「家事や介護、仕事も担う未来は暗い?」10年後の働き方調査で主婦の本音が浮き彫りに<調査レポート>
健康寿命が大きく延び、人生100年時代という言葉を耳にすることも多くなった現代日本。昔と比べ、人々の生き方や働き方も大きく変化しつつある。「10年後の未来と夫婦の働き方」をテーマとしたアンケート調査の結果から、働く主婦がイメージする10年後の夫婦の在り方についてレポートする。
働く主婦が思い描く10年後の夫婦の在り方とは?
女性の社会進出の増加や、健康寿命が延びたことにより、今までの働き方から変化しつつある現代社会。夫婦のワークスタイルもその影響を大いに受け、夫婦共働きの家庭は珍しくなくなってきている。
ビースタイルホールディングスが運営する、仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層の実情や本音を探る調査機関『しゅふJOB総研』は「10年後の未来と夫婦の働き方」をテーマに、主婦層を中心とする就労志向の女性465名にアンケート調査を実施。以下、その結果をレポートしていく。
10年後の未来で増えそうなのは「夫婦対等に共働き」
まず最初に、「今から10年後の未来を想像した時、夫婦のワークスタイルとして増えそうなのはどれだと思いますか」と尋ねた。その結果、「夫婦対等に共働き」という回答が最多で1位となり、6割を超えた。
10年後の夫婦の働き方:2024年と2020年の比較
また、上記の結果を2020年時のものと比較してみると、「夫婦対等に共働き」という回答は増えているのに対して、2位の「夫が中心となって働き、妻は補助的に働く」という回答は約10%も減っていることが判明した。
在宅ワークの普及により「妻メイン」が増加か
続いて、上記の質問に「妻が中心となって働き、夫は補助的に働く」または「妻が働き、夫は専業主夫」と回答した人に対して、その理由を尋ねた。すると最も多かった回答は「ITの進化等で在宅でも働きやすくなってきたから」28.6%となった。
10年後の未来は?「明るい」と回答は約2割
次に「今から10年後の未来を想像した時、就労志向の主婦にとって未来は明るいと思いますか」という質問を行った。「明るい」「どちらかというと明るい」と回答した人は合わせて24.3%、「暗い」「どちらかというと暗い」と回答した人は合わせて45.8%となり、約2倍の差が生まれる結果となった。
10年後の未来は明るいか 2024年と2020年の比較
また、上記の結果を2020年のものと比較してみると、「明るい」と回答した人の割合は減り、「暗い」と回答した人の割合が増えているようだ。
働きたい主婦たちのリアルな声を公開!
10年後の未来は就労志向の主婦にとって「明るい」「暗い」と答えたかたたちのリアルな声をピックアップ。
<10年後の未来は就労志向の主婦にとって「明るい・どちらかというと明るい」と答えた人>
・就業希望があれば、年齢制限なく働ける社会になって欲しい(60代:パート/アルバイト)
・画一的ではなく今よりそれぞれの夫婦の考え方に拠るところが大きくなり二分化されるのでは、と考える (50代:パート/アルバイト)
・夫は頑張ってきたので、休ませてあげたい(50代:正社員)
・今までのような男尊女卑で、家事もほとんど女性が担うようなことにはならないでほしい(50代:今は働いていない)
・夫婦の問題だと思うので、自由で良いと思います(50代:派遣社員)
<10年後の未来は就労志向の主婦にとって「暗い・どちらかという」と答えた人>
・女性はどちらかと言うと子育ての後は親の介護を任されるかたが多く、家族に寄り添った働き方ができる柔軟性のある職場でないと長く働くことが厳しいと思う。自分は子供の数が増えたことと、介護に対する理解が得られずフルタイムで働くことが厳しくなり、20年勤めた会社を辞めた(40代:今は働いていない)
・家事育児の外注が難しいので、対等の仕事は、なかなか難しいと思う(30代:SOHO/在宅ワーク)
・そんなにすぐ変わるのかなぁと悲観的です(50代:パート/アルバイト)
・妻は家事があっても収入を増やすため働かざるを得ず、それなりの時間働いても時給が低く収入が上がらないため暗い(40代:派遣社員)
・パートタイム的な時間で働いても管理職につけるなど、もっと斬新な形で仕事ができる世の中にならなければ、母親のみならず皆が疲弊し、生活が向上しないと思います(50代:派遣社員)
どちらかに負担が偏らず、妻と夫が対等に働く未来へ
以上の結果から、これからの夫婦の働き方は、より妻と夫が対等に働く傾向が強まると感じている人が増えていることが窺える。その一方で、就労志向の主婦にとって10年後の未来は「暗い」と回答した人は「明るい」と回答した人の2倍近くに上り、現状は良くない方向へ向かっていると感じている人も多いようだ。この結果を受け、しゅふJOB総研の研究顧問である川上敬太郎さんは以下のように語る。
「家事や育児、介護といった家庭周りにかかる工数が減らずに主婦がその大半を担ったまま、夫婦対等に共働きする家庭が増えていけば仕事工数が増える分、妻の負担はさらに増えることになります。家庭と仕事を合わせた総工数をどう最適化するかに目を向ける必要があると考えます」
働き方、夫婦の在り方が多様化する今、それに適した改革が進んでいくことに期待したいところだ。
【データ】
ビースタイルホールディングス
https://www.bstylegroup.co.jp/
しゅふJOB総研
https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/3176
【調査概要】
調査方法:インターネットリサーチ(無記名式)
調査実施日:2024年7月25日(木)~2024年8月1日(木)まで
調査対象者:ビースタイルスマートキャリア登録者/求人サイト『しゅふJOB』登録者
有効回答者数:465名 ※女性のみ
※ビースタイルホールディングスの発表したプレスリリース(2024年11月20日)を元に記事を作成。
図表/株式会社ビースタイルホールディングス提供 構成・文/秋山莉菜