耳からわかる体の不調「耳ツボのうち43個はWHOが認定」耳を見てほぐして心身の健康をチェック
ツボや神経が集まり「全身の縮図」と呼ばれている耳。耳を見れば体のどこが悪いかも一目瞭然だ。自分の体の調子を知るためのお手軽“セルフ耳チェック法”をリフレクソロジーの資格を持ちながら看護師として活躍した経験をもつ市野さおりさんに聞いた。
教えてくれた人
市野さおりさん/看護師・リフレクソロジスト。病院勤務後、アロマセラピーやリフレクソロジーの資格を生かし、総合医療ナースとして活動。現在は鍼灸院にて施術を行う。著書に『1分!耳ストレッチ』(青春出版社)など。
全身にも反映されやすい「耳」への刺激
全身にある約700個のツボのうち、耳にあるツボは100個以上。そのうち43個はWHO(世界保健機関)が耳介治療に有効だとして、認定している。
「実は、足裏のツボは1つも認定されていませんが、耳のツボや反射区への刺激は、体に何らかの影響が伝わるとされています」(看護師・リフレクソロジストの市野さおりさん・以下同)
“全身の縮図”ともいわれる耳の反射区は、1956年にフランス人医師のポール・ノジェ氏が体系化。体の各部位の反射区の位置は、お腹の中にいる、逆さになった赤ちゃんの姿を耳に投影し、いちばん下にある耳たぶが頭や顔に当たり、耳の中央は内臓、耳上は下半身に当たるとされている。
「不調が気になる臓器や器官の神経があるツボや反射区に刺激を与えることで、体や心、美容面への効果が期待できます」
また、耳は脂肪が少なく、血管や神経が集まる器官。
「触れることで反射区に対応する臓器に直に伝わりやすく、また脳にも近いため、即効性があります。ただ、刺激が強すぎると血管や神経を傷めてしまうため、ほぐすのは、長くても1分にとどめましょう」
自分の手で、いつでも手軽にできる「耳ほぐし」。毎日の習慣にして、体の不調を整えて。
Q.耳を見ると何がわかるの?
A.体の不調がわかります。自分の耳を写真で撮ってみましょう
「耳をじっくり観察し、触ることで、現在の体の不調を知ることができます。耳を触って痛みがある場合は、体調不良のサインなので、しっかりとケアを。必ず両耳のチェックをしましょう」
「真横」と「前方斜め45度」からフラッシュを使って撮影し拡大してチェック。両耳とも観察を。右耳に症状がある場合は、体の右部分に反応が出ている(左側も同様)。
耳を見て自分の症状をチェック!
状態|体からのサイン
皮がむけている|免疫力低下
毛穴が黒ずんでいる|老廃物が溜まっている
白にきびがある|代謝が悪くなっている
赤にきびがある|炎症を起こしている
赤みが強い|緊張、気持ちがたかぶっている
耳たぶにしわがある|右耳の場合:精神的疲労、睡眠不足、左耳の場合:心臓の機能の疲労、血圧トラブル
耳をほぐしてチェック!
耳の状態をチェックする前にまずは簡単なマッサージで耳をほぐそう!下のチェックリスト項目に1つでも当てはまれば、血流が悪い、老廃物が停滞している、血液が酸化しているなど体からSOSが出ている証拠ですよ!
【ほぐし方】
【1】耳たぶを触り、腕の重みを利用して下に引っ張る
【2】耳を縦に折りたたみ、耳裏から人差し指で5秒トントンたたく
【3】耳裏のつけ根部分を、「の」の字を書いてマッサージ
【チェックリスト】
□ 皮膚と軟骨が密着している感じがある
□ 耳を折ると痛い、折り曲げられない
□ 耳たぶを引っ張るとちぎれそうな感覚がある
□ 氷のように冷たい
□ 何もしなくても、耳に痛い部分がある(内耳は除く)
Q.耳をほぐす時の力加減は?
A. 器具も強い力も不要。基本はやさしい力で
「自分の指の力を知るために、キッチンスケールに指を置いて測ってみましょう。弱い力は70~100g程度。強い力は200~250g
程度が目安で、そこまで強い圧をかける必要はありません。意外とやさしい力加減なのがわかりますよ」。キッチンスケールがない場合、力加減は下記をイメージして。
弱:2枚1組のティッシュを親指と人差し指でさすって1枚ずつに分けるように。
強:ティッシュでこよりを作るように。
Q.耳をほぐすことによる副作用はある?
A.副作用はありませんが、ほぐす時間は1分以内にとどめて
「耳ほぐしを行うことで血流がよくなり、頭痛を引き起こす原因になることもあるため、長時間ほぐすのは避けましょう。トータルで1分行えば充分です。また爪を整えておかないと耳を傷つけてしまうので、清潔に保つことを心がけて。爪が長くてツボを押しづらい場合は綿棒で代用してもOKです」
Q.耳かきにも耳をほぐす効果はある?
A.ありません。
「耳の内部には反射区やツボが存在しないため、耳かきによるリラックス効果はあるかもしれませんが、ツボ押しによる効果はありません。それよりも、お風呂上がりに耳全体をタオルでふいたり、綿棒であかが溜まりやすい耳の表面のくぼみや裏側を清潔にすることが大切。カサカサしていたり、荒れているのは、体からのサイン。見逃さないで!」
イラスト/鈴木みゆき 写真/PIXTA 取材・文/近藤鈴佳
※女性セブン2024年3月21日号
https://josei7.com/
●耳でわかるセルフ健康診断「5つのタイプと注意すべき症状」耳鑑定師・後藤恵さん