない理由の1位はまだ「考えていない」から。年齢や健康を理由に「実感が湧かない」という声が多いようだ。続く2位は「これからやる予定」。忙しさや「まだ大丈夫」との考えで、手をつけていない人も多い。しかし、相続は突然発生するもの。相続人が困らないよう、財産の整理などできることから始めるのがおすすめだ。

6割以上が平等な相続を希望

 次に、「相続人によって相続財産の金額を変動させたいですか」と質問。「はい」が39.9%、「いいえ」が60.7%という結果となった。

平等に相続させたくない理由は「貢献度」

 続いて前問に「はい」と回答した人を対象に、その理由を尋ねた。すると「介護やお世話してもらった人に多く渡したい(21票)」という回答が最も多く、「経済状況や能力によって変動させたい(18票)」「相続させたくない相続人がいるため(10票)」「特定の財産を特定の相続人に渡すため(10票)」と続いた。

 平等に相続しない理由として最も多かったのは、「介護やお世話してもらった人に多く渡したい」というもの。貢献度に応じて分けたいという気持ちを持つ人が多いようだ。次に多かったのは「経済状況や能力に応じて変動させたい」という意見で、収入や家族構成などによって必要な金額が異なる場合も。そして3位は同率で「相続させたくない相続人がいる」「特定の財産を特定の相続人に渡すため」。関係が疎遠な家族がいたり、中には「特定の相続人に渡したくない」「自宅を持っているかどうか考慮して相続したい」などといった理由もあった。

 いずれにしても、相続は要因によってはトラブルのもととなるもの。終活の一環として、家族であらかじめ話し合っておきたいところだ。

平等に相続したい理由は「平等が望ましいから」

 一方、相続人によって相続財産の金額を変動させたいかの質問に「いいえ」と回答した人を対象に、その理由を尋ねたところ、「平等が望ましいから(52票)」が最も多い回答となった。2位3位には「トラブルを回避するため(38票)」「注いだ愛情が同じ(5票)」と続いた。

 相続財産を平等に分けたい理由の1位は「平等が望ましいから」。これといった理由がない限り変動させたくないという声が多く挙がった。続く2位は「トラブル回避」。差をつけると揉める可能性があるため、平等が安心という考えも多いようだ。3位には「愛情を平等に注いだから」という回答がランクイン。同じように育てたため差をつけられないという意見だが、財産の種類や関係性によっては平等が難しいことも。

 平等に相続させるには、現金化できない財産と同額の現金や財産を用意しておく、相続人の関係を良好にする、生前から相続について話しておくなどの事前対策が重要だ。トラブルに発展すると専門家に依頼する費用や裁判費用などがかかり、大切な財産が減ってしまう可能性もあるため、自分は大丈夫だと思わずに対策することをおすすめする。

70%が財産を子供に見せることに抵抗なし

 次に、「自分の財産を子供へ見せることに抵抗はありますか」と質問を行った。その結果、「はい」が31.6%、「いいえ」が68.4%となった。

 親の貯金額を尋ねるのには抵抗があるかもしれないが、親自身はそれほど気にしていないことも多いようだ。財産が不明だと、相続手続きが大変になったり、相続税が把握できなかったりすることも。トラブルを防ぐためにも、終活の一環として思い切って尋ねてみるのがおすすめだ。

「財産をあてにされそう」で抵抗がある人も

 続いて前問で「はい」と回答した人を対象に、その理由を尋ねた。その結果、「財産をあてにしそう(37票)」という回答が最も多く、「時期尚早(5票)」「揉める可能性がある(5票)」と続いた。

 財産を見せるのに抵抗がある理由の1位は「あてにされそう」。努力しなくなるのが心配という声が多かった。2位は同率で「時期尚早」、「揉める可能性がある」となり、まだ先のことだから抵抗がある、混乱を避けたいという声が挙がったようだ。とはいえ、財産の整理は大切。見せなくても、相続人が困らない準備を進めておくのがおすすめだ。

抵抗がない理由1位は「相続の際に困らないため」

 一方、財産を子供へ見せることに抵抗はあるかの質問に「いいえ」と回答した人を対象に、その理由を尋ねたところ、「相続の際に困る(40票)」という回答が最も多く、「特にない(25票)」「トラブルを回避するため(19票)」と続く結果となった。

 財産を見せるのに抵抗がない理由の1位は「相続時に困るから」。手続きが大変だった経験から、事前に見せることで負担を減らしたいという声が多かった。また、3位には「トラブル回避」がランクイン。生前に財産を見せることで、揉め事を防ぎたいという考えがあるようだ。

 実際に経験しないと相続手続きの大変さを知ることはできないが、経験者の多くが大変だと言っているため、生前から様々な準備を進めておくことがおすすめだ。

相続の大変さの実感や、早めの対策への動機付けが重要

 相続を経験すると、手続きの大変さや相続税の負担を実感し、対策を考える人が増える。その結果、相続人が楽になるように準備したり、現金や生命保険で遺したいと考えたりする傾向があるようだ。

 また、多くの人が財産の使い道は自由・遺産は平等を望むのは、相続人への愛情や信頼があるからと考えられる。しかし、自分が経験した苦労は相続人にさせたくないという愛情があるものの、実際に対策できていない人も多いため、早めに対策を行う動機を作ることも大切となってくる。

 例えば、「相続に関連したニュースを親などへ共有し、手続きの大変さを伝え、財産整理などを行ってもらう」「正月やお盆など親族が集まりやすい時期に、連絡してほしい人などの切り出しやすいことから聞き出し、一緒に終活を進める」など、自分のできることから動機付けを行うのがおすすめだ。現在は動画などわかりやすい形で相続についてまとめられていることも多いため、調べて家族で一緒に視聴してみるなども良いだろう。

【データ】

辻・本郷ITコンサルティング
https://ht-itc.jp/

better相続手続きガイド
https://lp.guide.jp-better.com/

better相続登記
https://jp-better.com/lp/touki/

better相続申告
https://jp-better.com/lp/shinkoku/

【調査概要】
調査名:相続に関するアンケート
アンケート対象:男性127名、女性80名
(20代2名、30代6名、40代25名、50代82名、60代77名、70代14名、80代1名)
調査方法:インターネット調査
調査機関:2025年2月3日~2025年2月20日
調査地域:全国

※辻・本郷ITコンサルティングの発表したプレスリリース(2025年3月14日)を元に記事を作成。

図表/辻・本郷ITコンサルティング提供 構成・文/秋山莉菜


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