3人の介護福祉士が見た!老いを楽しめる人の4つの行動パターン「思いやり、推し活、感謝、使命感」理由を解説
年を重ねるにつれて、「老いを楽しみたい」と思いながらも実践するのは難しいと感じることも多い。そこで、現役・介護福祉士のみなさんに「老いを楽しめている人の行動パターン」について解説してもらった。高齢者施設での実際のエピソードなどを参考に、毎日を明るく過ごすヒントにしてみてはいかがだろうか。
教えてくれた人
■藤原るかさん/介護福祉士
介護保険スタート前から、訪問ヘルパーとして働く。ヘルパーや介護福祉士の労働条件向上にも尽力。主な著書に『介護ヘルパーは見た』(幻冬舎新書)など。
■たっつんさん/介護福祉士
介護士歴18年以上。特別養護老人ホームやリハビリのための介護施設などでのエピソードをSNSで発信。著書に『認知症の人、その本当の気持ち』(KADOKAWA)。
■砂川彰子さん/介護福祉士
Mare(マーレ)!絵画教室主宰。介護施設で介護福祉士としてキャリアを積む一方、高齢者を対象に絵画指導も行う。よみうりカルチャー横浜にて『ぬり絵で脳トレ』の講師も務める。
コミュニケーションが幸福度を左右する
「老後を幸せに生きるために」どのようにしたらよいのだろうか。
長年、在宅介護で多くの高齢者に接してきた介護福祉士の藤原るかさんはこう話す。
「健康で楽しい老後を送るには、バランスの取れた食事や適度な運動が必要ですが、私はコミュニケーションが何よりも大切だと考えています。自宅にヘルパーが来てから認知症の進行がゆるやかになったというかたも多く、コミュニケーションによる脳への刺激が、認知症の予防になるという医学的データもあるようです」(藤原さん)
老いを楽しめる人の行動パターン4選
老いを楽しめる人の特徴から学んで実践することをおすすめする。
1.自分も体が不自由なのに仲間を思いやってサポートする
「私の勤める介護施設にカラオケ好きの高齢男性がいたのですが、脳梗塞を患ったためハミングするのが精いっぱい。すると80代の入居女性が、彼の好きな歌を一緒に熱唱。その場に笑顔が溢(あふ)れました。人から世話をされて当たり前と考えず、できる範囲で支えようとする人は多くの人に好かれ、幸せそうに見えます」(介護福祉士・たっつんさん)
2.推し活などで生きがいを見つけると考え方が肯定的になりやすい
「歌手や俳優などの推し活をしている人は生活に張り合いが出るからか、考え方も前向きで、介護施設にいてもイキイキとしている人が多いように思います。推し活といっても外出の難しい人は、ベッドの周りなどにポスターや雑誌の切り抜きを貼って楽しんでいらっしゃいます」(介護福祉士・砂川彰子さん)。
趣味が人生を豊かにするようだ。
3.常に周りの人に感謝しそれを言葉で表現している
「食事を運んでいくと、“毎日決められた時間に食事を提供するのは大変なこと。本当に感謝しています”などと声をかけてくれるかたがいます。こういう人は現役時代、仕事に打ち込んでいたケースが多く、人の苦労がわかる。感謝するだけでなく言葉にしてくださるので、そういう人の周りには親切な人が集まります」(砂川さん)
4.人の役に立つ仕事を見つけ使命感を持って取り組む
「私の施設には、入居者で組織された“洗濯物たたみ隊”があるのですが、これは職員が大変なときに自発的に手伝ってくださるかたたちによるグループ。家事の経験が生かせると、皆さん喜々として取り組んでくれています。役割ややりがいを見つけ、使命感を持って取り組むことで人は元気になるようで、皆さん明るくなりました」(たっつんさん)
取材・文/上村久留美 イラスト/たばやん
※女性セブン2024年10月17日号
https://josei7.com/
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